2009年1月31日土曜日

024-025 / 068-069お金と英語の非常識な関係(上下)

10点満点で、7点。

準備、予習、フォトリーディング、調査・・・各10分程度
活性化(スキタリング)・・・各45分

著者自身が「上下2冊で1時間あれば読める」と書いてあるとおり、その気になれば要点だけ1時間で読めるように書いてある。フォトリーディングの手法を意識した、フォトリーディング向きの本。でもあえて、自分なりのスキタリングで読んでみた。

上巻は、英語が使えないと思いこんでる、心のブレーキを外すことに主眼がおかれている。中学レベルで大丈夫ですよ、使えないと思いこんでるだけなんですよ、だって中学レベルの英語でこれだけ伝わるんですよ、と言ったことが書いてある。なるほど。

下巻は、具体的に中学レベルの英語力でどう渡り合うのか、どうやって真意を伝えて相手の回答を引き出すのか、そういったテクニックが書かれている。割と実践的に書いてあり、読みやすい。

著者の情報源や、どうやってそれをビジネスに活かしていくのかも書いてあり、なかなかいい。本当に上下巻に分けるほどのボリュームがあるかというと少々疑問ではあるが。

タイトルほど非常識なことは書かれていなかった。言われてみればなるほど、という程度。




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023 / 067 あの成功者たちがこっそり使っている! 「春夏秋冬理論」で今日から運が開く

10点満点で、3点。

準備、予習、フォトリーディング、調査・・・10分程度
活性化(スキタリング)・・・20分

経験則を一概に否定するわけにはいかないが(ハインリッヒの法則だって経験則だ)、それにしてもこれはちょっと。

著者は「私自身信じがたいと思っている」とか「理論的な根拠はないので、否定されたら素直に引き下がるしかない」とか、いろいろ逃げを打っている。嘘を書いていない分ましなのかもしれないが、自信がないなら自信を持てるまで検証すればよいこと。結果論で物を言うのではなく、この理論を活用していかにうまく立ち回ることが出来たか、うまくいった人は全体の何割程度なのか、きちんと検証すればちゃんとわかる。それをしていない時点で、俺はこの理論に価値を認めなかった。

信じる人は信じればいい。信じたからと言って害があるような話ではない。

「冬だからダメというわけではなく、冬には冬の過ごし方がある」というところだけはよいと思ったが。逆に、この考え方だけ持っていれば、今が夏だろうが冬だろうが関係なく、うまく立ち回ることが出来るんじゃないだろうか。



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022 / 066 だれかを好きになった日に読む本

10点満点で、5点。

準備、予習、フォトリーディング・・・10分程度
活性化(高速リーディング)・・・30分程度

児童書だが、タイトルと読者対象を間違っている。わかっていてやったのかもしれないが、少なくとも児童が、好きな人が出来た日に読む本ではないだろう。

そもそもこの本を手に取ったのは、「トラウマになった本」というので紹介されていたから。子供の頃読んで強烈だった、という書き込みが多く、どれだけの物だろうと(悪い意味で)期待しながら読んだ。

作品のレベルは決して低くない。ちょっとどうかと思う箇所もあるが、どちらかというと質の高い方に入るだろう。しかし、特にトラウマとなった人が多いらしい、「電話が鳴っている」と「The End of the World」は、児童文学というよりはむしろ星新一のショートショートに近い。内容も、読後感も。

タイトルの悪さで大幅減点だが、内容は悪くない。ただし児童向きとはちょっと思えない。



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021 / 065 新・国際政治経済の基礎知識

10点満点で、9点。

準備、予習、フォトリーディング、調査・・・15分程度
活性化(スキタリング)・・・2時間程度

タイトル通り、国際政治経済について、基礎的な条項をまとめてある。1項目1~3ページ程度で、要点を的確にまとめてある。ただし、基礎知識とはいえ、少なくともその分野に関心を持っている程度の予備知識は要求されるので、本当に何も知らない人が手に取るべき本ではないかもしれない。まあ、毎日新聞を読んでいれば大丈夫だろうが。

不勉強なので著者のうち知っている人物は一人もいなかったが、さまざまな分野に対し、しかるべき人物が要約を書いている感じ。現在進行中の紛争など、政治的に立場が分かれる話も取り上げてあるが、あくまで客観的に事実のみを記載するというスタンスがはっきりしており、好感が持てる。少なくとも、思想信条のバイアスがかかっていることが読み取れる記事は見かけられなかったので、信用できるだろう。

内容は膨大で、スキタリングというよりもつまみ読みのような感覚だったが、かなりの時間を費やした。普通に全文読んでいたら、6時間以上かかるんじゃないだろうか。読んでもわからないところは諦めて飛ばしてこの時間。かなりのボリュームがある。時折読み返しておくと、ニュースがより深く理解できそうだ。




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2009年1月28日水曜日

020 / 064 そうだ、葉っぱを売ろう!

