この物語は、ある学園の荒廃に戦いを挑んだ一人の教師の記録である。
高校ラグビー会において全く無名の弱体チームが、この教師を迎えた日からわずか6年で全国優勝を成し遂げた奇跡を通じ、その原動力となった愛と信頼を余すところなく書籍化したものである。
スクール・ウォーズの原作となった、「落ちこぼれ軍団の奇跡」とは異なり、個々人のエピソードに着目する形で書かれている。落ちこぼれ軍団の奇跡は時系列に追っていたが、本書は割と時間が飛んでいる。そして何よりも違うのは、二度目の全国制覇にも触れていること。全国優勝を成し遂げてからの伏見はもう、問題のあるような学校ではなくなったのかと思っていたら、そうでもなかったらしい。長い低迷期があり、チーム崩壊の危機もあったようだ。
学校統合で、伏見工業高校はなくなってしまった。
しかし、山口良治の教えは今も生き続けている。その遺伝子は今も、後進を育て続けている。
森田光男のモデルとなった、小畑氏のその後についても詳しく触れている。
後日談も熱い。
また、ドラマが見たくなってきた。
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