2018年10月10日水曜日

019 / 474 あなたが輝くとき

10点満点で、7点。

大好きなピアニスト、西村由紀江さんのエッセー集。
本人が書いたのか、ゴーストライターの手によるものなのかは知らないけれど、多分本人じゃないかなあ。文章が、作品から受けるイメージにピッタリ。逆に、あまりにぴったりすぎて違和感がないからこそ、ゴーストライターが書いたのかもしれないという気もするんだけど。

子供の頃の話、日常の何気ないこと、コンサートの舞台裏、作品を作る過程、、、基本的にはピアノなり音楽なりが絡む話題だけれど、別に音楽に知見がなくても気軽に読める。各タイトルが、作品(ピアノ曲)のタイトルと合わせてあるので、曲そのものを思い浮かべながら読むと「こんな感じなんだ」と思ったり、「流石にこの曲は違うんじゃね?」と思ったり、なかなか楽しい。その意味では、西村由紀江さんの曲を知らない人が読んでも、あまり面白くないのかもしれない。

曲が生まれるのに、メロディが自然に浮かぶ、というのがなんとも羨ましい。楽譜も読めない身からしてみると、作曲ができるというのはとんでもない才能に思えて仕方ない。聞いた音を楽譜に起こしたり、思いついたメロディを楽譜に起こしたり、そんなことが練習や勉強でできるようになるとはとても思えないけれど、そのことに苦労をしている感じは全くしない。徹底的に練習してきたからそうなったのかもしれないけれど、読む限りは作曲って、メロディはちゃんと存在する上で、自分が思うイメージのとおり弾けるように強弱なりテンポなりを探している、それだけに思える。

いつか、そういう世界の入口でも見えるようになるといいなあ。



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