10点満点で、8点。

準備、予習、フォトリーディング、調査・・・10分程度
活性化(高速リーディング)・・・50分

文化放送で平日07:50~07:55頃に放送しているコーナー、「武田鉄矢・今朝の三枚おろし」で紹介された本。
武田鉄矢は結構な読書家らしく、よく面白い本を紹介している。科学の造詣は深くないようで、トンデモ本を平気で紹介していたりするが、コレは面白そうだったので読んでみた。

産業らしい産業は農業しかないのに、これと言った特産品もない徳島県上勝町。ここに農業指導員として赴任してきた「よそ者」の青年が、町民の反発を受けながらも、斬新なアイデアと行動力で過疎の町をよみがえらせた実話。

農業にしても体力に不安要素の大きいおばあちゃんたちに、いかに楽に、そしていかに充実感のある仕事をしてもらうか。そこで著者が思いついたのは、日本料理に欠かせないツマとして、「葉っぱ」を売ることだった。

「そんな物が売れるわけがない」と言われながら、情熱と行動力で周囲の疑念をひっくり返し、辞表を出したときには「辞めないでくれ」と嘆願書を出されるまでに信頼を獲得した、著者の行動力は凄い。おそらくここが紹介されるときは「アイデアの勝利」という形が多いのだが、少なくともこの本を読む限りそれは違う。著者の行動力、年間4500時間(365日休みなしで毎日12時間働いても届かない数字だ)にも及ぶ労働時間、そして商品価値を高めるために怠らない調査。これだけの情熱と行動が伴っていれば、たとえ思いついたのが葉っぱでなくとも、成功していた気がする。そのことは、後発で過疎からよみがえったという町が出てこないことからも証明されているのだろう。

さわやかな気分になれた。いい本だ。
ビジネス書としてもヒューマンドラマとしても、自信を持って薦めることが出来る。



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2009年1月27日火曜日

019 / 063 ロジカル・ライティング

10点満点で、8点。

準備、予習、フォトリーディング、調査・・・10分程度
活性化(スキタリング)・・・50分

ロジカルシンキングを文書に応用するためにはどうするべきか解説した本。
去年社内研修でロジカルシンキングを学んだが、その時同時にこれも学んでいれば、相当有意義だったろう。

内容はロジカルシンキングとかぶるところも多く(意図的にそうしているようだ)、復習という意味では非常によい。特に、俺のようにロジカルシンキングが身についていない向きには、わかりやすく役に立つ。

例文も豊富で、それも悪い例を先に挙げ、具体的にまずい箇所を指摘し、どうすればよいかしっかり書いてある。普段自分が書いている文章にも、同様のまずいところが少なからずあり、反省しきり。

さて問題は、読んだだけでどれだけ身についているものか。
一応マインドマップも書きながら読んだが、この文章では、ロジカルライティングが出来ているとは思えないなあ。



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2009年1月26日月曜日

018 / 062 スケッチは3分

採点不能。俺には向かない本だったから。

準備、予習、フォトリーディング、調査・・・7~8分
活性化(スキタリング)・・・15分

マインドマップを描くのに、絵心がないのでどうしてもイラストを描くのに躓く。
最初の一歩を踏み出すためのアドバイスを求めて読んでみた。

しかし、この本は、絵心があってある程度絵を描いている人たちが、もっといい絵を簡単に描けるようになるための、言ってみればちょっとしたコツを伝える本なのだろう。読んでいて、「そもそもそんなに描けないし」という感想が何度もわき起こった。

俺には向かないとすぐに感じ取れたので、スキタリングとはいえほとんど読み飛ばし。文章はそれなりに読んだけど、何も頭に入らなかった。マインドマップも空白のまま。これはこれで仕方ないか。



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017 / 061 私はヒロシマ、ナガサキに原爆を投下した

10点満点で、7点。

準備、予習、フォトリーディング、調査・・・10分程度
通常読書・・・2時間程度

高速リーディング向きの本だが、フォトリーディングの効果で謳っているとおり「まるで映画を見ているような臨場感」で読めてしまったら、それはそれで嫌な本なので、普通に読んだ。

冒頭に「戦争という性質上、事実認識についても、さまざまな見解が存在するが、本書では、アメリカ人である著者の見方を尊重し、原書に忠実に翻訳した」とある。確かにその通り、胸くその悪くなることが山のように書いてある。

著者は、タイトルの通り広島と長崎への原爆投下作戦両方に参加した人物。長崎では作戦隊長を務めている。
読書前の目標設定では、「原爆投下作戦に参加した人物が当時何を考え、そして今何を考えているのかを知る」ことにした。それは、悲しくて悔しくて、怒りを覚えるくらいよく伝わってきた。

