2011年5月6日金曜日

018 / 384 頭脳勝負

10点満点で、8点。

将棋を、数学・パズルに分類していいのかな。

史上4人目の中学生棋士としてデビューした、渡辺明永世竜王の著書。
(本書執筆時点では、永世竜王の称号は獲得していないが)

ボナンザとも戦った著者が、将棋の魅力、将棋の奥深さ、そして将棋を見る楽しみについて語っている。スポーツと違い、頭脳勝負の将棋は「知らないと楽しめない」箇所が多いが、そんなことはないんですよ。見て楽しめるものですよ、と語りかけている。

とはいえ、将棋を楽しむにはせめて、局面の有利不利がわかることが必要。もちろんどこまで先を読んで判断できるかということがそのまま棋力になるのだが、一目でわかる局面くらいは判断したい。どういう見方をすればいいのか、本書にはそのとっかかりが書いてある。駒の動かし方すら怪しい俺には、本書の丁寧な解説でもまだわからないところがとても多いのだが・・・

プロになるまでのハードル、収入、女流棋士やアマチュアとの実力差、封じ手の攻防といった話題から、「和服は高いからスーツのほうがいい」といった話まで、将棋を身近に、そして一歩深く楽しむための導入書。将棋そのものの入門書ではないので、興味のある人が読み物として手に取り、そして次に将棋入門書を手に取る、という位置づけだろう。

巻末には将棋のルールと詰将棋も載っていて、ややお得。


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