2011年2月26日土曜日

008 / 374 ろくでなし

10点満点で、7点。

ミスター麻雀・小島武夫最初で最後の自叙伝。
サブタイトル通り、「酒と女とカネの無頼」に生きた75年を、飾ることなく語っている。

読む分には面白いが、人間としては最低だね。妻と子を捨てて女と駆け落ちしたり、その女と子供を作って前妻の子を引き取っといて逃げ出したり。デタラメきわまりない人生だが、開き直りを通り越した態度で淡々と語っている。たぶん、ダメな人はトコトンダメだろうし、そう感じる人の方が多いと思う。しかし俺は、ヒデえなあと思いつつ、若干の魅力を感じながら読んでいた。

使った金も数千万なら、借金も数千万。億の単位の金を動かし、自己破産を経験して、そして商売は博打打ち。芸能人や実業家と昵懇になり、複数の女優と寝て、どうやってこういう人脈を作るんだろうね。カタギの人生を歩んでいても、たった一人の女優とだって知り合うチャンスなんて無いのに。

桜井章一とは、裏社会の住人として知り合いだったのかと思ったら、違うらしい。テレビで裏芸を披露する際、裏芸のできる奴として見つけ出したのが桜井だとか。麻雀は強いが、「自分を神格化するなんて馬鹿げている」と、俺も思っていることが率直に書いてあった。

アウトローな本。好き嫌いがはっきり分かれるだろうね。


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2011年2月23日水曜日

007 / 373 人間最後の言葉

10点満点で、7点。

人が死ぬに当たって最後に発した言葉を、150+600の750件も集めた本。
「余は負わされたすべての罪について潔白でありながら死ぬる。余は余の全ての敵を赦すぞ」と語ったルイ16世から、「やられた!」なんてのまで。

前半150人分は、欧州特にフランスの歴史を知らないと、読むのが辛い。各人のエピソードを交えて書いてあるのだが、人物も時代背景もわからないと、いったい何を書いてあるのかさっぱりわからないものが多い。フランス革命なんかは割とわかりやすいが、時代すらわからないものも多い。

後半600人分は、短くまとまっていて面白い。人生全ての含蓄を含めたもの、本心から絞り出した言葉、最後のユーモアなど。俺もできれば、こういう本にまとまるくらいの、気の利いた言葉を発して死にたいものだ。


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006 / 372 賭けマージャンはいくらから捕まるのか

10点満点で、6点。

賭け事は決して悪いことではない。競馬、競艇といった公営ギャンブルからパチンコまで事実上公認されているのに、なぜ麻雀は逮捕されるリスクがあるのか。麻雀が、そしてギャンブルが大好きな著者が切々と訴える本。

著者の主張に頷けるところは確かにあるのだが、どうも説得力が弱い。公営ギャンブル等との矛盾を指摘するだけにとどめておけばよいのだが、「ギャンブル好きの犯罪率」等のデータを持ち出しているのが、弱い。いや、客観的なデータなしよりはよほどいいのだが、国内のデータが無いからね。紳士の国イギリス、競馬は上流階級の娯楽という国のデータを持ち出されても、「だから何?」と思ってしまう。

俺もギャンブルは好きだし、麻雀は大好きだし、合法化して欲しいとは思うけどね。本書を読んで、なるほどそうだと思う人って、どれだけいるのだろう。

ちなみに、別の本からの知識。賭博の賭け事と博打は別のもの。賭け事は当事者同士が金品等を賭けるもので、博打は胴元が寺銭を回収して開帳するもの。賭け事はゼロサムゲームだが、博打は胴元が必ず儲かり、参加者は最終的に必ず資金が減っていくことから「場朽ち」が転じたものだそうな。日本で合法なのは博打で、賭け事は違法。コレって変だよな。


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005 / 371 陽転思考

小田先生の著書に、採点だの書評だのなんてできません。

アクティブ・ブレインとはまた別の、小田先生が本業と言っている(じゃなかったっけ?)人間教育について。豊かな人生を送るためのヒントが書いてある本。
短いセンテンスにまとまっている本なので、読みやすい。一読。


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2011年2月18日金曜日

004 / 370 C言語撃退講座

10点満点で、5点。

K&Rを置いてまで手にとってはいけない本。
C言語を256倍使う本」を意識したのか、かなり痛い文体で書いてある。かといって内容は、「ふざけた文体で高度な内容」の256倍と違い、些末なことだったりやや怪しげなことだったり。