著者のスタンスは明快。アメリカは100%の正義。日本は100%の悪。戦闘で米兵(戦闘員だ)に死傷者が出ることは許し難い蛮行だが、原爆投下により民間人(当然非戦闘員だ)の死傷者が出たことは「必要なこと」だと。当時の日本の指導者たちが、度重なる空襲を受けても継戦意欲を失わず、また広島と長崎に原爆を落とされた後でもなお降伏に反対する勢力がいたことを考えると、原爆投下そのものはやむを得ない選択だったと、俺自身も思う。しかし、著者たちは「苦渋の選択」ではなく、「悪の大日本帝国を抹消するため」に戦っていたのだ、原爆投下はそのために必要な手段に過ぎなかった、というスタンスを取っているように思える。

著者の日本に対する認識は無理解と偏見に満ちあふれており、戦後日本が侵略行為への謝罪をしておらず、まるで被害者である振りをしていると再三主張している。南京では30万人を虐殺し、バタアンでは残虐な死の行進を強要し、そして捕虜にはもれなく拷問と人体実験、虐殺が待ち受けていた、と。それらすべてが虚構であるとは言わないが、少なくとも事実関係に不明点があり、確定情報として公式に認められていないことを事実であるかのように言い張るそのスタンスは、嫌悪感を否めない。当事者として戦争を戦った人物としてはそれを事実だと信じているのだろうし、そういうプロパガンダもあったのだろうが。

著者は最後に

「当時私は戦争の残虐性について、苦しんだのが自国の人間であろうと他国の人間であろうと決して誇りや快感を感じたわけではなく、それは今でも変わらない。すべての命はかけがえのないものであるからだ」

と書いている。しかし、広島に原爆が投下されたとき、乗員はどう感じていたか。著者はこう書いている。少し長くなるが、引用。

「ルイスはイーザリーと同じく、原爆投下作戦と実際に飛んだ人々を取り巻く、有名な伝説を作り上げた一人であった。私の知る限りでは、第三九三戦隊において自分勝手な言動で歴史の記録をゆがめようとした隊員は、彼ら二人だけだった。戦後のある時期、ルイスは広島上空で爆発を目撃した直後に、航空日誌に「あーあ、おれたちはなんてことをしてしまったんだろう!」と書いたことを報告し、マスコミの注目を集めた。ポール・ティベッツの副操縦士の口から発せられた、反省と悔恨のこもった劇的な言葉だ。だがあいにく事実はそうではなかった。そんな言葉はあまりにボブ・ルイスに似つかわしくないというだけではなく、実際その時、彼は正反対のことを口走ったのだ。操縦室にいた乗務員の面々が耳にし、後に私が何度も聞かされたのは、「あーあ、見ろよあのくそったれな町が吹っ飛んだぜ!」だった。彼が実際、日誌に書き込んだのは「あーあ」だけであった。私が直接言えることは、帰還後ルイスは他の誰にも劣らず、作戦の成功に喜びと興奮をあらわにしていたということだ。疑いや後悔の言葉は聞かれなかった。我々は任務を遂行したのだ。」

あえてコメントしないが、ここに著者の思想、人間性が出ている気がする。

しかし思想信条はともかく、当時作戦に関わった人たちが何を考えていたのか、これはよく伝わってくる本だった。なので、胸くそ悪い内容だが、7点。



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2009年1月25日日曜日

016 / 060 ビル・ゲイツの面接試験

10点満点で、6点。

準備、予習、フォトリーディング、調査・・・10分程度
活性化(スキタリング、高速リーディング)・・・100分程度

マイクロソフトを始め、IT系企業やウォール街でよく出題される、面接試験におけるパズルについて。
その由来、目的、実際の問題、そして面接における問題点など。

結構面白く、その上パズルが多く記載された本なので、スキタリングのつもりが高速リーディング、いやむしろ普通の読み方に近い形で読んでしまった。特に、パズルは考えないことには面白くないので、そういうところは時間をかけて読む。この本はフォトリーディングに向いていないような気がする。

内容は面白かった。パズルとしてもさすがに秀逸なものばかりだし、好悪は別として、成長を止めない企業が何を考えているのか、何となく見えてくる。

「こんな面接がいい」と著者がまとめている内容が、どれもこれもマイクロソフトの面接を否定している感があるのは何とも言えないけど。皮肉なのか、本気なのか、冗談なのか。



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2009年1月24日土曜日

015 / 059 人生を変える!「心のブレーキ」の外し方

10点満点で、7点。

準備、予習、フォトリーディング、調査・・・10分程度
活性化(スキタリング)・・・25分

よくある、「潜在意識で万事解決」系の本。とはいえ、そういう本はほとんど読んだことがないので(フォトリーディング関係くらいしかない)、他の本とは内容が違うのか、同じようなことが書いてあるのか、そこまではわからないけれど。

タイトルの通り、「潜在意識でうまくいく」というよりも、「なぜ潜在意識が障害になるのか」「潜在意識にじゃまされないためにはどうするべきか」を書いてある。潜在意識は現状維持を望むから変化に抵抗し、高い目標には最初からやる気を起こさせず、物事が長続きしない。そういったことが書いてあった。

