2009年10月28日水曜日

207 / 251 6時に帰るチーム術

10点満点で、7点。

活性化(普通に読んだ)・・・1時間半程度

30分程度でさらりと読むつもりが、結構いいことを書いてあるので熟読した。
チームで仕事をするための手法について語っているため、マネージャ向けの内容ではあるが、個々人の仕事の進め方という観点だけでも、参考になる点はいくつもある。

朝メール、夜メールなどの具体的な手法もさることながら、一番参考になったのは、報告/相談の方法について。「こういう状況ですが、どうしましょう?」はNGで、「こういう状況で、AとBという選択肢があります。Aがいいと思いますが、どうでしょうか?」という形にすべきというもの。自分自身そういう相談の仕方を意識してはいるが、迅速な報告をすることを優先すると、なかなか難しい。対応策はまだ思いつかないが、とにかく一報、という状況もあるからね。しかし、上司としてはやはり後者の方がありがたいというのを知ったのは満足。

是々非々で、自分の仕事にあった取り入れ方をするべき本だとは思うが、悪くない。



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2009年10月26日月曜日

206 / 250 ローカル線ガールズ

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間程度

福井県内を走るローカル電車、「えちぜん鉄道」のアテンダントが書いた本。
そもそも電車にアテンダントなんて存在するのか、というところからして興味をそそられた。

元々走っていた京福電鉄が、度重なる事故で運行停止となり、廃線になったことがすべての始まり。電車がないと生活できないという住民の声に後押しされ、第三セクターとして動き出したえちぜん鉄道に、サービスの一環としてアテンダントを付けようという発想そのものにまず驚く。元々赤字路線だったというのに、さらに経費を増やす方向に走るか!と。

しかし、本書を読むと、アテンダントの奮闘ぶり、そして「なくてはならないもの」になっていく課程がよくわかる。ビジネスライクな語り口ではなく、表現は悪いが、ローカル臭あふれる暖かみのある文章で、素直に「この電車に乗ってみたいな」と感じさせる本に仕上がっている。

俺は鉄分少なめだが、世の中の鉄と言われる人たちは、おそらく本書の内容など先刻承知なのだろう。その意味では、鉄分少なめの人にお勧めする。



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205 / 249 人民は弱し 官吏は強し

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半程度

この本もskype読書会のために読み返した本。「明治・父・アメリカ」とは違い、希望を打ち砕かれる本なので、読み返した回数はたぶん4~5回しかない。

希望に燃えて帰国し、星製薬を立ち上げてモルヒネの抽出に日本で初めて成功するなど、前途洋々だった星一。後藤新平と知己があったばかりに、その政敵から、また同業者から様々な妨害を受け続け、ついには心が折れてしまうまでの話。本書では人物や会社名が一部仮名になるなど、「事実を元にした小説」という位置づけになっている。たとえば、三共製薬などは本書では「三原製薬」という名前で登場している。

とはいえ、本書の内容を否定する資料、物証などは出てきていないらしい。ほぼ事実と言える小説、というべきか。星一があまりに完璧な人格者として描かれており、そのあたりは誇張があるのかもしれぬ。

個人が権力に対抗する力など持ち得なかった当時。星新一がその後作家として、独特の冷めた視点からの作品を排出するようになるのは、星製薬の後始末で筆舌に尽くしがたい辛酸をなめたからだという。その一端が読み取れる。

必読書だと言っていいと思うが、読後感があまりに悪いので、減点した。



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204 / 248 明治・父・アメリカ

10点満点で、9点。

活性化(普通に読んだ)・・・1時間半程度

最近活動を始めた、skype読書会で紹介するために読んだ本。初めて読んだのは中学生の頃だったか。面白さにとりつかれ、たぶん10回以上読み返したと思う。

ショートショートの重鎮、星新一氏が、父親であり星製薬の創始者である星一について語った本。一応伝記なのだろうが、星新一独特の、簡潔な淡々とした文章で書かれており、文章そのものはいささか冷めた感じを受ける。しかし内容が面白く、父親への深い尊敬もそこかしこに感じられる。

本書では星一が苦学してアメリカに渡り、アメリカでも様々な人に助けられながら、成功者となるための素地を作り上げていくまでが描かれている。希望に満ちた本であり、星一の底抜けに楽天的な性格と、星新一の簡潔な文章から、窮地に追い込まれているのにそれを感じさせない、最後まで明るく読める本。

