2012年7月29日日曜日

022 / 413 数学物語

10点満点で、6点。

初版が戦前の1936年とのことで、今でも版を重ねている、時代を超えつつあるベストセラー。幾何、代数、微積分などの数学諸分野について、その概要と数学者のエピソードが書かれている。
平易な言葉で書かれているが、内容の難易は激しく違っていて、読みやすかったり読みにくかったり。1つずつのセンテンスは短いので、難しいところもさらりと流し読みすることはできる。

数学者たちのエピソードはとても面白い。数学そのものではなく、数学者のエピソード集としてまとめてあれば、もっと面白かったかもしれない。俺の主観だが。


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2012年7月28日土曜日

021 / 412 システム障害はなぜ起きたか

10点満点で、7点。

2002年のみずほ銀行誕生時に発生したトラブルについて分析した本。事件としては古いが、内容としては古くない。東日本大震災直後の混乱を取り上げた、続編も出ているようだ。

なぜトラブルが発生したのか、そもそものスタートから分析している。本書を読むと、この事故(といっていいだろう)は、起こるべくして起こったことだというのがよくわかる。やるべきことを明確にせず、クリアすべき課題が何であるかを把握せずに走り出している。技術的な課題と政治的な課題を混同し、しばしば逆のアプローチをしている。関与すべき立場の人が関与せず、決断すべき人が決断しないと、こういうことが起こるのだろう。

もちろん、結果論で書かれている箇所はある。しかしそれでも、起こってしまった現実は冷徹に受け止めて、そこから教訓を引き出すべきだろう。仕事柄、規模は1/1000に満たないながらもシステム構築に携わることがある。うまく動かずにコケた事例も経験している。本書を教訓に、抑えるべきポイントをきちんと抑えていれば、俺のような末端のレベルでも、システムの完成度を高めることに貢献できていたのかもしれない。


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020 / 411 よくわかる電気の基本としくみ

10点満点で、6点。

うーん、、、よくわかるのかな。
イラストが多く数式はほとんどなく、一つのセンテンスは2~3ページにまとまっている。わかりやすく書こうとしているのは理解できるが、本当にわかりやすいのかとなると、疑問。用語の注釈もそこかしこにあるが、かえって読みにくくなっている気がして仕方ない。

扱っている範囲は、ほぼ電気全般。
電気とは何か、発電、送電、モーター、電熱、電池、照明、電波、半導体、センサー等。電験の範囲をひと通り+アルファ、といったところ。これだけの範囲の情報を、数式も使わずたかだか240ページに詰め込んでいるのだから、内容が浅くなるのは仕方ない。それなのに、浅くならないようにやや深いところまで切り込んでいるので、到底読みやすい本とは言えなくなってしまっている。

電気の技術について、上っ面を軽く流す程度の本、と割りきって書かれていればまた違うのだろう。しかし、軽く流すというには内容が深い。どういう人を対象にして書かれたのか、よくわからない。


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019 / 410 痛快!コンピュータ学

10点満点で、8点。

昔買った本を読み返してみた。初版は1999年、その後2002年に文庫版として再販されたもの。分進秒歩とも言われるコンピュータの世界を13年前に語った本なのに、古さを感じさせない。あとがきにあるとおり、テクノロジーではなくサイエンスについて記述した本だからだろう。

電気回路、情報理論、プログラム、IC、OSとアプリケーション、インターネットなど、それらは「どういう必要性から生まれた技術で」「どういう進化をして」「どういう問題を抱えているのか」が書かれている。原理・原則にかかる話題がほとんどなので、古典化することはあっても、陳腐化していくことが少ないのだろう。
(ネットワークに関する話題など、古さを感じさせる箇所はいくらかある)

パソコンを使う、コンピュータを使うとなると、まずはソフトの使い方・・・と考えてしまう向きにおすすめ。根本に流れる思想、原理などを知っていれば、その知識は必ず応用が効く。


