戦争における「人殺し」の心理学の著者が書いた続編。読んでいて既読感のある箇所が多々あったのだが、記載がかぶっているのか、書評を書いていないだけで読んだことがあったのか。多分後者だろうけど。
タイトルには「戦争」と入っているが、「他者に殺意を持っている人間と、生死をかけた戦いをする」ケースを戦争と広く捉えている感じ。例として登場する人物の多くは法執行官(警察官などだろう)となっている。銃撃戦であったり、あるいは銃を持った殺人者と対峙しているケースが多いのはさすがアメリカといったところか。
いざというときに発砲するための心理的準備、そして殺傷後の心的ケアに多くのページを割いている。
たとえ相手が無差別殺人犯で、今まさに新たな犠牲者を出そうとしているところでも、発砲できる人はそう多くないのは前著記載のとおり。必要なときに必要な行動(発砲など)ができるには準備が必要で、それができていないと大きなトラウマを抱えることになることを、豊富な例とともに紹介している。そして、その結果について周囲のサポートがいかに重要なのかも。ベトナム戦争ではそれが不足していて、多くのPTSD患者を産んでしまったことは前著に書いてあったか。
そういえば、本書にはPTSDの診断基準が(ラフではあるが)書いてある。その一部を紹介すると、下記のうち3つに該当する必要がある。
トラウマに関連する刺激を執拗に避ける、あるいは全般的に反応性が鈍麻する。すなわち、以下にあげるような兆候を3つ以上示す。
1. トラウマに関わる思考、感情、会話を避けようとする。
2. トラウマを思い出させる行動、場所、人を避けようとする。
3. トラウマの重要な一面を思い出すことができない。
4. 重要な活動への興味が大きく減退する、あるいはほとんど参加しようとしなくなる。
5. 他者への無関心または疎外感。
6. 情動が乏しくなる(愛情を抱けないなど)。
これを見ただけで、イラク三馬鹿はPTSDなんかじゃないって雄弁にわかるね。
人質戦隊サンバカーンの皆様は、その後も積極的に講演したり、本を書いたり、反日活動に勤しんでおられるからね。
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