2009年9月28日月曜日

192 / 236 新・システム管理者の眠れない夜

10点満点で、6点。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間半程度

前著で偏見を持ってしまったので、そのせいもあるだろうが、本書も「わかってない連中に苦労させられた著者が、わかってない連中のことを上から目線で語る」というスタンスに見えて仕方ない。これはたぶん、読み手の問題だろう。

紹介してあるエピソード自体はそれなりに面白く、退屈せずに読める。本気で読めば、かなりの勉強にもなるだろう。しかし、いかんせん後知恵で語ってる箇所が多いので、素直に読めないのが難点。素直に読める人なら、そしてシステム開発に関わる人なら、有意義な本だろう。主に発注側が読むべき本だと思う。

素直に読めなかった俺は、あまり教訓を得ることができなかった。大半は忘れてしまった。



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2009年9月24日木曜日

191 / 235 システム管理者の眠れない夜

10点満点で、6点。

活性化(普通に読んだ)・・・2時間半程度

2000年11月の出版だから、もう9年も前の話か。さすがに技術的には古い内容になっているが、人の問題を多く取り上げているから、実際の年数ほどには古く感じない。

とはいえ、読後感はあまりよくない。文章の端々から、「コンピュータのことがわかっていない素人のために、システム管理者はこんなに苦労させられている」というスタンスが見え隠れするからだ。いや、そもそもの企画がそうだから、堂々と見えていて当たり前なのかもしれないが。

著者自身も何度も書いているが、たとえばサーバの更新を計画したとして、「その費用対効果は?」と聞かれると答えに詰まることが多い世界。それに対して、(著者の環境はどうなのかわからないが)ユーザーの多くは、実際に会社のために金を稼いでいる人たち。自分の給料がどこから出ているか考えれば、同レベルの視点こそあれ、上から見下すことはできないはずだが・・・

深く考えながら読むようなものではないのかもしれないが。本書にしたって、それなりのスキルを持った読者を想定して書かれているわけだし。
しかし、「自分は、本当に金を稼いでいるのか?」と言うことを本書で考えてしまったのは、穿ちすぎた読み方だろうか。



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2009年9月22日火曜日

190 / 234 選挙参謀

10点満点で、7点。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間半程度

2003年の衆議院議員選挙で大阪3区から出馬し、比例区復活当選を果たした、民主党の辻恵が戦った選挙戦について、スタッフとして働いた著者が振り返った本。選挙の内幕ものとしてはよく書けていると思うが、著者と辻議員の思想信条、行動に反発を覚える箇所が多々あり、読み方には少し気を遣った。

2003年の選挙といえば、民主党が大躍進した年だな。俺自身はこのときは、選挙区は自民党候補、比例区は自民党に入れた気がする。その一つ前、森政権の時に民主党に入れて、「これで政権交代できないなら、もう永遠にダメだ」とか思っていたような。変われば変わるもんだな。

辻の思いつきのような出馬表明から、選挙区が決まるまでのドタバタ、そして事前活動、選挙活動、開票。読み物としては面白いので、退屈することなく読めた。特に一番最後、開票後の票読みについて、なるほどこうやって分析するのかと勉強になった。

本書はあくまで著者の視点で書いてあるから、辻議員本人がどういう政治信条を持っているのかはわからない。あまりいい印象は持たなかったが・・・
著者の運動方針は、はっきり言って嫌悪を覚える。選挙に勝つには、こうでなくてはダメなのか、と感じるところはある。しかし、こんな選挙活動をしないと当選できないということは、日本の民主主義がいかに未成熟なのかを、図らずも暴いている気もする。

最低なのは、朝日新聞のアンケートへの対応。郵政民営化への賛否を問われ、民主党候補なのに「賛成」に丸を付けた辻陣営。それが記事になると、「誤報だ!」と言って騒ぎ立て、確かにアンケートでは「賛成」となっていることを示されると「おかしいと思わないのか、書き間違いかとなぜ確認しなかった、このせいで支援団体ともめて落選したらオマエらのせいだ、今後は取材拒否だ」と噛みつく狂犬ぶり。自分の非を認めない、こんな奴らに、国政を任せていいのか?
これにシッポを巻く朝日も情けない。これが自民党候補だったら、「本紙記者を恫喝!」とか記事にするところだろうに。