それをどう解決するかという方法論は、そこら中で読まれている本と大きくは変わらないだろう。とにかく何でもいいから行動し、その結果のいいことだけを見つめ、そして自分には出来ると暗示をかけ続ける。まとめてしまえばこういうことか。

この手の本は読んだことがなかったから、結構面白かった。
この本に書いてあるとおり、行動に移さなければ意味がない。とにかく何かしらやってみよう。



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014 / 058 不可能からの脱出

10点満点で、8点。

準備、予習、フォトリーディング、調査・・・10分程度
高速リーディング・・・1時間程度

読み物なので、活性化はいきなり高速リーディング。スーパーリーディングもスキタリングもしなかった。
まだ高速リーディングに慣れていないので、むしろ普通に読んでいた時間の方が長かった気がする。それでも、以前よりは格段に早く読めた。ちなみに220ページほど。

「トリックスター列伝」にも登場した、世界一有名なマジシャンと言っても過言ではない脱出王、ハリー・フーディーニの半生記。マジックと出会ってからプロを目指し、下積みを経てエスケープマジックで自分を最大限に光らせるものを見つけ、そして不用意な事故でその生涯を閉じるまで。当時の社会情勢や、他のマジシャンたちの活動、そしてスピリチュアリズムなど様々な要素がうまく盛り込んであり、雑多な内容ながら飽きさせない。

下積み時代に多くのページが割かれており、フーディーニがいかにして脱出王として君臨するまでになったか、マジックではなくマジシャンに興味がある向きには、実に面白い。ただし、想像される脱出のトリックなどもいくつか紹介してあり、純粋にマジックを楽しみたい人には向かないだろう。

個人的には、松田道弘さんの本に間違いはないと思っている。これももちろんお薦め。読者は選ぶけど。



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2009年1月22日木曜日

013 / 057 建築/設備「マサカ」の話。

10点満点で、7点。

準備、予習、フォトリーディング、調査・・・10分程度
活性化(スキタリング)・・・75分

30分で読むつもりが、読むところが多すぎて倍以上の時間がかかってしまった。これは慣れの問題なのか、まだ技術が身についていないのか。

建築設備と書いてあるが、ほぼすべて空調設備のトラブル事例。結果が雨漏りであったり、湧水であったりするだけで、ものとしては空調トラブルと言ってよいものばかりだった気がする。

興味深い内容が多く、明らかに自分の仕事とは関係なさそうな項目でも、つい読みふけってしまった。反面「30分で読もう」という意識が強く、かなりとばし読みしたので、あまり頭に入っていない気がする。マインドマップを書きながら読んでいたが、途中から書くのをやめてしまった。

自分の仕事に参考になる箇所、あるいは後日トラブルになりそうなところ(トラブル事例として紹介されていることと同じことをやってしまったところ)もあり、これはいい本だと思う。今のプロジェクトで仕事を始める前に読んでいればなおよかったか。

タイトル通り、空調以外の設備についてももっと触れていればなおよかった。



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2009年1月21日水曜日

012 / 056 コンピュータ麻雀のアルゴリズム

理解できなかったので、採点不能。
読書時間は、普通に読んで50分程度。

多分学生時代なら貪るように読んだのだろうが、Windowsの時代になってからは自分でプログラムを書くこともなく、ソースコードを追いかけることもほとんどなくなった。
そもそもJAVAだって7年くらい前に仕事で一度プログラムを書いたことがあるだけで、そのときも「ポインタがないなんて変な言語」という印象を持っただけだから、ソースを追ってもよくわからない。ましてやパッケージとか継承とか、プログラムを読むための基礎知識が完全に失われているので、もはやわかりようがない。

なので、ソースコードの部分は飛ばして読む。しかし、ソースコードを飛ばすと、本文も理解できないところが多々ある。飛ばす。と、読めるところがほとんどない。

言語に依存しない書き方をしてもらえればありがたかったが、そもそも俺のような読者は想定対象外なのだろう。この本に限らず、どのジャンルでも少し専門的な方向に舵を切った本は、予備知識がないとその本の価値を判断することすら難しい。



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011 / 055 失敗から学ぶ設備工事 クレームゼロへの挑戦

10点満点中、8点。

準備、予習、フォトリーディング、調査・・・合計10分程度
フォトリーディング(スキタリング)・・・40分

設備工事での失敗事例を、自社の案件についてその現象と原因、対策までまとめた本。
失敗事例というのはなかなか表に出てこないから、自社の事例を本にしてしまうその姿勢には脱帽。

内容は非常に有意義。何せ俺より遙かに経験豊富なベテランたちの失敗談だから、どういう検討経緯でその施工に至り、何が検討から漏れていたのか、詳しく書いてある。自分が今手がけている工事でも「やばいかも」と思う箇所がいくつかあり、すぐに読んでおくべきだったかと後悔。

