10点満点で、9点。
活性化(普通に読んだ)・・・1時間程度
著者は元時事通信のジャーナリストで、衆議院選挙に立候補して落選した経歴を持っている。
その実体験として、選挙とはいったいどういうものであるか、(おそらくは)包み隠さず語られた本。
とにかく面白い。政治には金がかかる、選挙には金がかかるとよく言われるが、その理由が明快にわかる。
どうしたって必要な経費は膨大にあるし、何よりタカリ体質の国民が多いのだ・・・
経費にしては、選挙事務所を1カ所用意するだけで、1000万円を超える費用がまず飛んでいく。事務所を建て、什器をそろえ、電話回線を引き、必要な資料を買いそろえるだけで。車も必要だ。そしてスタッフの人件費や、消耗品などを考えると、簡単に2000万円を超える。
そのほかいろいろ書いてあるが、選挙が始まる前に、選挙に臨める体制を作るだけでこの世界。いざ選挙になるとどうなるのか、それは本書を読んで欲しい。意外なことは書いてない。当たり前のことに当たり前にお金がかかり、それが積み重なると、素人が想像しない金額になるだけのこと。
そして裏選対といわれるグレーゾーンから非合法な活動をする舞台。これにかかる費用、これらに対抗する費用。タカリに来て、満足できなければマイナスイメージを吹聴して歩く一般市民。著者自ら、金がかからない選挙をしたかったと述懐しているが、本書を読む限りは確かに、金がなければ土俵にすら登れないようだ。
巻末に、著者の考える政治改革について、簡単にまとまっている。非常にいいことが書いてあり、勉強になった。
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