「政治は三流」と言われる一因が、透けて見える。そんな気がする。



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189 / 233 選挙裏物語

10点満点で、7点。

活性化(普通に読んだ)・・・1時間程度

裏でも何でもない話ばかり。「選挙舞台裏物語」といった方が正しい。裏物語に期待するなら、2~3点しか付けられない。
「裏」の話なら、前回紹介した「選挙 選挙 選挙」の方がよっぽど詳しい。

カネで雇われて候補者の当選に力を尽くす、選挙コーディネーターの仕事について語った本。はじめに政治信条ありきではないので、こういった商売は好きではないが、必要悪なのだろう。当選するためにすべきこと、考えるべきことなどはわかりやすくまとまっており、選挙で勝利を収めるためには何が必要なのか、その一端が見える気がする。

著者が主張するスタイルは、強きを伸ばし弱きを補うもの。そのために、候補者に必要な教育をしていることなどは、非常によいことだと素直に思う。候補者に見識が付けば、当然選挙に有利になるだろうし、少なくとも不利になるとは思えない。その上、当選した暁には、使えない政治家になるリスクを下げることができる。しかし、それもこれも、政治に対するはっきりした思想信条あってのこととは思うが・・・

裏話という読み方をするよりも、いずれ政治の世界に打って出たいと思っている人が、選挙の際は何をすべきか予習をしておく。そういう読み方が良さそうだ。



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2009年9月17日木曜日

188 / 232 選挙 選挙 選挙

10点満点で、9点。

活性化(普通に読んだ)・・・1時間程度

著者は元時事通信のジャーナリストで、衆議院選挙に立候補して落選した経歴を持っている。
その実体験として、選挙とはいったいどういうものであるか、(おそらくは)包み隠さず語られた本。

とにかく面白い。政治には金がかかる、選挙には金がかかるとよく言われるが、その理由が明快にわかる。
どうしたって必要な経費は膨大にあるし、何よりタカリ体質の国民が多いのだ・・・

経費にしては、選挙事務所を1カ所用意するだけで、1000万円を超える費用がまず飛んでいく。事務所を建て、什器をそろえ、電話回線を引き、必要な資料を買いそろえるだけで。車も必要だ。そしてスタッフの人件費や、消耗品などを考えると、簡単に2000万円を超える。

そのほかいろいろ書いてあるが、選挙が始まる前に、選挙に臨める体制を作るだけでこの世界。いざ選挙になるとどうなるのか、それは本書を読んで欲しい。意外なことは書いてない。当たり前のことに当たり前にお金がかかり、それが積み重なると、素人が想像しない金額になるだけのこと。

そして裏選対といわれるグレーゾーンから非合法な活動をする舞台。これにかかる費用、これらに対抗する費用。タカリに来て、満足できなければマイナスイメージを吹聴して歩く一般市民。著者自ら、金がかからない選挙をしたかったと述懐しているが、本書を読む限りは確かに、金がなければ土俵にすら登れないようだ。

巻末に、著者の考える政治改革について、簡単にまとまっている。非常にいいことが書いてあり、勉強になった。



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187 / 231 民間防衛

10点満点で、8点。

読書時間・・・2時間半程度

昔読んだ本の再読。かなりいろいろ書いてある本なので、読書時間がかかるのは仕方ない。

本書は、スイス政府が国民に配布したといわれる、国防を達成するために国民が知っておくべきことをまとめた本。配布したと「いわれる」と書いたのは、どうもそれは違うのではないか、という情報もあるから。裏が取れていないので、現状では不明と考えている。

スタンスは明快で、

・スイスは戦争を望まない、侵略を企てることはない
・しかし、相手がどう考えるかは、スイスが完全にコントロールできるものではない
・よって、起こりうる「戦争」の被害を最小限にすべく、知るべきこと、なすべきことを周知する

というもの。どこかの国みたいに、軍備があるから戦争するんだとか、武装を放棄すれば平和が訪れるとか、そういう脳にお花畑が咲いたような妄言は露程も出てこない。いや、強いていえば、そういう勢力は「敵対勢力の心理・情報戦」であると言及しているか。

備蓄すべき食料、生活必需品などのリストとその量など、一般の防災意識を向上するにも役立つことは多いだろう。核攻撃を受けた際に取るべき行動などは、その知識が役立つ日が永遠にこないことを期待するのみ。しかし、核攻撃を受けうるという前提で、その被害も計算し、それに耐えるためにはどうすべきか、という議論は、日本ではまずできないだろうなあ。

