2011年8月13日土曜日

022 / 388 エレクトリックな科学革命

10点満点で、8点。

何気なく手にとった本だが、大当たりだった。
電気技術のうち、主に通信と無線、いわゆる弱電に焦点を当てている。照明はエジソンのエピソードでいくらか語られている程度、動力についてはほぼ触れていない。

技術そのものというよりも、その開発に貢献した科学者、技術者のエピソードを中心に語られている。電信技術の基礎を開発したヘンリー、その成果を掠めとったモールス。自らの知識と技術を惜しみなく伝えたヘンリーは最高の科学者として尊敬され、他人が開発した技術の特許をとって財産を築いたモールスは、引換に死ぬまで特許訴訟を抱え続けて尊敬されなかった。
(ヘンリーはインダクタンスの単位としても名前を残している)

このほかもエジソンを始めとして、著名人のエピソードは、なかなか面白いものが多い。多くの場合、知名度の高い人物については、従来のイメージを覆すような悪いエピソード(エジソンは他人のジャマをすることで財産を創り上げたとか、ショックレーはトランジスタ発明の名声を奪い取り、彼を嫌った技術者たちによってシリコンバレーが創られたとか)が紹介されている。反面、電気技術では重要な貢献をしながら、一般的な知名度の低い人物については、親しみの持てるエピソードを多く取り上げている。

解説は丁寧なので、電気に対する知識が少なくとも、読むことについてはあまり支障がないだろう。
それでいて実はかなり深い解説をしていたりするので、真剣に読めばさらに得るものも多い。電気技術について語られた本で、電気と神経の関係にまで語った本なんてそう多くはないだろう。異色の本。


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