2019年2月25日月曜日

私の少年 第27話 ドア(ネタバレ感想)

【ストーリー】
後日。そういえばここ最近の話については書いてないや。

【感想・考察】
真修の病気は何だったのだろうか。聡子と再会したのが12/8、まゆと話したのが12/9、ダウンしたのが12/10。そして今回の場面は12/16なので、一週間も寝込んでいたことになる。
ばあちゃんが体を拭きなさいとタオルを持ってくるということは、その間熱が下がらずに風呂に入ってないのだろう。薬はもらっているのだから病院には行ったようだし、インフルエンザなら薬がなくとも3-4日で症状はおさまるから、もっと違う病気なんだろうか。でも咳き込んでいたから風邪系みたいだし、インフルエンザだけど物語の都合上長引かせただけなのか。

聡子は、真修と関わっていくという覚悟は決めたものの、どうしたいとは決めていなかったのだな。
真修と再会したことを真修父に伏せてほしい、というフォローをしていなかったし、真修が伏せてほしいと頼んだことを知る前に「もうどこにも行かないから」と約束できるということは、もう外部からどんな干渉があっても真修と関わり続けるという覚悟を決めていたのだろう。とはいえ真修父が再びこのことを知って再び動いたら、誰にとっても不幸な結果しか生まないのだから、考えなしに行動しすぎだとは思うけれど。

今回ようやく、聡子が真修のことを「年齢差以外は対等な存在」として扱おうとしてきた描写がはっきり出てきた。ドア越しに真修に話しかけたとき、前回の「ごめんね」ではなく「ごめんなさい」だったし、真修と話が「してみたいです」という表現に変わっている。多分、自分が本当はどうしたのかも含めて、真修のことを「大人と子供の関係」から「人間同士の関係」で構築し直す決心をしたのだろう。おそらくそれには、現在は意識していないだろうけれど、いずれ真修と男女の関係になることも可能性としては考える必要がある。
真修ははっきりと、聡子に対して好きだと告げたし、その気持が軽薄なものではないことに前回気づいている。もちろん年齢相応の要素はあるにせよ、23話で自分に言い聞かせていたように、単に一番頼りやすい大人だから、という感情から出たものではないことは認識した。その上で、真修に対しもう一度向き合いたいと言っているのだから、もう真修の気持ちを受け入れる覚悟ができたのだろうと思ったんだがなあ。
帰り道、真修のなんになりたいのかと自問しているのは、まだ自分の感情が整理できていないのか。このへんもだもだしているところが、なんとも言えない切なさともどかしさ、そしてリアルさを醸し出している。

そして最後に菜緒が再登場。描写から真修に恋心を抱いていること、聡子がそれに気づいたことが読み取れる。今後重要な役割を演じるのだろう。
しかし、twitterとかskypeチャットとかで何度も言ってるけど、菜緒にはモブでいてほしい。真修の眼中にはないんだから邪魔するんじゃねえ、という感情もあるのだけれど、それ以上に菜緒が絡んでくるとただの年の差恋愛モノに成り下がる可能性があるのを恐れている。常識的に考えたら、真修とカップルになるべきなのは聡子より菜緒。年齢も関係もそれにふさわしい位置づけなのだから、これで菜緒が恋愛感情を持って真修に絡んできたら、菜緒に対し心が動く真修、という描写が出てくることになる。
(出てこなかったら完全に菜緒の空回りで、それはそれで悲惨な役回り)
聡子も大人としての常識から考えて身を引こうとするだろうし、展開が完全に年の差恋愛モノになってしまう未来しか見えてこない。

この作品は、恋愛感情を抱く前にお互いがお互いのことを大切な存在と認識して、必要だと感じる過程が丁寧に描写されているのだから、恋愛漫画になってほしくない。
もちろんお互いが恋愛感情を持つのが自然な展開になっているし、そういう要素は当然あっていいだろうけれど、個人的な意見ながらテーマは恋愛ではなくヒューマンドラマであってほしいんだよなあ。

椎川の場合は、菜緒と違っていろんな役回りがある。
かつての恋人という立ち位置。作中の描写から、まず間違いなく聡子が基礎体温を測る習慣を作った人物だし、おそらく聡子が知る唯一の男。
20歳近く年下の少年に対し、恋愛感情を持てるのかというのは、真修が聡子に抱く感情以上に避けて通れない描写。真修の場合は憧憬から恋心に変わってもおかしくないけれど(これは真修に限らず、そのへんの少年が年上の女性に憧れる感情として、それほど不思議ではない。本気の恋をするかは別として)、聡子が真修に恋心を抱くのは社会的にかなり危険。社会的な常識や倫理観という障害(あえて偏見とは言わない)を乗り越えるために、椎川は一人で全部体現してくれる便利な存在。だから、椎川は今後も重要な存在であり続けると思う。

おそらく次回はまた、聡子が菜緒との会話を通じて年齢差、立場の違いを考えるといった展開になるのだろうが、上記の理由によりそれはあまり見たくない。
まあ、見たくないこともちゃんと描いている、都合の悪いこともちゃんと描写しているのがこの作品の魅力だと思うのだけれど。

27話が収録されているヤンマガはこちら。

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