2019年10月21日月曜日

FC版Wizardry #1 001 旅立ち

さあ遊ぶぞ、というわけで一応自分ルールを決める。と言っても大したものではない。

  • ノーリセット
  • キャラメイク時のボーナスポイント厳選も不可
  • 属性は基本的に尊重する
  • それ以外できることは何でもする

最初の2つは当然として、属性についても一応。
#1は悪シリーズの装備が強いので、ある程度育ったら侍だろうがロードだろうが悪にして、悪装備で身を固めるのが定番だと思う(違う?)
でも一応、悪シリーズが強いのは「パーティに侍もロードもいない」という前提があるだろうから、と考えて、原則禁止。
原則と書いたのは、遭難したパーティの救出で善悪混成を組むことはあるだろうし、そのときに属性が変わってしまったら基本的にもとに戻す方向で調整すること。それと、多分将来的に悪のロードを一人は作る。「ロードになるために善を騙った」と解釈することにして。でもこれくらい。
なので、昔遊んでた頃は中立のキャラなんて作らなかったけど、今回は普通に作る。特に遭難救助パーティだと活躍するし。
アイテムについても、善のパーティが「あくのよろい」とか見つけても、悪のパーティにただで渡したりはしない。一方がカシナートを拾っても、他方が「けん」のまま戦っていても、それまで使っていた「まっぷたつのけん」を渡したりもしない。ボルタックに売るし、必要なパーティは買う。もちろん、一緒にパーティ組んでるときに拾ったものは、パーティ内でベストのキャラに持たせるけど。

できることは何でもする、というのは、プレイヤーの知識は使うということ。
何も知らないふりしてマッピングしたりしないし、マーフィー先生やマピロ先生も活用する。玄室モンスターにうざいのが出たら逃げる。ドレイン食らったらマロールで逃げたりもする。でも当然、マロール逃げが使えない状況だったら甘んじてドレインを受け入れる。たとえそれが、バンパイアロードに4レベル下げられたものでも。

さてそれではキャラメイク。リセットなしなら普通に全滅があるので、最初からそれを想定して善のパーティ、悪のパーティ、救助部隊用キャラと18キャラ作っちゃう。

ボーナスポイントの厳選を行わなかったので、初期ステータスはひどい。
ボーナス5とかのキャラ、普通の訓練場なら「適正なし」として追い返されてそうだが、今回は採用。予め編成を決めてから作ってたので、善のパーティでくれあらしるの25ポイントが無駄に光る。侍にしても良かったんだけど、そうすると前衛が余っちゃうので、予定通りビショップに。実はここだけ、ボーナス5が出てビショップの予定がなれなかったので降り直している。このせいで、悪のパーティのビショップ、らぶすぽーつは人間の予定だったっがエルフにした。
ぽかりすえっとはドワーフでボーナス18を叩き出したので、戦士の予定だったが侍に。
またどういうわけか、戦士キャラがことごとく金を持っていなかったせいで、剣と盾だけというやつ続出。

とりあえず善と悪のパーティで1回ずつ迷宮に潜ってみたら、悪のパーティでは最初の戦闘でいきなりアンデットコボルドに先制されて僧侶のあみのさぷりが死亡。1ゴールドも稼がないうちに死体になって、PTはもっと貧乏に。並び順を換えて盗賊を前に出したら、今度はオークに先制されて盗賊のえねるげんが死亡。こっちは先が思いやられる・・・

