10点満点で、5点。
読者対象がよくわからない本。
「数学が苦手だった人、嫌いだった人にこそ本書を読んでほしい」と書いてあるが、数学独特の用語が説明なしに使用されていたりして、結局数学が好きな人(得意な人とは限らない)でないと読みにくい本になっている。
例えば、
・10cmの線分に含まれる点の数と、アンドロメダ星雲の直径分に含まれる点の数が同じ
-> 無限の意味がわかっていないとなんのことだかわからない(密度の濃い無限と薄い無限)
・CTスキャンに三角関数が活用されている
-> 具体的にどうという記述がないので、なんの理解も感動もない
・ユークリッド幾何学と平行線の公準
-> 公準とは何か(証明できず無批判で受け入れる前提)の言及がないので、何が問題なのかわからない
などなど・・・
結局、もともと数学に関心があって、ある程度基礎知識がある人でないと読みこなせない本になっている気がする。そして、そういう人にとって見れば、目新しいことは何もない。数学の応用例はいくつか紹介されているが、CTスキャンの話に挙げたように、具体的な記述がないので、知識が増えるわけでもない。
中途半端な本。買って損した。
にほんブログ村書評・レビューランキング
0 件のコメント:
コメントを投稿