後半には、実際に戦争になった場合のシミュレーションが書かれており、その中には国土が占領されて政府組織が機能しなくなった後のことまで書いてある。ここまで徹底的な危機管理ができるというのも、さすがはスイス、黒い中立国の面目躍如か。

読み物ではないから、興味のない人には数ページで投げ出す内容だろう。しかし、読んでおいて損はない。



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2009年9月14日月曜日

186 / 230 スクール・ウォーズ 落ちこぼれ軍団の奇跡

10点満点で、9点。

読書時間・・・1時間程度だが、読み返したのは何回目か覚えていない

この物語は、ある学園の荒廃に戦いを挑んだ一人の教師の記録である。
高校ラグビー界において全く無名の弱体チームが、この教師を迎えた日から、わずか7年で全国優勝を成し遂げた奇跡を通じ、その原動力となった愛と信頼を余すところなくドラマ化したものである。

そう、あの名ドラマ、「スクール・ウォーズ 泣き虫先生の7年戦争」の原作。
本書が先にあって、山口先生の講演を聴いて感動したプロデューサーが、著者にドラマ化の許可を求めに行ったものらしい。元々は「落ちこぼれ軍団の奇跡」というタイトルだったようだが、ドラマがあまりに有名になりすぎて、サブタイトルに追いやられてしまったのか。

事実とは若干異なる箇所もあるそうだが、基本的には山口先生が伏見工業高校ラグビー部を全国制覇に導くまでの軌跡が、そのまま書いてある。テレビドラマほどの極端なエピソードは少ないが、それでもNHKのプロジェクトXや、あるいは山口先生の著書などを読む限り、ほぼ事実なのだろう。「男の裸見たって仕方ないだろう」とか、あの台詞もこの台詞も、本書に登場する。

俺はドラマありきの人間なので、本書を読んで感動すると同時に、「これも映像化してればよかったのに・・・」という箇所もあって、読み方がきっと人とは違うだろう。特に、全国大会決勝戦での「平尾、お前を飛ばすぞ」には(ドラマでは「平山、お前を飛ばすぞ」)いったいどれだけの意味が込められた言葉なのか、どれまでも深く描いて欲しかった。

山口先生は全国制覇という結果を出したからこそ有名になったわけだが(プレイヤーとしては別として)、その根底にある「信じる」ということ。これができる人間になりたい。



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185 / 229 武士道の国から来た自衛隊

10点満点で、8点。

活性化(スキタリング)・・・1時間弱

イラクで活躍した自衛隊の、生の姿を描き出している。
いかに現地に溶け込み、信頼を築いていったのか。いかに日本の政治が足を引っ張ったか。こういう本を読み、自衛隊の実情を知るにつけ、いかに彼らが超人的な自制心で働いているか、頭が下がる。自分たちの存在を否定する人たちのために命を賭けるんだよ。

自衛隊員に死者が出た場合どうするか。危機管理の初歩のはずなのに、「そのようなことはあってはならないから、考えない」なんて思考放棄をするような連中のために、危険なところで任務を果たしてくれる自衛隊。その彼らに対し、空港では「制服では飛行機に乗るな」と言われ、壮行会の後バスで私服に着替える自衛隊・・・

人民解放軍みたいな私兵は除き、普通の先進国であれば、軍人は最高の尊敬を捧げられるもの。
いつの日か、自衛官が尊敬されないまでも、人間扱いされる日は来るのだろうか・・・



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2009年9月13日日曜日

184 / 228 暗黒のシステムインテグレーション2

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半

こっちはフォトリーディングせずに読んでみた。350ページで、1時間半程度。
やはり、フォトリーディングした方が多少速いか。

前著と同じく、情報システム業界の暗黒面を赤裸々に描いている。「いくら何でもそれはないだろう」という話もあるが、きっと実話なのだろう。「コンピュータ」というだけで万能だと思ってしまう人、かつてはそれなりにいたし、今だって確実に存在するからな。

しかし、前著共々気になったのは、この業界は本当にどうしようもネエな、という読後感を持ってしまうこと。
失敗談しか取り上げていないせいだろうが、「結局金だけ取って使えないシステムを入れる」会社の話ばかりで、どれもコレも最終的に割を食ってるのは顧客。「営業がとんでもない約束をしたせいで、デスマーチの末大赤字」なんて話も多数あるが、それで納期に遅れたり、品質の劣るシステムを入れられた日には、顧客が損していると言っていいだろう。