しかし、今回は時間を決めて読んだので(それでも30分の予定を40分かけてしまった)、かなり端折って読んでしまった。内容が内容だけに、図や表、グラフなどを参照しながら読まないとわからない箇所が多かったり、あるいはどれもこれも興味深くてつい全文読んでしまうので、スキタリングには向いていない本なのかもしれない。こういう本は、高速リーディングや普通の読み方で、何度も読み返して自分の血肉にするべきなのだろう。

日を改めて、時間をかけてゆっくり読んでみよう。



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010 / 054 考える力がつくフォトリーディング

佐貴子さんの本に、採点なんて出来ません。私のフォトリーディングの先生。

準備、予習、フォトリーディング、調査・・・10分程度
活性化(スキタリング)・・・30分

多分、普通に読んでも1時間程度だと思う。フォトリーディングについて予備知識がないか、あるいは知っていてもやったことがなければ、もっとかかるかもしれない。でも、全体には軽く読める内容にまとまっている。

内容は、講習会とほぼ同様。忘れていた箇所を思い出せたりして、個人的にはとても使いやすいテキストになっている。でも、本当に大切なことは全部書いてある気がするから、これがあれば講習会に行かなくてもいいんじゃないだろうか。

子供向け(子供を持つ親向けか?)の本だが、疑問を感じやすいところなどは先回りして答えが書いてあり、バイブルの10倍本よりも、独学でフォトリーディングを習得するには向いていると思う。



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2009年1月17日土曜日

009 / 053 生物と無生物のあいだ

10点満点で、6点。

準備、予習、フォトリーディング、調査・・・合計10分程度
活性化(スキタリング)・・・30分点度

目的:
話題の本なので、一応目を通しておいて話の種にする。

質問:
1.ウィルスと生物の違いは何か。
2.そもそも生命とは何か。
3.DNAに含まれる、最も重要な情報は何か。
4.現在の技術で、生命を作り出すことは出来るのか。

アシモフの名著「生命と非生命の間」のパクリとしか思えないタイトル。
構成も、アシモフを真似ている気がする。しかし、少なくとも俺には、アシモフの本のような躍動感や、基礎知識がない人をもぐいぐい引き込んでいく文章力は感じ取れなかった。熟読すれば違うのかもしれないけれど。

読んだ限り、いずれの質問にもこの本には答えがなかった。
まず最初の質問、明確な答えはないが、まさにタイトルの通り「生物と無生物のあいだ」に位置するのがウィルスだろう。そう感じながら読み進めた。2項についても明確な定義はなく、この本全体でそれを問いかけていると行った方がよいのか。「自己複製する」という定義は何度も出てくるが、それだけではない何かを求めて研究していますよ、と言っているだけなのかもしれない。

3項については、「現在研究中」と言うところだろう。こういう方法で研究していますよ、他の人に先を越されるとショックだからね、という主張はそこら中にある。

4項については全く触れていない。スタンスが違うのだろう。

病院の待合室で読んだので、マインドマップを書くこともなく、ひたすら読んだ。読後感としては、ほとんど頭に入っていない。「俺が好きなタイプの本じゃない」と思いながら読んだ、というのが正直なところか。フォトリーディングの考え方だと、そう感じた本は読まなくともよいのだろうが、練習のために読んでみた。

スキタリングしかしていないし、途中で本を閉じるとどこまで読んでいたかわからなくなる程度の読み方なので、きちんと読めていない部分は多いだろう。しかしそれでも、俺の関心が向く本ではなく、時間をかけて読み直すことはきっとない。

ちなみに、普通に読んだら多分3時間では読めない。



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008 / 052 トリックスター列伝

10点満点で、8点。

読書時間:
準備、予習、フォトリーディング、調査・・・合計10分程度
活性化(スキタリング)・・・40分
高速リーディング+普通の読書・・・100分程度

目的:
マジックの歴史と重要人物を把握する。

質問:
1.石川素禅とは何をした人物か?
2.フーディーニの脱出マジックで使われた基本的なトリックは?
3.ダイ・バーノンがフーディーニを引っかけたマジックとは何?
4.タイタニックとマジックに何の関係がある?
5.最初のステージマジックは何?