本書でもポインタについてわざわざページを割いてあるが、そもそもポインタを難しい難しいと言い過ぎるのもどうかと思う。ポインタの難しさは、演算子の優先順位とその効果にあり、覚えてしまう以外にないことだと思う。
(i = *p++; とか、構造体のポインタ演算とか)
ポインタのアドレス演算は言語側で結構しっかりやってくれるので、プログラマが誤解していなければうまく動く。理解が怪しければ数行のテストプログラムを書いてみればわかる話で、うろ覚えだって安全に使える。

ポインタが本当に難しいのは使いこなし方で、配列で済んでしまったりするところがCの懐の深さというか、融通の利きやすさというか、いい加減さというか。「どっちでも書ける」から使わずに過ごし、苦手意識を払拭しきれないだけの人が多いんじゃなかろうか。実は俺もそうだ。

その点256倍はそのあたりにも触れてて、ポインタの深いところまで気付かせてくれる。
(教えてくれるわけではない)

文体が痛いから、評価も辛辣になってしまった。でも、内容もその程度だと思う。
もっと他に、手に取るべき本はあるよ。


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003 / 369 ヘンな間取り

10点満点で、5点。

ドアがなかったり、キッチンが極端に小さかったりする間取りを紹介している。
確かに異様な間取りが多いのだが、出典が記載されていないので、本当に存在するのか疑わしい。いやむしろ、ただの記載ミス、印刷ミスがほとんどなのだろう。入り口がない部屋なんて、そもそも工事ができないもの。

出典と寸法が明記してあれば面白いのだろうが、本書は余計なコメントも多く、なんかつまらない。
昔はやったVOWの間取り版、と思えばよいだろうか。でもVOWほどのインパクトもない。


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002 / 368 ヌスムビジネス

10点満点で、4点。

サブタイトルに「スパイの手口に学ぶ情報「奪取」術」とあるが、本当なのか。少なくとも本書から受けた印象は、「素人が考えるとこうなんだろうなぁ」程度の情報しかない。

こっそり合い鍵を作るにはどうするか?
→ 粘土で型を取り、鍵屋に「鍵をなくしてしまったが、型はある」と言って合い鍵を作らせる

パソコンのログインパスワードを知りたい!
→ キーボードに小さなキーロガーを取り付ける

シュレッダー処理された書類を復元するには?
→ 色別、柄別に用紙を分けて、根気よく並べる

誰がこんなので満足するんだ?
悪用されないように書いているのかも知れないし、もしかしたら実際の現場もこんな努力で動いているのかも知れない。それならそれで、わざわざ本にするような内容ではないよなあ。

いやまぁ、スパイというものに過度のあこがれを抱いている向きに「現実ってこんなもんよ」とアピールする狙いがあったのだとしたら、それなりに成功しているとは思うけれど。

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2011年2月7日月曜日

001 / 367 裏のハローワーク

10点満点で、7点。

いろいろあって放置していたら、年が明けて1ヶ月も経ってしまった。
この間読んだのは、本書、「ヌスムビジネス―スパイの手口に学ぶ情報「奪取」術」「ヘンな間取り」「C言語撃退講座 ~K&Rは置いて、俺の話を聞け」「陽転思考―ほんとうの自分と出会うために」と、ええと、、、書いとけばよかったな。忘れちゃった。あと3~4冊読んだはずだけど。

今月19日に転居予定で、本は既に運んでしまったので、手元から無くなってしまった。
追々書いていこう。

本書は、「何をやってるのか興味はあるけど、なかなか実情がわからない」職種から、「手が後ろに回る裏稼業」まで、様々な職種についてその実情と、その世界に入ることになったきっかけなどについて、著者の取材を元に明らかにしている。とはいえ職種が職種なので、ほんの上っ面のことしか書いてなかったり、あるいは「いったい何を言ってるのかわからない」ような既述でぼかしてあったりするのだが。

まぁ、真面目腐ってこんな本を読む人もいないだろう。
空き時間に興味本位で読み、読んだらブックオフへ。それなりに面白い。

個人的には、麻雀裏プロの読みが面白かった。そこまでピンポイントで読めるもんかね?


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