名前 種族 属性 STR INT PIE VIT AGI LUC BP HP 職業
ぼらぎのーる HUMAN GOOD 12 8 7 11 8 9 9 13 FIG
ろきそにん DWARF NEUTRAL 15 7 10 11 5 6 6 10 FIG
めんそれーたむ ELF GOOD 7 10 11 14 9 6 9 8 PRI
おろないん HOBBIT NEUTRAL 6 7 7 10 12 15 7 6 THI
なろんえーす GNOME GOOD 7 11 10 10 10 7 6 5 MAG
くれあらしる HUMAN GOOD 8 13 13 15 12 10 25 3 BIS
げーたれーど HUMAN EVIL 12 8 5 12 8 9 8 11 FIG
ぽかりすえっと DWARF NEUTRAL 15 11 10 14 10 6 18 18 SAM
あみのさぷり GNOME EVIL 8 7 12 13 10 7 8 7 PRI
えねるげん HUMAN EVIL 12 8 5 15 13 9 16 6 THI
あくえりあす ELF EVIL 7 12 10 13 9 6 9 4 MAG
らぶすぽーつ ELF EVIL 7 12 12 10 9 6 8 8 BIS
くろれら DWARF GOOD 15 7 10 13 9 10 16 10 FIG
ようめいしゅ HUMAN NEUTRAL 12 8 5 9 8 9 5 11 FIG
あろえ GNOME GOOD 8 7 11 13 10 7 7 10 PRI
すぴるりな ELF EVIL 7 10 11 10 9 6 5 9 PRI
みどりむし HUMAN EVIL 8 11 5 13 8 9 8 6 MAG
とうちゅうかそう HUMAN GOOD 8 11 5 10 8 9 5 3 MAG

自分用メモ:FC版Wizardry #1を遊べるようになるまで

※この記事は合法的にFC版Wizardryを遊ぶためのものであり、違法行為を助長する意図はありません。

twitterでいろいろ書いていたら、どうしてもFC版Wizardryを遊びたくなってしまったので、色々調べて遊べるようになったのでメモ。
何年も経って、PCも新しくなったあとで「また遊びたい」と思ったときのために。

■違法性

調べてみたところ、

  • 自分が所持していないROMカートリッジのデータを入手するのは違法(当然)
  • ROMカートリッジを持っていても、自分のROMカートリッジから吸い出したデータでないと違法(の可能性が高い)
  • データを吸い出す際、プロテクトがかかっているのを回避して吸い出すのは違法
  • エミュレータは、BIOSなどのプログラムに実機から吸い出したものを使っていると違法、自分で所持する実機から吸い出して補填するか、スクラッチで作ったものであれば大丈夫

といった感じだったので、ROMだけ入手しても、ROMイメージをどこからともなくダウンロードしてくるのは違法。
どうしても遊びたければ、自分でROMイメージを吸い出す必要がある。
書いたとおり、プロテクトがかかっているのを吸うのは問題がありそうなので、CDとかDVDとかのメディアで提供されているソフト(PSとか)は、合法的にエミュレータで遊ぶのは難しいのかもしれない。今回は関係ないけど。

吸い出し機はいろいろ存在するようだが、フリーで回路図が公開されているkazzoというものがあった。
最初は自分で作ろうかと思ったけれど、回路図を見てもさっぱりわからなかった。詳しい知人にお願いしようとも思ったけれど、プリント基板を用意しないと半端なく大変そうなのでこれも見送り。完成品を販売しているところがあったので、お金で解決することにした。ROMはメルカリで入手。


■セットアップ
ドライバのインストールは、販売店のblogを参照して実施。
でもちょっと躓いたのでメモ。
対象のデバイスに "kazzo" と出てるはずが、出てこない。Options -> List All Devices をチェックすると出てくるようになるので、デバイスで "kazzo" を選択。ドライバに "libusb-win32 (v1.2.6.0)" を選択してインストール。
一応、成功したかどうかデバイスマネージャで確認しておく。


■吸い出し
吸い出しも販売店のblogを参照して実施。"anago wx.exe" を使う。
カートリッジは逆差し防止がないので、向きに注意。LEDランプがついている方が前。
"ROM image" のところに吸い出す ROM のファイル名を入力して "dump" で吸い出し開始。吸い出し自体はできるものの、どうも正しく吸い出せていないらしい。エミュレータで読み込んでも、起動しない。
"script" を "mmc1_skrom.ag" に変更して "dump" すると、下の欄に "name:ウィザードリィ" と表示されたので成功っぽい。エミュレータでも起動に成功。