フォトリーディングの講習会で読んだ本。興味があるから読みたいという程度の本だったので、目的や質問作りはかなり無理矢理感がある。質問なんてひどいね。トリガーワードを引っ張り出して、その中から気になったものを適当に書いただけ。

40分の活性化時間で、最初はスーパーリーディング+ディッピングに挑戦してみたが、これはどうも俺には向かない模様。途中からスキタリングに切り替えて、40分で9割程度読んだ。

いくつか気になるエピソードをつまみ読みして、時間終了。この段階で、質問についての答えは、

1.マジックについての本を書いた人物らしい。あまり重要ではなさそう。
2.解説なし。今でも現役で演じているプロがいるからだろうか。
3.わからなかった。
4.タイタニック・トンプソンという異名を取ったギャンブラーがいた。
5.多分、ロベール・ウーダンが演じたマジックと思われるが、よくわからない。

講習会終了後、高速リーディングで全文読んでみることにしたが、「趣味の読書なので、頑張って読む必要はない」と思い返し、酒を飲みながらののんびり読書に変更。それでも、今までのスピードよりはかなり速かったんじゃないか。スキタリングの段階で読んだところは飛ばせたし。

この本を普通に読んだら、多分150~180分くらいかかるんじゃないだろうか。なので、今回の読み方はほぼ同じ時間をかけたと言える。しかし、最後に熟読してから改めて考えると、興味深い箇所はスキタリングの段階でほとんど読んでしまっており、2割程度の満足感を得るために全文読んだのかもしれない。

読後感を気にしなければ、フォトリーディング+活性化で十分必要な情報は得られるかもしれない。そういう感じがした。読後感を気にするかどうかが、この読み方を身につけるための関門なんじゃないかな。

ちなみに、熟読した後3項については解決。アンビシャス・カードで引っかけた模様。

マジックの重要人物や、歴史に残るスタンダードを開発した人物のエピソードなどが盛りだくさんで、読み物としてもとても面白い。しかし、たとえば「ホフジンサーのブックテストではこういう問題があったが、アネマンはこういう方法で解決した」など、そのトリックを具体的に説明する箇所も多く(だから熟読するには時間がかかる)、「マジックをみて楽しむ」のが好きな人にはお勧めできない。



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007 / 051 覚えられない人の3秒記憶術

採点不能。理由は後述。

読書時間:
準備、予習、フォトリーディング、調査・・・合計10分程度
活性化(スキタリング)・・・15分

目的:
数式、解法が無理なく記憶できる方法を身につけて、資格試験で楽をする。

質問:
1.公式を自然に(語呂合わせなどではなく)覚える方法はないか?
2.紛らわしいもの(ベンジンとベンジジンなど)を区別して覚える方法はないか?
3.そもそも物事を覚えられない原因は何か?

読んだ限りだと、1の問いにこの本は答えていない。うまく語呂合わせをする方法論が多かった。
2及び3の問いにも答えていない。

この本で書いているのは、いかに語呂合わせやストーリー作り、よく知っているものとの関連づけで物事を覚えていくのか、その具体的なテクニックについて。そういった記憶術そのものは、使えるかどうかは別として(俺には使えない)以前から知っていたので、ほぼすべてを読み飛ばした。

何せ15分しか読んでいないので、内容が掴めたかというと、かなり疑問が残る。
しかし、俺の質問に答え、俺の目的を達成するのに向いた本ではないだろうとは思えた。

読めた気がしていないので、採点しない。



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2009年1月13日火曜日

006 / 050 スクール・ウォーズを作った男

読書時間:
フォトリーディング5分、高速リーディング50分程度。

10点満点で、6点。

正直なところ分類に困る本だが、ドラマ撮影の裏話、といったところだろう。
スクール・ウォーズのメイキング秘話などを期待したのだが、実はそれらに割いたページ数はあまりない。それよりむしろ、プロデューサーの考え方やそれまでの仕事、それからの仕事、大映テレビのドラマ作りなどに多くのページを割いている。スクール・ウォーズはDVDを何回観たかわからないが、その他のドラマはどれも観ていないので、あまり興味を持って読めなかった。

あの時代、大映のドラマが好きでずっと観ていた人にはたまらない内容なのかな、という気がする。

さて、フォトリーディング。講座の帰り道、電車の中で一緒に飲んだ人たちに「これからフォトリーディングします」と半ば冗談のように宣言して、三鷹から新宿までの駅間で実施。酒入ってるし、そんなに真剣に考えてないしで、目的も決めなければ予習もしていない。それどころか、始めと終わりのアファメーションすらしなかった。やったのは、みかん集中法とフォトリーディングだけ。

フォトリーディングそのものは5分もかからないので、そのまま雑談に戻り、新宿で乗り換え。新宿から大宮、そして自宅までの電車中で高速リーディング。フォトリーディング終了から高速リーディング開始まで、15~20分くらいか。

そして電車の中では、座れなかったので指でなぞることも出来ず、目の動きだけで高速リーディングを行った。
結構な酒が入っているので、当然のように視線はぶれるし、同じ行を2回読んだりもする。それでも40分程度の車中でだいたい読み、残りを今朝読んだ。

ちなみに、この程度の本だったら、普通に読んでいたらだいたい1時間半くらいだろう。今回読んだスピードは、普段「急いで読めばこれくらいの速度は出せるけど、内容はほとんど思い出せない」スピード。

