2012年4月7日土曜日

007 / 398 コンテナ物語

10点満点で、8点。

分類に困る本。世界を変えたコンテナについて、その登場と普及するまで、そしてコンテナの登場で世界がどう変わっていったのかを克明に追っている。

本書を読むまで知らなかったのだが、「大量の貨物をコンテナで運ぶ」というスタイルが出来上がって、まだ50年ほどしか経っていないのだな。規格サイズのコンテナを船に詰め込んで、陸路もそのままコンテナを運ぶ。今や日常的に目にする光景だし、合理的だが単純なアイデアなので、もっと昔から存在するのかと思っていた。

コンテナの普及過程では、アメリカの規制当局がいかに頑迷か、嫌というほどわかる。画期的なアイデアが出てきても、陸運業界、海運他社、労働組合など、様々な組織の要望を受けて許可しないし、自由競争もさせない。これが自由の国アメリカなのかとにわかには信じがたい。今は変わったのか、それともこれが本質なのか。港湾当局も新しいことを認めないが故に、かつての大規模港が、近隣のコンテナ港にあっという間に取って代わられるケースも多数。

標準化と規格化の国というイメージもあったのだが、コンテナ規格化までの紆余曲折も凄い。実務をわかっていない人物が役に立たない寸法を決めたり、各社が自社コンテナの寸法を取り入れようと鎬を削ったり。

コンテナは物流を変えただけでなく、世界のあり方も変えている。戦争の進め方も変えているし(ベトナム戦争がそのスタートだ)、輸送コストの低減から、産業構造まで変えている。まさに「世界を変えた」という表現がふさわしい。

ややボリュームは多いが、面白い本。

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