■エミュレータ
これは違法性のところに書いたとおり、実機から吸い出したプログラムを含んでいるものはアウト。
今出回っているものは多分大丈夫だと思うけれど、ソースを見たりプログラムを解析したりして確認したわけではないので、どのエミュレータを使ったかは書かない。

■パッチ
FC版Wizardry#1には、かなり深刻なバグがある。当時は全然気が付かなかったけど。
有名かつ深刻なものとしては、キャラクターのACが機能しない(殴ってくる敵のACが参照されている)ものと、「ささえのたて」がパラメータ設定ミスにより基本的に出ない(何らかのバグが生じた場合のみ出る)というもの。
これらを修正するパッチが有志により公開されているので、これを当てる。パッチはいろんなのがあって、石垣環コミック版のイメージを再現したもの(フラックとレイバーロードが同時に出てくるなど)もある。ちょっと気になったけど、あまりにオリジナルのバランスからかけ離れすぎているので、懐古主義の今回のテーマからは合わないためスルー。今回当てたのは、ACバグ、罠解除率バグ、倍打バグ、防御効果バグ(パリーが機能してないのかな?)、誤字修正、ささえのたて入手可能という修正のセット。ささえのたては、AppleII版では結構いろんなモンスターが落とすらしく、それに準拠してるようなので結構入手は簡単かもしれない。

さあ旅に出るぞ!

2019年9月26日木曜日

私の少年 第33話 棘(ネタバレ感想)

【感想・考察】
ついに聡子が真修に、自分の本心を語る時が来た。
もしかしたら、聡子が本心を語るのは、真修が初めてなのかもしれない。少なくとも家族には語らないだろうし、椎川にも語ったことはないのだろう。

相変わらず展開に雑なところはあるけれど、聡子と真修の会話で成り立っているぶん、あまり目立たない。そして今回は、内容がいい。。。いい。。。
聡子が溜め込んで溜め込んで、それでも真修には「何でも話して」と、作り笑いをしながら真修の心配をする聡子。ところが真修に「いっしょに帰ろう」と声をかけられた途端、一気に目線が真修と同じ高さになる。今回は真修が大人に、聡子が中学生になる描写がちょこちょこ出る。これはお互いにとって相手がそう見えているのか、それともそういう心境で話をしているのか、どちらなんだろう。最初に聡子が中学生になるのは、恐らく聡子自身の感覚が中学生になったんだろうけれど、その後はどちらとも解釈できるからよくわからない。

しかし今回は、真修がイケメンっぷりを発揮しすぎて心が痛い。こんなん完璧すぎるやろ。
前回聡子が涙を流したとき、心臓の音を聞かせて癒やすのは真修の役目だと思っていたけど、今回は真修が聡子を泣かせてしまった。真修は聡子を泣かせすぎ。いやそれがいいんだけど。

今回は本当に、うまく語れない。ただひたすらに、いいなーという読後感。読み直しても変わらない。
聡子の心にあった最大の壁は壊れてしまったから、次回以降は困難を二人で乗り越えていく展開になるんだろう。まだ元樹の問題は解決していないのだから、今後は元樹を始めとする周囲の無理解や妨害に対し、二人がどう対峙していくかという話になると思うのだが、ここまで心が結びついていたらどんな困難が出てきても比較的安心して読めそう。うんうん、今は苦しいよね、でも必ず乗り越えられるから、と変に高い視点から読んでしまいそうだ。

高野先生が一番書きたかったというのは、このあたりの心の機微なのかな。

33話が収録されているヤンマガはこちら。

2019年8月28日水曜日

私の少年 第32話 親子(ネタバレ感想)

【感想・考察】
これまではっきり描写されていなかった、聡子と真修の家庭環境が明らかにされてきた。
されてきたのだが、これまでの内容から違和感をおぼえることもあり、まだ読みこなせていない。

