10点満点で、8点。
小学4年生から6年生の間、豚を育て、そして食肉センターに送るまでの「命の授業」をした記録。
考えさせることも多く、「良い授業」だとは思うが、「素晴らしい授業」だとは、手放しで言えないと感じている。
それは、この教育を主導した教師(本書の著者)の、確固たる意志が感じられないことによるものだと思う。難しい題材だけに、教師自身も悩みぬいたことは読み取れるが、それだけに覚悟なくして子供たちを巻き込んでしまったように思えてならない。
結果としては良い授業になったと思うが、それはあくまで結果論。展開次第では、子供たちに深い心の傷を負わすだけの授業になってしまったリスクも高かったと思う。何を考えさせるのかきちんと考え、道を外れそうになったらどうするのか、少なくとも指導者の側がぶれてはいけなかった題材だと思う。
生き物の命を奪い、食べるということについて深く教えることについては異論がない。必要だし、素晴らしいことだと思う。しかしそれだけに、取り扱いには注意が必要だとも思う。結果としてうまく行ったが、毎回こういくとは限らない。だからこそ、この授業は継続されていないのだろうな、とも思う。
どうでもいい話だが、俺は魚釣りが大好き。
家庭の事情により現在は行っていないが、事情が許せば毎日だって行きたい。
しかし、海釣りは大好きだが、川やダムなどの淡水はあまり好きではない。それは、釣った魚を食べるか否かによる。淡水魚だって食えるが、臭みがあってあまりうまいとは思わないからね。
命を相手にする遊びだから、命を奪う遊びだから、釣った魚は食べてやりたい。
本質的には同じ事なのかな。
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