2008年12月29日月曜日

044 自動車保険の落とし穴

10点満点で、7点。

いざというときのために加入する自動車保険で、いかに被害者が泣かされているか、その理不尽さを告発している。豊富な実例と、何より保険会社を実名であげていることにより、その実態がよくわかる。

自慢ではないが、俺自身被害者側に2回、加害者側に1回立ったことがあり、自動車保険の対応がどういうものかはある程度わかる。この本であげられている、「裁判にまで持ち込むやつはまずいないから、放っておけ」という対応をされたこともある。だから、基本的に保険会社というものは信用していない。

反対に、加害者側に立ってしまったときは、保険会社の対応がどんなものだか知っているから、被害者に自分で連絡して、保険会社には出来るだけのことをしてくれるように自分から頼んだりもした。まぁ嫌な顧客だろうな。

悲しいかな、この本に書いてあることが、決して珍しいケースではない、と言うことを自分自身既に知っているから、さほどの衝撃は受けなかった。しかし、一般への啓発という点で、価値ある本だろう。



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2008年12月24日水曜日

043 この世でいちばん大事な「カネ」の話

10点満点で、8点。

サイバラがカネについて、本一冊まるまる使って書いたのだから、ファンならその時点で買い。
内容は、いつもの黒サイバラの視点ではなく、「毎日かあさん」等で時折見せる、「悲しみを知っているものの暖かい視点」が多い気がする。

自身の貧困生活、乗り越えるためにしてきたこと、乗り越えることが許されない環境にいる人たち、サイバラの「カネ」に対する意識がよく現れていて、他の作品を読むときに深みを与えてくれるだろう。

アジアなどの、貧困が貧困を生む場所で生まれ育った子供たちの日常を語り、「あの子がここから抜け出せる日は、きっとこない」と残酷な現実を隠さず語る、きれい事だけではない文章が、そこらの慈善団体よりもよほど心に響く。

万人に勧められる本ではないと思うが、読む価値はある。
でも、サイバラ本だからね。



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042 毎週かあさん

10点満点で、7点。
帯にでっかく「注 パチもん」と書いてあるのがいい。

のっけから、「自分で自分の著作権を侵害する」とか、「小学館も毎日に黙って出せばいいのに」とか、サイバラ節全開の飛ばし方。

内容は携帯サイトに連載されたカット集で、「毎日かあさん」とは違い、黒い部分が多め。途中のコメントだかに、「こっちの締め切りの前に毎日かあさんの締め切りがあるので、善人部分を使い切ってしまう」とか書いてあるのがまたいい。

普通に楽しめる。サイバラファンなら買い。普通の人にはちょっと勧めにくいかな。



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041 毎日かあさん 黒潮家族編

10点満点で、9点。

人気連載の単行本化、5冊目。
相変わらず馬鹿な(褒め言葉)、サイバラ一家と周囲の人たちを活き活きと描く、9割の笑いと1割の悲しさをうまくブレンドさせた絶品。

もう5冊もやってて、いまだ衰えを知らないパワーを見せてくれるのがすごい。多分これ、連載が終わるまで、ずっとこのパワーが続いてしまう気がする。

サイバラの漫画は好みが分かれるだろうが、これは万人にお勧めできるだろう。賞だっていろいろ取ってるし。



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2008年12月14日日曜日

040 コワ~い土地の話

10点満点で、7点。

奥さんの実家で、「もう読んじゃったからあげる」ともらった。
同時に保険に関する本ももらい、「金を貯めて家を建てろと言うことか?」と勘ぐってみたり。

本書は、不動産取引に関する落とし穴について、実例を取り上げて警鐘を鳴らしている。
著者のプロフィールを信用するなら、不動産業界の人物であり、「売る側の理論」が紹介してある。

いかに売る側に不利な情報を隠すか、突っ込まれないように説明するか、そこに気づかなかった客はどんな目に遭うか、第三者の視点で読むと面白い。当事者であれば洒落にならないだろうけど。

法に触れない範囲で不利な情報を極力隠し、何とか客をだまくらかし、契約してしまえばこっちのもの。そこまで露骨には書いてないが、そう考えているとしか思えない業界の動き方が読み取れ、なぜか「ナニワ金融道」を思い出した。

なかなか面白い。少なくとも時間はつぶれるし、これから土地を買うつもりのある人は役にも立つ。



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