10点満点で、8点。
サイバラがカネについて、本一冊まるまる使って書いたのだから、ファンならその時点で買い。
内容は、いつもの黒サイバラの視点ではなく、「毎日かあさん」等で時折見せる、「悲しみを知っているものの暖かい視点」が多い気がする。
自身の貧困生活、乗り越えるためにしてきたこと、乗り越えることが許されない環境にいる人たち、サイバラの「カネ」に対する意識がよく現れていて、他の作品を読むときに深みを与えてくれるだろう。
アジアなどの、貧困が貧困を生む場所で生まれ育った子供たちの日常を語り、「あの子がここから抜け出せる日は、きっとこない」と残酷な現実を隠さず語る、きれい事だけではない文章が、そこらの慈善団体よりもよほど心に響く。
万人に勧められる本ではないと思うが、読む価値はある。
でも、サイバラ本だからね。
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