本書だけでは満足せず、後述の「人民は弱し 官吏は強し」を読むべきだが、本書は明るく希望に満ちた本として、さわやかな読後感を得られる。いい本だ。



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203 / 247 コーヒーハンター

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間程度

普通に面白かった。
コーヒーに魅せられた著者が、失われた品種のコーヒーを見つけ出し、世に送り出すまでの回想。分類に困る本だが、エッセーと言って間違いではないだろう。

コーヒーに惚れ込み、海外旅行すら珍しかった時代に、なんとエルサルバドルに留学してしまう著者。そして押しかけて国立コーヒー研究所に潜り込み、噂を聞きつけたUCCの社長から直接スカウトされて、25歳で取締役として迎え入れられる・・・著者の生き方も破天荒なら、UCCの社長も破天荒で、この後の著者の活動に大きな影響を与えることになる。

「ブルーマウンテン」とか「モカ」とかが、コーヒーの品種だと思っていた俺には、少々レベルの高い話が多い。しかし、そんなこと関係なしに、著者のコーヒーに対する情熱にぐいぐい引き込まれていき、一気に読んだ。

蘇った幻のコーヒーを市場に出すとき、他社に売られてしまうのではないかと心配する著者に現地スタッフの言った「お前のおかげで蘇ったコーヒーを、他の人間に売るわけがないだろう」という言葉はよかった。著者の人柄だろうが、これがあの国とかあの国とかだったらそうも行かなかったんだろうな。あの国ではコーヒー採れないみたいだけど。

ブルボン・ポワントゥを飲んでみたくなった。年に1回の販売らしい。



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2009年10月20日火曜日

202 / 246 千年、働いてきました

10点満点で、8点。

活性化(普通に読んだ)・・・1時間半程度

いわゆる「老舗」について、携帯電話や都市鉱山の活用など、意外な分野に大きな力を持つ独特の企業を取り上げた本。ビジネス書として読むならば、安定にあぐらをかかず、新しい分野に挑むことに感動を覚えてもいい。俺のように、単に雑学のつもりで読んでも十分だ。

生き残りを賭ける老舗、地道に続いてきた老舗、そのスタイルは様々。しかし、こういう企業は世界にはごく珍しく、日本にだけ集中しているというのは何か感慨深い。

本書を読むまで、世界最古の会社として俺でも知っていた「金剛組」が、事実上の倒産をしていたことは知らなかった。「金剛組を潰すのは大阪の恥」と、何ら関係ないのに救いの手をさしのべた高松建設、そして出向ではなく高松建設を退社して再建に乗り込んだスタッフには頭が下がる。

面白いが、ふと考えさせられる本。
ユニクロ批判、中国脅威論とその解釈については、頷くことしきり。



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2009年10月19日月曜日

201 / 245 非公認 Googleの入社試験

採点するような本ではないと思う。
パズルの要素が強いので、読書時間にも意味がない。1時間ほどで読んだが。

ネットで収集できる情報を素に、Googleの入社試験ではどういった問題が出されているのかかき集め、現役IT技術者、数学科出身塾講師、物理系大学院生、肉体系スポーツインストラクターが挑んでいる。時折、解説などの意味を込めて、Google系プログラマが回答を寄せたりしている。

かなり高難度のパズルから、心理テストみたいなものまで雑多にある。
パズルには全く歯が立たず、一言で言うなら読後感は「俺は絶対に入社できないな」

ちゃんと解くならかなり腰を据えて挑まないと無理だし、パズルや数学の素養も必要。むしろ開き直って、雑学のつもりで読んでしまった方が楽しめるかもしれない。問題を読んでも意味が理解できないものもいくらかあったが、Amazonの書評を見ると、訳にもかなり問題があるようだ・・・

しかし、本書でも紹介してある「Googleが発見した10の事実」について。
「6. 悪事を働かなくても金儲けはできる。」とあるが、ストリートビューや出版物のオンライン図書館構想など、明らかに他者の権利や利益を侵害した行動が最近は目に付くのだが・・・理念が変わったのかな。



