2012年7月28日土曜日

021 / 412 システム障害はなぜ起きたか

10点満点で、7点。

2002年のみずほ銀行誕生時に発生したトラブルについて分析した本。事件としては古いが、内容としては古くない。東日本大震災直後の混乱を取り上げた、続編も出ているようだ。

なぜトラブルが発生したのか、そもそものスタートから分析している。本書を読むと、この事故(といっていいだろう)は、起こるべくして起こったことだというのがよくわかる。やるべきことを明確にせず、クリアすべき課題が何であるかを把握せずに走り出している。技術的な課題と政治的な課題を混同し、しばしば逆のアプローチをしている。関与すべき立場の人が関与せず、決断すべき人が決断しないと、こういうことが起こるのだろう。

もちろん、結果論で書かれている箇所はある。しかしそれでも、起こってしまった現実は冷徹に受け止めて、そこから教訓を引き出すべきだろう。仕事柄、規模は1/1000に満たないながらもシステム構築に携わることがある。うまく動かずにコケた事例も経験している。本書を教訓に、抑えるべきポイントをきちんと抑えていれば、俺のような末端のレベルでも、システムの完成度を高めることに貢献できていたのかもしれない。


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