聡子母、仮にK子としておこう。
K子の思考回路がわからない。前回の引き、「娘に何してんのよ」のあと、聡子を問い詰めるのがまず意味不明。その後、八島を家に上げているのに至ってはもう、どういう展開になったらそうなるのか想像もつかん。達郎だっているんだから、家じゃなくてせめて外の店だろう。「外でする話じゃないから」とかの展開なんだろうが、聡子もまゆもあの流れなら大反対だろ。まあ、話を聞かない性格、というのを描写したのだろうけれど。
その後の話でも、全面的に八島の味方をしている理由がわからん。聡子の話を全く聞いてないじゃないか。
聡子のことを「本当にお父さんの子どもだわ」というK子、父親からは「男性関係で問題を起こすとは母さんの子どもなんだな」といわれる。つまりどっちからも、(血縁はともかく)自分の子ではない、と言われているに等しい。聡子には、理解してくれる人がいる、帰るべき家はないという描写なんだろう。唯一理解を示し、少なくとも敵ではない存在のまゆは、一年後にいなくなることが明言されているわけだし。

真修父の描写はもっと謎。
家庭のことには全く関心がないような反応なのに、「家が乗っ取られてる」とかこぼす。いやお前、乗っ取りを心配するほど自分の世界作れてなかっただろ。混沌が自分の世界とでもいわない限り。
真修に対する態度も、「義理の息子」に対する態度にしか思えない。

今回一番の謎がこれ。
真修が「遼一のお母さんも野菜って苦手だった?」と聞いているから、真修と遼一の母親は別人であろうことが暗示されている。
元樹がゆきを思い出して、真修は「本当に母さんの子どもなんだな」と言っているから、真修の発言と併せて、二人にとって単に母さんという表現をしたときは、ゆきのことを指していると思われる。家に仏壇があったし、そもそもゆきの母親がばあちゃんとして来ていることを考えると、元樹の最後の妻はゆきなんだろう。

しかし、26話「告白」では、遼一が幼児の頃の写真が登場している。乳児といってよさそうな年頃。真修は3~4歳位か。もしもゆきが遼一の母親でないのだとしたら、元樹は何らかの事情で前妻と別れ(最短だと、遼一母は遼一を生んだときに落命したのかもしれない)乳児の遼一を連れてゆきと再婚したのか。どんな別れ方であれ、そんなにすぐ再婚できるほど割り切れるものなのか。
真修も当時は元樹によく懐いているような写真。持ち前の素直さで、ゆきがいた当時は元樹にも心を許していたという描写(そしてゆきが亡くなってから、元樹との関係が崩れていったという暗示)なのかもしれないが。
だが同じく26話のばあちゃんの反応では、遼一もゆきの実子に思える。

仮に、真修がゆきの連れ子で、遼一は元樹とゆきの間の子だとすると、真修の発言が意味不明になる。
しかし、牛乳を買うときの描写に遼一が存在しないことを考えると、恐らく遼一はゆきの子なのだろう。ゆきの実家は遠方だし、元樹の実家も乳児の遼一を預けられるほどの近くとは考えにくい。だとしたら、現在ばあちゃんではなく、元樹の実家にヘルプを頼んでいておかしくないし。この当時もばあちゃんが来てくれていた可能性もあるが、「ゆきがいたころはたくさん写真を送ってくれた」という発言をしていたから、恐らくあまり一緒にはいなかったのだろう。

結局遼一の母親は誰なんだ。納得できる解釈が思いつかん。

今回のテーマは、聡子も真修も、家は帰るべき安住の場所ではないということなのだろうか。
ふたりとも、親から子ども扱いされ、それに反発している。それに、子ども扱いしていながら、子供のことを理解しようとしていないことも共通。

【追記・訂正】
真修は元樹に声をかけているから、真修は家族も大切にしたいのかもしれない。親から自由になろうとする聡子と、親とともにいたい真修の対比なのかもしれぬ。
【追記終わり】

つまり、ふたりともお互いを必要としている、ということなのだろうな。
それはそれで説得力のある話なんだけど、個人的には「選択肢は他にもあるはずなのに、自分たちの意思で一緒にいることを選ぶ」という展開になってほしいなあ。現状だと、一緒にいる以外は心の安寧が保てない環境なんだもの。
あくまで個人的な意見なので、もちろんそれを望まない人も多いだろうし、高野先生はきっと別なことを考えているのだろうけれど。