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2012年7月14日土曜日

018 / 409 のはなし さん

10点満点で、7点。

面白い。書いてある内容、文体などはラジオで語っているものと同じなので、ゴーストライターを使っているということはないと思う。話題は豊富、かつ様々な方向に飛躍して、飽きない。さすがに話をするプロは違うなあ、と素直に思う。

まあ、まじめに読む本じゃないけど。短い話題が沢山載っているので、暇つぶしにちょうどいい。


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2012年7月1日日曜日

電験三種攻略その4 理論-3

理論の残り。具体的な勉強方法はひと通り書いてしまったので、別の視点から。

まず、勉強にかけた期間は1ヶ月半くらいだったと思う。6月半ばの施工管理の試験を終えてからの勉強開始。前述のとおり、施工管理の勉強は電験とかなりかぶるので、その意味だと本質的な勉強期間はもっと長い。施工管理の勉強を3ヶ月くらいやっているから、理論的な部分だけ考えると、実質2ヶ月半~3ヶ月くらいなのかもしれない。

勉強時間は1日30分~1時間半程度。気分の乗り方、仕事の忙しさでまちまち。新しいことを勉強するときは、わからないことが多くて苦痛なので、短時間で切り上げることが多かった。2回目、3回目となってだんだん理解が進んでくると、同じ短時間でも進み方はぜんぜん違う。

本質的には、わからないことに時間をかけるほうがいいのだろうが、俺のスタイルは違う。わからないことを勉強するのは集中力が必要で、俺には集中力があまりない。
集中力向上セミナーに行きたいけど、家庭の事情で行けない・・・)
なので、集中力が続かなくなったら、すっぱり勉強をやめた。その分復習の回数を増やすことで、少しずつでも身に着けていくことを重視。

多分どんな勉強でも、1回で終えようとするのではなく、復習を繰り返すことが一番効率的なんじゃないかと思う。特に電験三種は選択式の回答で、部分点というものは存在しないので、「ほとんどわかるけど正答まで辿りつけない」のは0点。むしろ、「できない範囲も多いけど、このジャンルなら確実に解ける」という部分を増やすほうが重要。

復習ともう一つ意識したのが、とにかく毎日必ず勉強すること。たとえ5分、10分でもいい。俺にとっては継続することが一番難しいので、テキストをざっと眺めるだけでも、あるいは問題集の解説を読むだけでも、とにかく「勉強した」ことにした。飲み会でも、あるいは体調が悪くても、とにかく勉強していない日を作らないようにした。続いているうちは続けられるけど、1日でも勉強を休むと、休んでしまった実績ができてしまい、ハードルが下がる。

このスタイルで、1年目で理論、電力、法規の3科目が取れたので、基本能力の高い人なら今からでも4科目合格だってできると思う。1日2時間とか3時間とかを継続して勉強できる人なら心配ない。俺のように集中力が続かなくて、数学力が怪しくたって、3科目はいけたのだから。

017 / 408 時間の不思議

10点満点で、6点。

ブルーバックスに多数の著書がある、都筑卓司先生の本。物理の様々なテーマについて、わかりやすく面白く書いた本が多いので好きなのだが、本書は難解だった。扱っているテーマそのものが難解なのでやむを得ないか。

時間とは一体何かということを本質的に考察すると、どうしても現実の物理現象から離れて、数学的な話題になる。それも観念的な話題が多く、その上日常の常識からはかけ離れた話題が多くなるので、読んでいて何が書かれているのかわからないことが多い。

大学で物理専攻した人向けの本なのかな。
好き好んで難しく書いているわけではないだろうが、俺には理解できなかった。


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016 / 407 パラドックス大全

10点満点で、6点。

難解な本。そもそもパラドックスというものが数学的に難解な部分をかなり持つので、やむを得ないか。
有名どころのパラドックスもちゃんとおさえてあるが、基本的には知らない話題ばかりだった。読んでいて論理展開についていけず、苦痛に感じること多々。それでも最後まで読み切ったのは、それなりの面白さがあったからなのだろうか。

論理学、論理パズルに関心があって、数学的な素養がある人にしか薦められない。
興味半分で手に取ると挫折する本。


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