「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」は、本書によって「完全版」となる・・・と書いてあるが、別にそうでもないんじゃないか。
面白い本ではあるが、木村政彦とその時代について掘り下げてあることなら読みたくとも、全然関係ない話題に脱線している、柔道史あるいは格闘技史と特に関係ない人物との対談などは、別に読もうと思わない。同じような話題が繰り返し登場することもあるし、まあ確かに木村本の編集からは抜け落ちても仕方ない内容だよね、と思う。
内容は当たりの記事があったり、ハズレの記事があったりと、質が安定しない。
無批判に読む向きもあるだろうが、読み手が何に興味を持つかによって評価は変わるんじゃないかな。700ページあまりの大ボリュームだが、俺には無駄と思える内容が多すぎる。
巻末の写真及びキャプションは秀逸で、むしろこれが本体だと思う。木村本をゴング格闘技に連載していたときに記載されていた全写真とキャプションで、木村本には収録されなかったものも多くあるようだ。この部分だけ廉価で、小冊子として発売すればそれなりに売れる気がする。資料としてはかなり貴重なものもありそうだ。
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