2010年8月28日土曜日

068 / 348 「普天間」交渉秘録

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・3時間程度

最近普通に読んでばっかり。フォトリーディングの再受講行ってこようかな。

さて本書は、「防衛省の天皇」とまで呼ばれ、事務方トップの次官を異例の4年も務めた、守屋による暴露本(と言っていいだろう)
登場人物はすべて実名で書かれており、また政治家に実務家が振り回されているのがよくわかる。

内容がなかなか面白く、またリアリティがあるので、

・一方の当事者が自分の視点から書いたもの
・守屋は山田洋行を巡る収賄を巡る事件で、実刑判決を受けた人物であること(現在最高裁に控訴中)

を意識しておかないと、鵜呑みにしてしまいそう。
ちなみに本書をそのまま受け取ると、

・安全保障についてきちんと意識を持った政治家は、悲しいことにほとんどいない
・小泉純一郎は、やはり希代の名宰相。物事の本質、重要なところをきちんと見抜いている
・評判が悪かった森喜朗、安倍晋三の両宰相も、結構わかっている
・あのゲル大臣(石破茂)も、守屋から見ると穴だらけの存在
・政治家は、せっかくいいところまでいった話をひっくり返す
・麻生、町村といった人物は視野が狭い
・久間章生、小池百合子の両防衛相は、ほぼ最悪と言える人事。特に久間は、絶望的にダメ
・久間はもしかしたら、田中真紀子レベルの害人かも知れない
・中川秀直も酷い。邪魔するだけ
(個人的には、安倍内閣以降選挙で惨敗を続けた一番の戦犯は、中川だと思っている)
・沖縄に、誠意というモノはない。利益のためには嘘もつくし、合意もひっくり返す
・普天間移転が進捗しなかったことは、ほぼ沖縄のせいだと言っていい

といった感じ。読んでいてなるほどと思いながら読み進めたので、違う視点から書いた本も読まなければ、本書だけで思想ができあがってしまいそう。

ちなみに本書の記載では、午前2時過ぎまで仕事して、翌朝7時前に登庁というケースが普通に出てくる。
こう言うのを見ると、官僚は悪だとか、そういう主張はどうかと思うなあ。まずはキャリア組にまともな労働環境を提供し、きちんとした報酬を与えないと、「普通に仕事するだけでは割に合わない」と思わせてしまうのではないかなあ。



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