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200 / 244 最強ハーバード流交渉術

10点満点で、9点。

活性化(普通に読んだ)・・・2時間程度

副題に「仕事が100倍うまくいくNoの言い方」とあるとおり、理想的なNoをいうにはどうするべきかを論じた本。
理想的なNoとは、自分の利益を失うことなく、妥協することなく、必要なNoを告げること。そしてその際、自分が失うものを最小限にすること。Noと言うことで相手との関係を壊さず、可能であるならばもっと関係を強めるためのNoをいかに言うか。

Yes! No, Yes? と書いてあるとおり、最初に自分の立場、利益について明確なYesをたてる。そしてその利益に反することにNoを告げ、代案など相手が納得できるYesを用意する、というもの。豊富な、かつ興味深い実例とともに説明され、なるほどそうなのかと頷くことしきり。

著者の経歴はある意味華やかなもので、紹介されるエピソードも非常に面白く、それだけでも読む価値がある。いささかベネズエラのチャベス、南アフリカのマンデラ、ガンジーの例が多すぎるきらいはあるが、興味深く示唆に飛ぶエピソードが多いだけに、仕方ないだろう。

図書館で借りて読んだが、手元に置いておきたくなった。



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2009年10月15日木曜日

199 / 243 銀河ヒッチハイク・ガイド

本書のノリにはついて行けなかった。

かの有名な、「人生、宇宙、すべての答え」を求める問いがある、SFの古典的名作。
・・・と、言われているのだが。

欧米圏のドタバタコメディで、設定も展開もシュールすぎて、読んでいても状況がよくつかめず、最初から最後まで、狐につままれているようなイメージを持ち続けた。それが本書の正しい楽しみ方なのかもしれないが・・・

続巻があるようだが、ついて行けそうにない。本シリーズの読書はこれで終了。



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2009年10月13日火曜日

198 / 242 選ばれ続ける社員の法則77

記憶に残っていないので、採点しない。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半程度

客観的に評価される、人から認められる人材とはどういった人物か、経営コンサルタントの著者たちが見てきた人から読み取った共通点について、77の項目としてまとめてある。

内容は是々非々で読んだ。なるほどと思うこともあれば、わかってるけどできないなと思うこともあり、それは違うんじゃないかと思うこともあり。77項目、すべて満足しようと考えるのではなく、少なくとも自分が納得したものについては、行動に移してみると確かに違う人材になれるかもしれない。

しかし・・・読後一晩たって振り返ってみると、さっぱり記憶に残っていない。心に響いていなかったのか、単に読み流してしまったのか。後者だろうな。

今回はフォトリーディングせずに読んでみたが、記憶への残り方は確かに違う。最近実感してきた。
しかし、読後マインドマップを描かないと、結局は忘れるのが早いか遅いかだけだな。フォトリーディング+マインドマップの組み合わせが、やはり俺には必要であるようだが・・・マインドマップ描くの面倒くさいんだよなあ。



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197 / 241 フォーカス・リーディング

きちんと実践して結果が出るか否かを判定するまでは、採点できない。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半程度

「実践を追求したビジネス速読術」として有名な、SRR速読教室の寺田氏がそのノウハウをまとめた本。おそらくセミナーでは、内容についてもっと掘り下げた説明と、実践に当たっての注意事項などが指導されるのだろうが、本来必要なことは一通り書いてある、気がする。

読書に対する考え方について多くのページが割いてあり、また「情報を取得する」ことに主眼を置いているため(フォトリーディングもそうだ)、俺みたいに無目的に本を読むことが多い人間には、あまり向いていないのかもしれない。とはいえ、本書で解説してある技法については、その根拠や効果の現れ方などがしっかり書いてあり、「そこそこのレベル」を目指すだけなら、本書でも十分実力を付けることができそうだ。

独学で速読を身につけるなら、本書か、「1分間で10ページ 即席速読術」のいずれかがいいだろう。特に排他的な要素はなさそうだ。



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2009年10月11日日曜日

196 / 240 危機管理宰相論

10点満点で、7点。

活性化(スキタリング)・・・1時間半程度

元内閣安全保障室長の佐々淳行氏が、危機管理におけるトップの役割について述べた本。「宰相論」と銘打ってはいるが、むしろ村山亡国内閣について激しく糾弾している本、と言ってよい。