自分でも不思議なのは、そのスピードで読んだのに、内容が何となく思い出せること。普通に読んだときと同程度には覚えているんじゃないだろうか。酒が入っている状態で読んでこれなので、素面だったらもっといけるのかもしれない。正直よくわからないが。

それともう一つ不思議なこと。普段本を読むときは、多くの人がそうだろうが、頭の中で音読をしている。今回それはしなかったが、音読できない速度で無理矢理読んだので、それ自体は不思議ではない。不思議なのは、一番最初にドラマのあらすじを追う章があるのだが、そこを読んでいるときに頭の中では主題歌のHEROが鳴り響いていた。

前段にも書いたが、スクール・ウォーズのDVDは何度観たかわからないので、あらすじを追うときに頭の中でHEROが聞こえてくるのは、特に不思議ではない。不思議なのは、頭の中のHEROを聴きながら、それでいて音読できない速度で読み進めて、そのことに違和感を感じなかったこと。

これはフォトリーディングの効果なんだろうか。俺にはわからない。



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フォトリーディング集中講座

土日と、フォトリーディング集中講座に参加してきた。講師は山口佐貴子さん。
参加費用が10万円を超すセミナー。しかも、そこでうたう効果はあまりに大げさで、どう考えても眉唾物としか思えない。なので誰にも受講することを言わず、こっそり参加。

申し込みをした際に、「最少催行人数10名」と書いてあったので、「そもそもこんなのに10万払う奴が10人もいるのかよ!」と思っていたが、行ってみてびっくり。参加者は34名もいた。

教わる内容そのものは、バイブルとも言える「あなたも今までの10倍早く本が読める」にほぼ全部書いてある。資格試験への応用等は佐貴子さんオリジナルだそうだが、それ以外は本の技術を実習付きで解説、と考えてよいと思う。なので、自習で済んでしまう人もいるんじゃないだろうか。それなら、支出は1500円もいらない。

ちなみにこの記事では、フォトリーディングの技術そのものについて具体的には触れない。著作権に触れるから。

1日目が終了した時点で、何かできるようになったという感じは全くない。希望者のみで懇親会があり、それには参加したのだが、そのときには返金制度について考え始めていた。酒の席で周りの参加者に話を聞いてみると、同様に何か習得しているという実感が持てなかった人は少なくないとわかり、少し安心。何より、佐貴子さんがそういう人たちに囲まれても動じていなかったので、それに安心したのだろう。

とはいえ、何ら充実感がないまま帰宅。宿題として、自分が読みたい本を1冊、フォトリーディングまでしてくることとなっていたので、2日目の出発前にフォトリーディング。

最初のトレーニングとして、フォトリーディングした本を40分で読み、その内容を周りに伝えると言うことをした。俺が選んだ本は「トリックスター列伝」、マジシャンの伝記と言っていいか。こんな本を読んでたのは俺だけで、周囲は政治経済、ビジネス以外の本を読んだ人はいなかったんじゃないだろうか。

40分なので、とてもまともには読めない。個人的には「ただの斜め読みじゃないか」としか思えない方法で、無理矢理読む。読みながら、マインドマップに内容をまとめていく。これが効果あったのだろうか、駆け足でつまみ読みとしか言えない読み方をしていたのに、思った以上に内容を説明できてびっくり。隣の人は経済書だったが、わずか15分で読んでしまっていた。凄い。

とはいえ読んだ実感はあまりない。最後にもう1冊読んだのだが、こちらは自分が持ち込んだ本ではなく、会場に用意してあった記憶術の本を読んでみた。こちらは活性化に15分しかもらえず、つまみ読みすら出来ない。なので、これは本当に読んでいない。しかし、説明しなくてはならないので、とりあえず適当に単語をピックアップしてマインドマップを書く。

説明してみて驚いた。読んでいないのに、いや、読んだ感覚がないのに、内容が説明できる。自分でも不思議で仕方ない。不思議なので、自分が技術を習得したのだとも思えない。出来ていると思えないのだ。

不思議な感覚を持ったまま、講座は修了。その後11人ほどの有志で飲みに行く。俺と同様、出来たという感想は持てなかった人は少なくない模様。「続けてみなければわからない」という感想が共有できた、と言うべきだろうか。

帰りの電車で1冊フォトリーディング、そして高速リーディングを試みてみた。これについては別項で。

2009年1月8日木曜日

005 / 049 知らなかった! 驚いた! 日本全国「県境」の謎

10点満点で、5点。

本の出来が悪いというわけではなく、読者を選ぶ本だったというだけだろう。その上で、俺は想定される読者層には該当しなかったのだろう。

県境がはっきりしていないところがいくつもある(むしろ明確になっている件の方が少数)とか、越県の飛び地が生まれた理由とか、個々に読めば面白い項目は多数。しかし、内容が俺にとっては細かすぎて、日本地図が頭に入っていないから、せっかくの解説も具体的にイメージできず、字面を追うことしかできなかった。

