2009年9月14日月曜日

186 / 230 スクール・ウォーズ 落ちこぼれ軍団の奇跡

10点満点で、9点。

読書時間・・・1時間程度だが、読み返したのは何回目か覚えていない

この物語は、ある学園の荒廃に戦いを挑んだ一人の教師の記録である。
高校ラグビー界において全く無名の弱体チームが、この教師を迎えた日から、わずか7年で全国優勝を成し遂げた奇跡を通じ、その原動力となった愛と信頼を余すところなくドラマ化したものである。

そう、あの名ドラマ、「スクール・ウォーズ 泣き虫先生の7年戦争」の原作。
本書が先にあって、山口先生の講演を聴いて感動したプロデューサーが、著者にドラマ化の許可を求めに行ったものらしい。元々は「落ちこぼれ軍団の奇跡」というタイトルだったようだが、ドラマがあまりに有名になりすぎて、サブタイトルに追いやられてしまったのか。

事実とは若干異なる箇所もあるそうだが、基本的には山口先生が伏見工業高校ラグビー部を全国制覇に導くまでの軌跡が、そのまま書いてある。テレビドラマほどの極端なエピソードは少ないが、それでもNHKのプロジェクトXや、あるいは山口先生の著書などを読む限り、ほぼ事実なのだろう。「男の裸見たって仕方ないだろう」とか、あの台詞もこの台詞も、本書に登場する。

俺はドラマありきの人間なので、本書を読んで感動すると同時に、「これも映像化してればよかったのに・・・」という箇所もあって、読み方がきっと人とは違うだろう。特に、全国大会決勝戦での「平尾、お前を飛ばすぞ」には(ドラマでは「平山、お前を飛ばすぞ」)いったいどれだけの意味が込められた言葉なのか、どれまでも深く描いて欲しかった。

山口先生は全国制覇という結果を出したからこそ有名になったわけだが(プレイヤーとしては別として)、その根底にある「信じる」ということ。これができる人間になりたい。



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