【ストーリー】
15時過ぎまで寝ていた真修。まゆから届いていたLINEに気のない返事をする。適当にあしらっていると、まゆから最寄りの駅まで来た、土地勘ないから迎えに来て、と電話がかかる。
聡子に頼ればいいじゃないか、と言いかけて言葉を飲み込む真修。結局迎えに行く。
朝来たのだが、聡子はずっと寝てる、暇だから出掛けたとまゆ。真修が元気ないから、カレー食べに行こうと言う。強引に連れ出して、行った先はカラオケ。真修に歌わせて、普通にうまいのが意外、学校の合唱曲とか歌う子とかと思っていた、とまゆ。俺のことどういうキャラだと思ってるんですか、という真修に、真修のこと全然知らんから面白い、と返すまゆ。真修のスマホに入っているプレイリストを見て、ゆらゆら帝国を発見して、聡子も好きだと言う。聡子のカラオケは面白い、鉄板ネタだから知ってるだろうけど、と言うが、真修は知らない。
じゃあ、聡子をイメージした曲を歌ってみて、と振るまゆ。1曲くらいあるでしょ、と言われ、1曲どころじゃないと思う真修。聡子のことを思い、失恋するなんて思っていなかった、どうして聡子は自分の気持ちを受け止めてくれると思ったのだろう、と考える真修。
ところが、曲を聞き終えてまゆは爆笑。聡子は絶対そんな事言わないから、と大笑いする。流れで、真修は聡子に振られたことを言う。真修の話を聞いたまゆは、聡子のことを神のごとく思っているんじゃないか、と指摘。聡子は真修のことを完全に子どもだと思っているし、それではフラットな会話は無理。恋という感情には高低差とか優劣があったらいかん、と指摘する。聡子の変な話を聞いて嫌いになったか、と聞くと、真修はもっと知りたかった、と答える。聡子も真修のことをよく知らない、と返すまゆ。もう一度話したい、とこぼす真修。
部屋を出ると、同じくカラオケに来ていたばーちゃんとばったり会う。どういう会話をしたのか3人で写真を撮り、まゆが聡子に送信。唖然とする聡子。
【感想・考察】
まず真修は前夜何時に寝て、今何時なんだ。
スマホの画面には15:10と出ていて、10時間位寝たと言ってるから、二度寝したのか。おばあちゃんが置いてくれた食事は軽食にしか見えないから、昼食じゃなくて朝食だと思うのだがなあ。
真修の部屋は決して片付いていないが、荒れていると言い切るほどでもないから、本当に前日は呆然としていただけなんじゃないかなあ。6話で垣間見えた家の中から想像するに、もともと掃除や片づけに積極的な性格ではないのだろうけれど(普通ごみくらい捨てる)、これまで勉強している姿からは荒れた部屋の描写はなかったし。
明日から何しよう、とニガガク思いながら考えているということは、聡子と繋がれないのであればもう勉強する意味も失ってしまったと感じたのだろうな。
そしてまゆが出てきて合流したのは何時なんだろう。カレー食べに行こうって言うということは夕方なのだろうから、16時位なのかな。カラオケで2時間使えば18時、夕食にはちょうどいい。
まゆは多分、聡子の様子がおかしいのを見て、真修と何かあったと感づいたのだろう。そして、20話の真修の態度から、おそらく真修が傷ついているのだろうとまで推測したんじゃないだろうか。聡子が寝ているというのは、聡子自身混乱しているのもあるだろうし、まゆに干渉されたくなかったのだろうと思う。でないと、前日カーテンと洗面道具くらいしか出していないのに、引越荷物の片付けをしないというのは考えにくい。いやそこはまゆが手伝ってやれよ、と思うけど。
カレーと言いつつカラオケに行ったのは、話を聞くのが目的だったからじゃないか。まさか真修が告白までしてるとは想像してなかっただろうけれど、それでも他人の目があるところで気軽に言える話ではないとは思うだろうから、個室に連れ込んだんだろうな。単純に元気だしてやろうと思ったのかもしれないけど。
そして真修が聴いてる曲が全然わからん。まあ普段歌は聴かんからなあ。多分知ってる人にはそれなりに意味が感じられるチョイスなんだろうけれど、ここはまるきり取りこぼし。
