2020年8月25日火曜日

私の少年 第41話 わたし(ネタバレ感想)

聡子が一人、自分の内面について問いかけ、自分なりの答えを出した回。
展開自体は予想通りだったけど、内容は予想からは外れていた。いやまあ、俺の陳腐な予想なんて外れるに越したことはないんだけど。

様々な世代の聡子と自問自答する姿が意外だった。新幹線の中で少女に戻る描写はあったが、これだけ徹底的に描かれると新鮮だった。しかも、過去の自分同士が話をしているし。

伏線の回収も詰め込まれていた。
椎川の婚約者、夏海さんレンタル彼女説は否定。基礎体温を測る習慣についても説明。どちらも正直無理があると思うけれど、でももう話がここまで来たら、割とどうでもいい内容。

K子と聡子父、どちらが先に遊び始めたのかの説明もあった。21話を読む限り、遊ぶK子に愛想をつかした父が出ていったのかと思っていたが(32話でもそんな感じをほのめかしてるし)、今回の話では父が先に遊んでいる。それであのLINEを送ってくるということは、つまりどっちもどっち、似たような性格なのだろう。

恋が怖かったと言い切る上に、「頑張ってみた」という表現をするということは、椎川相手のときは本当の恋愛をしていなかったということかな。別れてから10年近くも縛られていたのは、むしろ「恋ができない自分」を認めたくなかったのか。

これからも怖がる、一緒に怖がるというのが恋のことだと明確に語ってはいないが、恐らくそうなのだろう。ということは逆説的に、真修は恋愛対象としてではない、もっと違う感情として大切に思っているということなのだろうな。

前回は真修が「恋とは違うかも」と言っているし、やはり二人にとって、お互いは恋愛感情などのくくりでは表現できない相手なのだろうな。いずれいい形で恋愛関係になってほしいと思うけれど、もうその段階を通り越しているからなあ。

いよいよもう、終わっちゃうんだろうな。
前回はあまりのまとまりの良さに、7回表に全盛時の藤川球児が登板してきたような衝撃を受けてしまった。もう本気で締める気だ、という。
でも今回は、大差のついた勝ちゲームで、リードを守れればそれでいいや、という安定重視。ここから先、もうドラマはないのかもしれない。たしかに過去、ドラマなんていらないって言ってたけど。

41話が掲載されているヤンマガはこちら。

2020年8月22日土曜日

私の少年 第40話 面影(ネタバレ感想)

なんか色んな感情に襲われて、虚無感に浸っていたらすっかり書くタイミングを逸してしまった。 
2日後には最新話が読めるから、その前に垂れ流し。

 真修の海藻と思い出話、そして元樹との会話で、一気に話をまとめにかかってきた感じ。 少年時代(今でも少年だけど)の真修が夜一人で過ごすのは珍しい話ではなかったこと(聡子の部屋に一泊したことが気づかれなかったことの伏線回収)、元樹は育児放棄していたわけではないというフォロー(ただし空回りしてる)、そして真修が成長していることを元樹が認識する描写。

 真修が聡子の部屋で一泊したこともサラッと流した。「明日詳しく聞くからな」とは言っていたけれど、恐らく聞く描写はないだろう。元樹はもう、聡子に白旗を上げてしまった。 元樹は元樹で、自分に見える範囲で色々考えていたのだろう。見える範囲が狭かったのと、見えない範囲を想像する力に欠けているだけで。真修はもう、自分に見える範囲からはみ出したことを認識したから、今後障害として立ちはだかることもないのだろうな。もしかしたら、「真修が自分で考えて決めたことなら」と、理解者のポジションに移動する可能性だってゼロではない。でも多分、出番は終了じゃないかな。この状態で聡子に会っても対決にはならないし、今更雪解けを描写する必要もない。

 最後に菜緒が登場。最初から恋に敗れることが決まっていた可哀想なキャラではあるが、現実を受け止めて明るく前を向くことが出来た。彼女も退場理由としては満点なので、恐らくもう出番はない。

 さあ困った。本当に終りが近づいてきたぞ。 もっともっと読みたいのに。ゆきの死因、早見家の血縁関係など、回収されてない伏線はまだまだあるけど、ここ2話ほどはそれらがどうでも良くなるまとまり方。どうでもいいというのは語弊があるが、でも未回収のまま終わっても、作品の完成度にはさほど影響はないと思う。聡子と真修が「名前のない関係」なんだから、それ以外の人物の関係なんてもっとどうでもいい気がしてきた。 次回は聡子が、改めて真修は自分にとってどんな存在なのかを考えて、結論を出すのかなあ。 それこそ友人だろうが恋人だろうが関係ない、ただ一緒にいたい存在、という結論になりそうだけど。

 40話が掲載されているヤンマガはこちら。