もう一つ気になったのが、聡子の「結婚も妊娠も選択していい歳なんでしょ」という独白。
女性の感覚はわからないんだが、「妊娠」っていう表現使うかなあ。「結婚も子どもも」と言わないのかな。基礎体温を測る描写の伏線はまだ回収されていないし、聡子は妊娠した経験があるのだろうか。ないと思ってるんだがなあ。

最後に、結婚詐欺動画は予想外に、和樹が最初に発見。真修ではないと思ったが、和樹だと聡子のことを知らないから話は広がらないと思っていた。まさかモノマネとは。
そして多分、次回は真修が聡子にLINEを投げても既読がつかず、電話をしても繋がらず、悶々とするのだろう。聡子はスマホを壊しちゃったからもうコンタクト取れないし。いや画面割れただけかもしれないけどね。

おまけにどうでもいい話、聡子の泣き顔が「ちいさい女の子のよう」に見えた。意図的な描写なんだろうか。

32話が収録されているヤンマガはこちら。

2019年7月28日日曜日

私の少年 第31話 年明け(ネタバレ感想)

【感想・考察】
迷走を始めてしまったんだろうか。
前半、というか大半は展開が動いて、これからどういう物語になっていくのか方向性が暗示されたと思ったのだが、最後に話が変な方向へ大きく動いてしまった。

新年、実家で過ごす聡子のモノローグから始まった今回。聡子視点は久しぶり。12月に上京したばかりだから帰省しないだろうと思っていたのだが、まゆの影響で帰省している。そのきっかけは、第14話で名前だけ登場したまゆの彼氏、達郎の存在。法曹関係の仕事をしているということで、聡子が洗いざらい相談する決心をしたから、らしい。
まさかここで達郎が出てくるとは思わなかった。9月だか10月だかにできたばかりの彼氏をほっといて12月には東京に移住してしまうくらいだから、あっさり別れたもんだと思ってたのに。それも、聡子と真修に何があったのか、きちんと相談する最初の人物として登場するとは想像すらしていなかった。まゆの(見かけ上の)チャラさ、なんとかプランナーというふわっとした肩書から、広告やマーケティングなどの華やかな世界にいる人物だろうと想像していたのだが。

聡子は相談する過程で、真修について「ただそばにいたい」と表現している。これはもう母性だよなあ。22話では恋愛感情を意識したような描写があったけれど、その感情はさほど大きくなかったのか、押し殺しているのか、それとも母性が大きく上回っているのか。
まゆの感想からは、「聡子が恋愛感情を持っていると判断するのは間違い」と受け止めたのであろうことが読み取れる。

そして最後、これも14話以来となるクソ野郎、八島の再登場。聡子のことを結婚詐欺師呼ばわりして泣き叫び、動画を投稿される。
読者の誰からも、二度と登場しない人物だと思われてたんじゃないか。今回もフォローのしようがないクソ野郎っぷりを見せつけていたけれど、多分これは深堀りされないんじゃないかなあ。聡子の感情としては歯牙にもかけていないだろうから、生活の平穏を乱すことはあっても、感情をどうこうするわけではないだろうし。単に投稿された動画を発見した真修が、「聡子は結婚を意識する年齢」という現実と向き合う、その布石以上の存在ではないような気がする。もしかしたら、次回以降はもう名前だけの登場で、本人は出てこないかもしれない。

しかしここ最近の話、アラというか気になる点が増えてきた。
以前は緻密に計算された、詰将棋のような話の展開だったのに、最近は無理のある展開や変な設定が多い。今回も、気になる不自然なところがいくつか。