でも、真修が普通の歌を聴いていそうにない、というのは同じイメージを持ってた。
そしてまゆの「真修のこと全然知らないから面白い」と言う一言、伏線になってて、真修も聡子もお互いのことを全然知らないことを暗示している。この段階ではまだ真修は気づいていないけれど。
ゆらゆら帝国と聡子のカラオケの話を始めたのは、真修にそれを気づかせるためなんだろうな。「鉄板ネタ」とまで言って、当然知ってておかしくないことを知らない、ということを自覚させている。しかし一度も聞いたことないくせにゆらゆら帝国覚えてるとか、真修はどれだけ頭の中聡子でいっぱいなんだ。えびが美味しかったことは忘れてたくせに。
真修が聡子のことを神のように思っている、それでは恋になれない、というまゆの一言は重い。現実の年齢差はどうにもならないけれど、意識の持ち方は変えられる。でも、それには自分自身が自覚していないと、下から見上げているだけでは相手が降りてくるのを待つだけ。年齢は違いであって、差ではない。楽しかった頃の二人は、たしかにそういう関係だったはずだ。
しかしこれは真修には酷な話で、そもそも周囲から人間扱いされていなかった真修を、初めて正面から受け止めてくれた存在が聡子。そりゃ神格化しても仕方ない。15話で「ちいさい女の子のようだった」と振り返ってはいるものの、じゃあ対等な存在として認識していたのかといえばそんな訳はなくて。一緒にいた頃は深く意識していなくても、離れてしまった2年の間で存在が大きくなるのは仕方ない。
聡子にとっては、真修は完全に子どもというわけではないだろう。一緒にいた頃は、年の離れた親友、という認識が近かったんじゃないだろうか。それが仙台で再会して、成長した姿を見て、そして電話で話して精神的にも成長していることに気づいた。だからこそ、一人の人物として誠実に相手するけれど、子どもであるという事実を忘れないように自分に言い聞かせているんだと思う。それが22話の真修の告白で崩壊して、子どもだと思えなくなってしまった、だから23話で涙を流したんじゃないだろうか。子どもなら付かず離れずの距離を取ることもできるけれど、恋愛対象として見てしまったら完全にNGな関係なんだから。
ここで真修の背中を押すまゆには惚れてしまいそうだが、聡子第一のまゆが真修を元気づけるということは、まゆから見ても真修はふさわしい相手ということなのかな。常識的に考えたら、聡子の決断のほうが正しいんだし。真修を元気づけるのならば、もっと広い世界に目を向けて、同世代を見るように誘導するほうがまっとう。そして真修が聡子を想い続けたら、聡子が辛い思いをすることは当然わかっているだろうから、それでも聡子のためには真修がいたほうがいいと感じたのか。
そして最後に、驚きのばあちゃんとの遭遇。写真まで撮っている。どういう説明をしたのか気になるけど、単に「年の離れた友達です」とだけあっけらかんと言って、ばあちゃんも深く疑問に思うことなく受け入れただけの気がする。
今後ばあちゃん経由で、真修父に聡子が東京に戻ってきたことが伝わる展開が容易に想像できるが、ばあちゃんは聡子の味方になると読んだ。手伝いに来る前の荒れた家を見ているだろうから、真修の心が傷ついていたこと、父がケアできていなかったことは認識しているだろう。そこに聡子が登場してきたこと、何があったのかを聞けば、理解を示す気がする。真修と父は似ていない上に弟の名前が遼一だから、血が繋がっていない説もあるが、だとするとなおのこと、真修父よりも真修の味方につくと思う。
(ばあちゃんの名前は森倉なので、母方であることはまず間違いない)
重苦しい展開が続いていたけれど、確かに光が見えてきた。
第25話のネタバレ感想
第24話のネタバレ感想
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