1995年12月の出版なので、阪神大震災と地下鉄サリン事件に関する言及が多いが、対北朝鮮関係についても、読んでいて頭の痛くなる話が山盛り。自民党単独政権の害はそこら中で言われているが、野合政権になってからのダメージは、比べものにならない深刻なものであることがよくわかる。

日本を敵視して恫喝し続ける相手に、無批判で10億ドルもの経済援助を約束する村山政権。震災において自衛隊を動かそうとしなかった村山政権。法的根拠を与えずに、サリン事件では自衛隊を死地に追いやった村山政権。日本が現在でも存続するのは、ひょっとしたら希有の幸運によるものではないか、という気すらしてくる。

阪神大震災の時、政治は何をすべきだったか、何をしなかったのか、怒りを込めて著者が力説している。「阪神大震災 自衛隊かく戦えり」を併せて読むと、手足を縛られた自衛隊がどう活動したのかよくわかり、悲しくなる。本書で指摘された問題点が、その後改善されたかどうかは、寡聞にして知らないのだが・・・まだそのままではなかろうか。

さて、現在はどうなっているか。
震災直後の神戸に、食料も物資も持たずに印刷機を持ち込んで自衛隊批判のビラをまき続けた辻本清美が国土交通副大臣(選挙前は防衛大臣を希望していたというからなにをか言わんや)、自衛隊の出動が遅かったと見当外れのクレームを付けた阿部知子は党重鎮。こんな連中と一緒に動く連立与党は、果たして日本人を本当に守れるのか・・・在日朝鮮人、在日中国人などは守りそうだが。

2012年3月18日訂正;
上記の辻元清美に関する記載はデマであった模様。
不明を恥じるとともに、自身がデマの拡散に協力してしまった事実を忘れないように、あえて残す。



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2009年10月8日木曜日

195 / 239 細野真宏の数学嫌いでも「数学的思考力」が飛躍的に身につく本!

10点満点で、7点。

活性化(普通に読んだ)・・・1時間程度

「数学的思考力」というよりは、「論理思考力」ではないだろうか。論理学は数学の一分野だから、同じことなのかもしれないが。

主にニュースの解釈について、本質を見極めるための考え方、既存の知識と融合させるための考え方について、わかりやすくまとまっている。これはこれで非常に有意義な本だと思うが、タイトルに惹かれて手に取った人の目的に合致する本かというと、かなり疑問。

巻末にポイントがまとめられていたり、内容そのものは悪くないだけに、タイトルとの乖離が気になる。
個人的には有意義な本だと感じた。



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2009年10月6日火曜日

194 / 238 日本の防衛 7つの論点

10点満点で、6点。

活性化(普通に読んだ)・・・2時間程度

「石破茂・前原誠司ほかが集中講義!」と書いてあるが、編者との対談を収録した形になっている。
しかし、残念なことに編者の発言の方が多く、消化不良感が否めない。まず編者の主張があって、それに対する講師陣の意見があって、、、という形。当時防衛庁長官だった石破氏、同じく当時民主党のネクスト防衛庁長官だった前原氏など、重要なことをわかりやすく語っているのに、編者が引っかき回している感がある。俺の知識が追いついてなくて、そう受け止めてしまっただけなのだろうとは思うが。

おそらく一般的には右派と呼ばれる人たちが多いのだろうが、読む限りは至極まっとうなことを語っているだけに思える。一番過激に思えるのが、当時民主党の西村真悟氏だというのは皮肉と言うべきか。それに比べると、とかく左派からは目の敵にされている石破氏が、左派に思えてしまうほど。

話題があちこちに飛び、まとまりに欠けてはいるが、知識の隙間を埋めるために読んで損はない。



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2009年10月1日木曜日

193 / 237 インテリジェンス戦争

俺には敷居の高い本だった。

面白いことは数多く書いてあるが、理解できないことも多い。国際情勢をちゃんと認識しておかないと、話題の重要性がわからないし、人物の重要度もわからない。

ただ単に、野次馬根性で読む分には、中共のネット監視、北韓のハニートラップ、ミトロヒン文書、ザルカウィ暗殺などの話題は面白かった。反面、基礎知識がない分、リトビネンコ事件などは、興味を持って読んだにもかかわらず、さっぱりわからない。

少なくとも、入門書ではなかったようだ。本書が読める程度の知識は持っておきたいところであるが。



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