久しぶりに波風が立たなかった回。いつ以来だろう。ひょっとしたらラムネ以来かも。でもあのときも、後ろで天候は崩れてたからなあ。
まあ今回も全くの無風というわけではなく、元樹は拗ねていたんだが、もはや小物感丸出しで大きな障害にはなりそうにない感じ。
元樹の価値観はよくわからん。学生の本分は勉強って、一日中家に閉じこもって勉強するのが当然と考えてるのか。昼間遊びに出ても、夜勉強してたら全然問題ねえだろ。真修は成績も問題なさそうだし。親の役割として真修を管理したいようだが、家にいる間なにか指示しているわけでもなさそう。結局こいつは、子供に制約を加えることが親の役割と考えているのか。第11話「ノイズ」で聡子が感じた違和感、元樹は真修のことをちゃんと見ていないのではないかとの懸念が、具体的に描かれている。
気になるのは、元樹の「俺が2度も」の発言。だいたい想像はついていたけど、やはり「2度も母親を奪った」と続いていた。
ということは、真修に母親は元樹のせいで命を落としたと思われても仕方ないのだ、ということ。一体何をしたんだ。ワーカホリックで家庭を顧みず、ゆきを過労死でもさせたのか。あるいは自分が運転する車で交通事故でもあったのか。
前者ならばあちゃんが普通に元樹と接しているのに違和感があるし、後者なら第2話で一夜を共にしただけの(表現)聡子が運転する車に真修が気軽に乗るのは違和感がある。ゆきの死因は何だったのだろう。
真修に「お母さん」と呼ばれたのだと勘違いした聡子の動揺が、妙に初々しい。元樹にそんな発言をされていたのに、今まで意識したことがなかったのだろうか。
そして、真修が「ずっと手をつないでいたい」と真っ赤になって話したとき、聡子まで赤くなってる。ようやく「人間としてすき」の要素に「異性としてすき」の感情が伴ってきたか。
そこからの妄想3連発は、読者向けの銃撃なのか。もうお前ら、どんな形でもいいから幸せになれや、絶対幸せになるだろ、としか言えぬ。
最後に手をつないで、まっすぐ見てくる真修に照れる聡子。
もう、これ以上事件起きなくていいよ。回収されてない伏線はまだまだあるけど、それよりもう、ただただ幸せになっていく二人が見たい。
もっと長く読みたいけど、高野先生自ら「クライマックスにかけて云々」のツイートをしてるから、終りが近いんだろうなあ。
続編(というかスピンオフ)でひたすら真修がのろける「うちの奥さん」でも連載してくれたら、多分何年続いても読み続ける。
39話が収録されているヤンマガはこちら。