  • まゆは何について「ひとりで解決しようとしてる」と言ったのか?
  • 聡子が解決したかったのは真修の家庭環境だし、それは現時点でかなり改善されているというのは聡子もまゆも認識しているはず。 なので、今の時点では「聡子がどうしたいのか」は問題になるけど、「解決する」ことはないのでは? 一体どういう話し方をしたのか?
  • 元樹対策なしに帰省したのか?
  • 年末年始は元樹が帰宅してくる可能性は高いし、そうなると聡子の話が耳に入る可能性はそれなりにある。真修がばあちゃんにどういう口止めをしたかはわからないけど、「お見舞いに来てくれたことは伏せて」という内容であったら、ばあちゃんが知り合った人という内容で話題に登ってもおかしくない。それこそ、「カラオケで知り合った若い友達のお姉さんが、なんと真修のコーチだったのよ」なんて話すのは不自然でもなんでもない。 あるいは、遼一の口から伝わってもおかしくない。遼一が聡子の存在に気づいていないというのも不自然だし。 達郎に相談したとおり、聡子が元樹と対峙するのであれば、聡子から先にアプローチしないと話すら聞いてもらえないリスクは高い。それこそ、ばあちゃんなり遼一なりから聡子の存在を知った元樹がヨネサスに「あの女、戻ってきたかと思ったらもう真修にちょっかい出してる」なんてクレームを先に入れられた日には、もうどうにもならんだろう。
  • 八島動画はどこから撮影されてる?
  • 予めスタンバイでもしてない限り、結婚詐欺師だとか騒いでるところなんてそう簡単に撮れないと思うのだが・・・せいぜいまゆが突き飛ばされたあとからだろ。まあここは話の都合上、きれいに撮影されてるんだろうけど。

高野先生が以前書いていた、「本当に書きたいことは30話前後の話」ということを考えると、次回~次次回あたりが山場になるんだろうか。
29話、30話を読んでいると引き伸ばしが始まった印象を受けたのだが、今回は急に動いた。クライマックスが近づいてきたのだろうか。

「普通こうなるよね」という結末にはしない、とどこかのインタビューで答えていたし、「大人と子供がただそばにいる関係」が円満に成立したら、それは確かに普通ではない。でもそれって、二人は本当に幸せなのかなあ。

31話が収録されているヤンマガはこちら。


2019年6月26日水曜日

私の少年 第30話 アクセサリー(ネタバレ感想)

【感想・考察】
前回、もしかしたら真修の掘り下げが続くかもしれないなあ、なんて書いていたらまさかのそのとおりだった。
内容からすると、こういう予想は当たってほしくなかったなあ。

真修視点どころか、まさかの菜緒視点。17話以来で、17話は菜緒視点で描きつつも真修に影響を与えた回。でも今回は、単に菜緒が真修のことをより深く知った、それだけの回。
真修にとっての普通が、周囲にとっての普通ではないということがはっきり描かれていたこと以外、特に今後に影響するような描写はなかった。

強いて言うなら、真修にとって菜緒はone of themに過ぎないというのがより明確に描写されたくらいかなあ。男女で一緒にいても、それは男同士、女同士と特に変わらない「普通」だと言い切り(事実上菜緒が恋愛対象として眼中にないと宣言しているようなものだ)、手作りのプレゼントを菜緒に渡したかと思えば他の人にも気軽に配る。菜緒は、そんな真修もいいな、と眺めているだけ。

「ただ一緒にいるだけの関係」と呟いたのは聡子のことを指しているのだろうけれど、他人から干渉してほしくないということなのだろうな。少なくとも父親の干渉によって引き離された事自体は認識しているのだし、聡子のことは好きだとはっきり言っているし、「失恋した」とも表現しているから、昔のように本当に一緒にいるだけの関係を取り戻したいわけではないだろう。

全体的にはかつてのスピード感が失われてしまったし、これまでの内容からも十分読み取れる心理描写。
この作品、ヒューマンドラマと受け止めて読んできたけど、恋愛漫画に舵を切ったのだろうか。それとももともとそういう作品で、俺が勝手に思い違いをしていたのか。
少なくとも菜緒の言動で真修の何かが変わったという要素はなさそうだから、単に菜緒が空回りしているのをアクセントとして入れただけに見える。29話と30話、2つ合わせて一つの話にしてもいいくらい、これまでの展開から比べたら内容が薄く感じてしまった。今後話の展開が進んでいくと、この回に込められた伏線が明らかになっていったりするのだろうか。そうだといいけどなあ。