もっとスケールの大きなところで、せめて旧国名の単位くらいで話が展開されていればイメージしやすいのだが、何県何市何町、というスケールの話が多いので、まるでイメージできぬ。結局読み流しただけ。残念。



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2009年1月4日日曜日

004 / 048 日本の技術は世界一

10点満点で、7点。

日本の企業が持つ世界一の技術、製品について取り上げた本。元々は新聞連載らしい。
小さな町工場が世界中に普及している製品を支えていたり、世界中の技術者が解決できなかった課題を日本企業が突破していたり、日本の技術者は凄いんだな、と素直に感心できる。

全体に、技術者や職人に好意的な視点で書いてあり、また過度に演出された部分もないので、素直に読める。日本の高度成長を支えたのはこういう人たちか、と感心することしきり。

ただ、これは個人的な感じ方ではあるが、職人芸を持ち上げすぎるのはいかがかと思う。国家の技術力とはすなわち量産技術であり、一部熟練者に支えられた技術は、いとも簡単に失われてしまう。それだけに、「量産化」という方向に注目した記事がほとんど見受けられないのは残念。

だがしかし、「技術者」に対する憧憬をかき立てるにはいい本。文系出身者に比べ、生涯年収は5000万円以上低いと言われる理系技術者、その経済的には報われない技術者たちには、せめてこういう本で名誉が与えられていい。



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2009年1月3日土曜日

003 / 047 海遊びの極意

10点満点で、5点。

この手の本の多くに該当することだが、読者ターゲットが明確になっていない。
内容からすると、明らかに「子供を海に連れて行く親」がターゲットなのだが、いかんせん文体が子供向け。
大人が読んでも子供が読んでも楽しめる本を目指したのかもしれないが、どっちつかずになってしまっている。

内容そのものは悪くない。海に出かけたくなることがたくさん書いてある。しかし、前述のごとき文体なので、逆に冷めた目で読んでしまい「そこまで面白くないだろう」と邪推してしまう。これは俺の性格かな。

海の危険性について、あまり触れていないのも気にかかる。磯遊びなどは転ぶだけで大怪我をする可能性があるし、毒のある生き物だって多い。それに何より、予想もつかない波にさらわれることがあるなど、海は油断すると簡単に死ぬ。その危険性を、もう少しアピールしておかないと、海をなめてしまう読者が出るのではないかと余計な心配をしてしまった。

俺は小さい頃から海で遊んでいたから、危険性などもわかった上で楽しめるが、そうでない人は「海はもっと恐い」と言うことを念頭に読むとよい。海遊びそのものの楽しさは伝わってくる。



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2009年1月2日金曜日

002 / 046 世紀末奇芸談

10点満点で、6点。

基本的にはマジックだが、主に見せ物として披露される「奇芸」について、その芸の先駆けとなった演者たちを取り上げた本。一番最初にフーディーニについて書かれたコラムがあり、著名なマジシャンたちの歴史に残る演出について語っているのかと思ったら、大きな間違いだった。

10本の指でそれぞれ別の文字を書く人物、知恵のある馬、ボールの中で動いて螺旋階段を上るなど、やり方がわかり訓練すれば(誰でもとは言わないが)出来る「芸」から、自分の身長を自在に変える男、あまりの記憶力から「データス」と呼ばれた男、三回死んだ男など、生まれ持っての特異体質で一世を風靡した人物など、ショービジネスの色物史と考えて読めば、それはそれで面白い。

著者は現役のマジシャンでもあるそうで、マジックとして成立しているものは、基本的に種明かしなどない。なので、普通に「見て楽しむ」マジック好きも、この本を読んだからと言って楽しみが損なわれることはないだろう。

原文がそうなのか訳のせいなのか、いささか読みにくいのが難点。



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001 / 045 新・敵は我にあり 生涯現役宣言

10点満点で、6点。

ノムさんの本はどれもこれも、野球をベースに人生訓を語っている気がする。この本も例外ではなく、監督として選手をどのように指導したか、どこに重点を置いてチーム作りをしたかが語られているが、その根底には「人として一流でないと、選手としても一流にはなれない」という思想が流れている気がする。

プロ野球監督として、阪神以外のチームでは文句なしの実績を上げてきたことは事実。そして阪神でも、ノムさんが土台を作ったから、今の強豪といえる阪神があると言っていいだろう。そのチームを作るために、何が必要と考え、どうやって選手たちを指導していったのか、ほとんどは他の本で読んだことがある内容とはいえ、興味深い。

ノムさんが好き、ノムさんの本が好きな人ならおすすめだが、特に思い入れがない人は、別にこの本でなくてもいいだろう。どの本でもだいたい似たようなことが書いてある。書いた時期によって、どのチームについてページを割いてあるかが違うだけ。ちなみにこの本は、シダックスの監督時代に書かれた本。



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