著者はどれもこれも「だからあれほど言ったのに・・・」という視点で描写しているが、そう思っているなら自社のためにも顧客のためにも、きちんと伝えなきゃダメだろう。後から「俺はまずいと思ってたんだ」とは誰だって言える。

自己反省している分著者はマシな方なのかもしれないが、それにしては事例が多すぎるなぁ・・・



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183 / 227 暗黒のシステムインテグレーション

10点満点で、8点。

活性化(スキタリング)・・・1時間程度

370ページあまりもあるエッセーの割には、さらっと読めた。筆力もあろうし、空白行の多い構成もあるだろう。いずれにせよ、厚さほどには読書時間はかからない、気軽に読める本。

筆者自身が関わった話、あるいは聞いた話など、「情報システム屋」として知っている暗黒面について、赤裸々に語られている。当事者でさえなければ、面白い。当事者であれば笑えない話ばかりだろうが。いや、もはや笑うしかないのだろうか。

個人的に一番面白かったのは、米軍にまつわる話。
在日米軍と取引のある会社のエンジニアが、緊急修理として呼ばれたのは、なんと潜水艦。それも、おそらくは原潜だろう。そこに派遣され、「直るまでは返さない」「潜水艦の行動はトップシークレットだから、外部への連絡は一切許さない」と、出港時刻までに解決しなければ「失踪」してしまうという憂き目にあったエンジニア。

このほかにも、笑える話、笑えない話など盛りだくさん。
まじめに読む本ではないが、まじめに考えるべきこともありそうだ。



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182 / 226 頭の体操BEST

10点満点で、8点。

コレはもう、文句なしに買いでしょう。
・・・と言いたいところだが、読んでみると(やってみると)、半分以上は見たことがある問題。俺、「頭の体操」って結構やったんだな。

「頭の体操」シリーズをどれだけ読んだ(やった)かにもよるが、パズルが好きな人なら、買って損はない。本当に、ただ考えるだけでは絶対に答えられない問題があったり、思考が柔らかくなる。

逆に、「頭の体操」をやり込んだ人なら、結局はベストセレクションなので、買う必要もないかな。

ところで、第85問だったかな? 船から落とした帽子を拾いに行く問題。
明らかに解答が間違っている気がするのだが・・・帽子を拾いに行き始めた時点で、12時5分になっているのではなかろうか?



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181 / 225 答えが見つかるまで考え抜く技術

10点満点で、5点。

活性化(スキタリング)・・・30分程度

何というか、心に響いてこなかった。
本当にコレは「技術」の本なのか? ただの精神論じゃないのか?

具体的な方法論よりも、「考え抜くことでこんないいことがある」という主張に多くのページを取られ、本来の内容はいったいどこにあるのか、今ひとつ読み取れなかった。目次からは結構有意義なことが書いてあると感じたのだが、読後感にはこれといったものがない。

著者の経歴に反発を感じたのが、素直に読めなかった理由かもしれないが。
著者は、元左翼戦士でカリスマ予備校講師とのこと。何じゃそりゃ。

同様の経歴を持つ人物は他にも何人かいるようだが、まず第一に、大学紛争だので一般学生が勉強/研究する場を奪っておいて、現職が予備校教師とは何だ。キサマら、大学で勉強することそのものについて、異を唱えてたんじゃないのか。キサマらが指導した学生が大学に入ったとして、その大学への入学を諦めた、キサマらと同世代の人物にはどうやって詫びる?

左翼運動に身を投じた理由が「公権力に逮捕された場合でも、拷問に耐えることはできると判断した」だと?
どこの警察が拷問した? 内ゲバやら無差別テロやらで、何人も殺傷したのはどっちだ?

技術/能力と思想は関係ないのだろうが、技術論よりも精神論に多くのページを割いている本書では、著者のこの経歴だけで、読む価値がないと一蹴する。

とはいえ、そういう思想的なところに引っかかりを感じない人が読めば、また違う読後感もあるだろうから、5点。



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2009年9月9日水曜日

180 / 224 勝間和代・脳力UP!

