10点満点で、7点。
読書時間(普通に読んだ)・・・45分程度
本書も、一度読んだことがあるのでさらりと読めた。
著者はニューヨーク市警でネゴシエーターとして活躍し、1993年にはハイジャックされたルフトハンザ機の犯人を投降させ、乗客乗員を無事解放した実績を持っている。人命がかかる「絶対に失敗が許されない」環境で交渉を続けてきた、著者一流の心理分析と経験談が相まって、単純に読み物としても面白い。
相手を交渉のテーブルにのせること、それも頭に血が上っている相手と交渉をスタートさせること、それそのものがかなりの難題だから、著者の経験談は非常に説得力を感じさせる。
本書のテクニックで興味深く読んだところの例を挙げると。
最初のイエスを引き出す方法。
「これからウソを交えて話をするのと、本当のことしか言わないのと、どっちがいい?」
「本当のことだけ言ってくれ」
「そうすると、君にとって都合の悪いことも言わなければならないかもしれないが、それでもいいか?」
「イエス」
最後の最後でひっくり返されないための経験談。
「俺に手錠をかけないと約束したら、投降する」
��課長「手錠なしでOKと言え」
��著者「言えません。手錠はかけるべきです」
��課長「命令だ、言え」
「君は手錠をかけられる。それも後ろ向きで」
「わかった、俺だって逮捕されることがどういうことかは知っている。お前を試したんだ。お前は信用できる」
実生活で役立てるにはどうしたらいいか、いくつか応用例があげられてはいるが、楽しむためだけに読む価値はありそうだ。
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