2009年9月22日火曜日

190 / 234 選挙参謀

10点満点で、7点。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間半程度

2003年の衆議院議員選挙で大阪3区から出馬し、比例区復活当選を果たした、民主党の辻恵が戦った選挙戦について、スタッフとして働いた著者が振り返った本。選挙の内幕ものとしてはよく書けていると思うが、著者と辻議員の思想信条、行動に反発を覚える箇所が多々あり、読み方には少し気を遣った。

2003年の選挙といえば、民主党が大躍進した年だな。俺自身はこのときは、選挙区は自民党候補、比例区は自民党に入れた気がする。その一つ前、森政権の時に民主党に入れて、「これで政権交代できないなら、もう永遠にダメだ」とか思っていたような。変われば変わるもんだな。

辻の思いつきのような出馬表明から、選挙区が決まるまでのドタバタ、そして事前活動、選挙活動、開票。読み物としては面白いので、退屈することなく読めた。特に一番最後、開票後の票読みについて、なるほどこうやって分析するのかと勉強になった。

本書はあくまで著者の視点で書いてあるから、辻議員本人がどういう政治信条を持っているのかはわからない。あまりいい印象は持たなかったが・・・
著者の運動方針は、はっきり言って嫌悪を覚える。選挙に勝つには、こうでなくてはダメなのか、と感じるところはある。しかし、こんな選挙活動をしないと当選できないということは、日本の民主主義がいかに未成熟なのかを、図らずも暴いている気もする。

最低なのは、朝日新聞のアンケートへの対応。郵政民営化への賛否を問われ、民主党候補なのに「賛成」に丸を付けた辻陣営。それが記事になると、「誤報だ!」と言って騒ぎ立て、確かにアンケートでは「賛成」となっていることを示されると「おかしいと思わないのか、書き間違いかとなぜ確認しなかった、このせいで支援団体ともめて落選したらオマエらのせいだ、今後は取材拒否だ」と噛みつく狂犬ぶり。自分の非を認めない、こんな奴らに、国政を任せていいのか?
これにシッポを巻く朝日も情けない。これが自民党候補だったら、「本紙記者を恫喝!」とか記事にするところだろうに。

「政治は三流」と言われる一因が、透けて見える。そんな気がする。



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