10点満点で、6点。

パズルの本なので、読書時間には意味がない。

中途半端な立ち位置の本と感じた。
パズルはビジネスに役立つ!と主張しておきながら、(守秘義務のせいではあろうが)具体例は皆無。
パズルを解くのに必要な力が、どういうケースで役立つかには触れているから、実際にその力を応用することそのものも、またパズルと言えなくはないだろうが。

論理思考-法則力、当てはめ力、数字力。
水平思考-否定力、展開力、思考力。

それぞれの重要性については、それなりに語られているから、まぁわかる。
しかし、肝心なそれらの鍛え方については、本書に収録してあるパズルではあまりに数不足で、「本書を読破すれば脳力がアップする」と書くにはどうかと思う。

そこかしこに有料携帯サイトの紹介があり、結局はこっちがメインか、金を出してチラシを買ってしまったのか、という気が起きてしまった。

パズルは、ビジネスに役立つ脳を鍛えるのに役立つのだ、という認識を作ることができれば、そしてそれぞれのパズルで求められる力はどう応用できるのか知ることができれば、本書は不要。あとは「頭の体操」シリーズを買えばよい。本書に掲載してあるのは、どこかで見たことがあるパズルばかりだし、その方がコストパフォーマンスがよい。DSの「レイトン教授」シリーズでもいいか。



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179 / 223 3000人のユダヤ人にYESと言わせた技術

10点満点で、6点。

活性化(高速リーディング)・・・30分程度

読み物としては面白かったが、ビジネススキルを身につけるという意味ではどうか?
様々な交渉の体験談が活き活きと書いてあり、読む分には興味深く読めたが、「つまりただの自慢じゃないの?」と思うところは結構あった。「世界を股にかけてビジネスしてる俺ってスゲー!」という自己主張を強く感じてしまったのは、読者のレベルが本書を読むレベルに達していなかったか。

一つ前に紹介した、「NYPD No.1ネゴシエーター最強の交渉術」に比べれば、2段くらい落ちると感じた。

読んだ順番が違えば、違う印象を受けたかもしれない。しかしそれにしても、本書で取り上げられている交渉例は、一般化するには無理があるものが多いと思う。
冒頭に取り上げられている、著者のメンターたる人物の交渉術については、素直に脱帽もの。ここだけは、十分にビジネス書としての価値がある。



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2009年9月6日日曜日

178 / 222 NYPD No.1 ネゴシエーター最強の交渉術

10点満点で、7点。

読書時間(普通に読んだ)・・・45分程度

本書も、一度読んだことがあるのでさらりと読めた。
著者はニューヨーク市警でネゴシエーターとして活躍し、1993年にはハイジャックされたルフトハンザ機の犯人を投降させ、乗客乗員を無事解放した実績を持っている。人命がかかる「絶対に失敗が許されない」環境で交渉を続けてきた、著者一流の心理分析と経験談が相まって、単純に読み物としても面白い。

相手を交渉のテーブルにのせること、それも頭に血が上っている相手と交渉をスタートさせること、それそのものがかなりの難題だから、著者の経験談は非常に説得力を感じさせる。

本書のテクニックで興味深く読んだところの例を挙げると。

最初のイエスを引き出す方法。
「これからウソを交えて話をするのと、本当のことしか言わないのと、どっちがいい?」
「本当のことだけ言ってくれ」
「そうすると、君にとって都合の悪いことも言わなければならないかもしれないが、それでもいいか?」
「イエス」

最後の最後でひっくり返されないための経験談。
「俺に手錠をかけないと約束したら、投降する」
��課長「手錠なしでOKと言え」
��著者「言えません。手錠はかけるべきです」
��課長「命令だ、言え」
「君は手錠をかけられる。それも後ろ向きで」
「わかった、俺だって逮捕されることがどういうことかは知っている。お前を試したんだ。お前は信用できる」

実生活で役立てるにはどうしたらいいか、いくつか応用例があげられてはいるが、楽しむためだけに読む価値はありそうだ。



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177 / 221 盲点力

10点満点で、6点。

活性化(スキタリング)・・・30分程度

これも分類に困る本。「目の付け所を変えれば、世界が広がる」という意味では、ビジネス書と言えなくもないが、読後感は全然違う。

一度読んだことがある本なので、ほぼ全文読みに近いスキタリングでも、30分程度で読めた。
もともとボリュームのある本ではないから、普通に読んだって1時間はかからないだろう。

本書は、普段盲点となっているところに着目すれば何が見えてくるのか、豊富な例が紹介してある。それぞれは面白く、なるほどそういう考え方もあるのか、と目から鱗が落ちることも多い。しかし、それだけ。

とはいえ、その盲点力を鍛える具体的な方法に言及してあるかと言えば、そうではないと言わざるを得ない。例示はそれなりにあるが、今ひとつ腑に落ちぬ。もともと「そう簡単には気づけない」から盲点なのだし、著者が書いていることも、行間を読み切らなければおそらく真意はわからないのだろう。

読み方次第で、本書の価値はずいぶん変わるのではないだろうか。



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2009年9月4日金曜日

176 / 220 英語は逆から学べ!