聡子が登場しないで、クリスマスからの展開がダラダラと続いているのが嫌な感じ。
これから急転直下に重い展開が待っているのか、という恐怖を感じる。2話に渡って聡子の描写がないと、この間聡子が何を考えているのか、気になるな。
真修父との対峙について考えているのだろうか。

2019年5月30日木曜日

私の少年 第29話 うさぎ小屋(ネタバレ感想)

【感想・考察】
年末年始にかけて、真修父との対峙が描かれるだろうと予想していたら、まさかの日常回。それも前回別れた直後から始まったので驚いた。
それでも、今まで省略できるエピソードなんて一つもないから、多分今回も重要な伏線が張ってあるのだろう。微妙に伏線回収っぽいのもある。

聡子ともっと一緒にいたかった、と思いつつ、聡子の変化を感じ取っていた真修。聡子自身が変わっていたのはまず間違いないし、真修にとっても「神」からより近い存在になったのだろう。まあ真修は聡子のことは異常に観察眼が鋭いから、まゆの影響がなくても気づいていたとは思うけれど。
パーティに戻ってきた真修は、みんなにちゃんと受け入れられて、不在の間を取り返す配慮までしてもらっている。6年生の頃は空気のような存在だったのに、今は仲間ができて、大切にしてもらっている。聡子の言葉が腑に落ちて、周囲を見ることができるようになった様子が描写されている。せっかく戻ってきたのに、菜緒がどういう反応をしていたのかはごっそりカットされているけど。

そして冬休み初日。2018年のカレンダーなら12/23が初日だろうけど、クリスマスパーティのあとだから12/25だろうか。もしかしたら12/26か。いつにしたって、冬休み初日に自己分析以外の課題が全部終わってるとか、どれだけ宿題終えるの早いんだ。
聡子に相談しようかと考えて、躊躇しても結局電話してるところとか行動がわかりやすい。省略されただけで、それなりに悩んだのかもしれないけど、多分すぐ電話してる。

うさぎの話を聡子がなんで知ってるんだろう、聞いたのはまゆのはずなのにと思って調べてみたら、前回菜緒の買い物に付き合ったときに菜緒から聞いてるんだな。聡子のことなら何でも覚えてる真修が違和感を感じなかったのか。まあ描かれてないだけで話してるのかもしれないけど。

遼一は相変わらず、真修と相容れなそうな性格。自分のことにしか興味がない感じ。真修父が放置してきた影響が出てるんじゃないかなあ。

正直、過去のうさぎのエピソードがあまり重要とは思わないし、これまでの詰将棋みたいな緻密な展開から、今回の話はクオリティが下がってると感じる。
でも多分これは、4巻のあとがきに書かれていた、「真修を人間にしてやれた」ことの一環じゃないかなあ。聡子と出会う前のことが語られたことって殆ど無いし、記憶そのものが封印されてるかのような描き方がされてきてた。それが初めて、聡子と出会う前のことを聡子がいないところで思い返しているし、なんというか真修が過去を取り戻しつつある気がする。
それに、聡子と再開して以来、真修が聡子の事以外を考えたのは初めてじゃないか。真修が普通の少年になって、聡子に対する視線が変わっていく様子が描かれるんだろうか。聡子ファーストという軸はぶれないまま、周囲との関わりが描かれるだけの気はしているけど、ここにきて日常の変化を掘り下げてきたのだから、もっと深く描かれるのかもしれない。

聡子もまた、「息をしてるあいだずっと」真修のことを思っている状態から脱却するのかもしれない。
次回は聡子視点の話なのか、真修視点の話なのか、どちらにしても楽しみ。

29話が収録されているヤンマガはこちら。