う~ん・・・評価のしようがない。

読書時間(普通に読んだ)・・・40分程度

最新の脳科学からアプローチする、効率的な英語学習法と言うことだが、脳科学の知見もなければまともな英語力も持っていないので、著者の主張が正しいのか否か、判断する方法がない。

読み取れたことと言えば、「語学習得に簡単な方法などない。とにかく本気でやれ。ただし、無意味なことや有害なことはあるから、それらに気をつけろ」ということだろうか。サブタイトルには「世界一簡単な外国語勉強法」と書いてあるが、一日10時間英語漬けになれとか、とうてい簡単とは思えないことが書いてある。

結果を出さなければ何の意味もない本書。その前に、努力してみないことには始まらないから、評価・採点はしない。



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175 / 219 ぼうず丸儲けのカラクリ

10点満点で、7点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間弱

フォトリーディングや速読を意識しなくとも、1時間あれば読める。文字も少なく、文体も読みやすい、誰でも読みやすいよう配慮して書かれた本。実際、5分や10分の隙間時間を使って読んだが、まとまった時間があれば30分程度で読めるんじゃないだろうか。

内容は、お寺に関する暴露話、といったもの。お布施が高い理由(一番は見栄だ!)、税金、就職活動・・・
まじめくさって読む内容ではないので、酒でも飲みながら、楽しく読むのがいいだろう。

内容は面白かった。交渉術なんかも書いてあるので、近々涅槃に旅立つ予定のある方は、近親者に一読を勧めるのもよいかもしれない。



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174 / 218 無一文の億万長者

10点満点で、6点。

活性化(スキタリングのつもりが熟読)・・・4時間程度

内容は悪くないと思うが、読むのにとにかく疲れる本。熟読しなければ読めなかった。
おそらく俺の問題であり、著者や訳者の問題ではないと思うが、この手の本を読むのは非常に疲れる。何がって、人物の把握にやたら体力を使う。

ただでさえカタカナの名前は覚えにくい(挿絵も写真もないからなおさら)上に、ファーストネームとファミリーネームが入り交じって登場する。似た名前の人物も少なくないし、男女の判断がしにくい名前もあるから、誰が誰だかわからない。なので、読み流していた人物が重要人物として登場したりすると、いったいどこで登場したのかずいぶん戻って探したりもする。

さて、内容は、日本人旅行者の多くがお世話になる免税店、DFSの創始者、チャック・フィーニーの伝記。どうやって富を築き、どうやってそれを寄付してきたのか、克明に書かれている。

とはいえ、思うようなペースで読めないこともあり、あまり好意的には読めなかった。フィーニーはほぼすべての財産を寄付してしまい、しかもそれを匿名ですることにこだわった希代の慈善家。特筆されるべき、偉大な人物であることは疑いないと思うのだが。

まず蓄財の方法。読み物としてはこの部分が一番面白かった。特別に凄いことをしているわけではないのに、着眼点が違うだけでこれだけの成果を出せるのかという驚き。その成功譚は痛快さも感じるが、重要なポイントとして「徹底的にタックスヘイブンにこだわっている」こと。財産を築く課程は前半1/3程度で触れており、その後は慈善活動について多くのページが割かれているのだが、「その前に、稼がせてくれた国にちゃんと税金払えよ」という意識が強く働き、批判的に読んでしまった。

「ほとんどすべての財産を寄付してしまった」と書いてあるが、自分用に500万ドル、家族のために4000万ドルを残している。平均的な生涯収入よりも多い財産を確保しておいて、無一文?
とはいえ、寄付した財産が数億~数十億ドルの規模、ということを考えれば、1%もないのだろうが。過去の慈善活動家に比べたら桁違いの行動なのだろうから、そこは素直に評価したい。個人的には15ドルの腕時計を着け、エコノミークラスの飛行機を使う、贅沢には関心のない行動をしているようだし。

しかし、こういう行動ができるのも、「誰にでも成功者になるチャンスがあり、そして成功したものは慈善活動に励む」というアメリカのよき文化があってこそのことなのだろうな。



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