10点満点で、6点。
1996年だから、16年前の本。当時の政治情勢がどうだったのか、もう覚えていないが、小渕総理の時代だろうか。橋本総理の頃か。大蔵官僚バッシングの嵐が吹き荒れている、と書いてあるが、この頃そんな話題ってあったかな。
登場するのは3人の現役大蔵官僚。現在何人残っているのかわからないけど。彼らの主張、論旨をなるべく正確に再現するため、あえて対談形式で全文を掲載したと書いてある。
所詮匿名の暴露記事だから、どこまで信憑性ががあるのかわからない。ただ、3人の主義主張、発言内容や言い方がかなり似通っているから、人物を特定しないようにいくらか編集はしているのだろう。あるいは実は同一人物なのか、もしかするとこういう連中しかいないのか。
あとがきにも書いてあるが、彼らの発言内容は貧弱。
天下りを誇り、あらゆるものにランクを付け、文書処理能力を自慢し、勉強以外もなんでもできるとアピールしている。この他、大蔵官僚は世界のトップだと語り、俺たちがすべてを決めて日本を動かしているのだと語りながら、結果責任については毛ほども感じていないところも全員共通。うまく行ってるのは大蔵官僚の力、失敗してるのは他省庁や政治家の責任。責任を取らないんだから、そりゃ言いたいこと言えるよな。
挙句、大蔵省だけはアンタッチャブルだと誇らしげに語る。どんなに不祥事があろうとも決して本質的なダメージは受けない、なぜなら司法の予算権限は大蔵省が握っているから、逆らったら声を上げることもできなくすることができるのだ、と。
本書に恣意的な編集がなされていないとすれば、こういう連中は、優秀とはいえないんじゃないかなあ。
「能力がある」ことと、「能力を活かす」ことは別物。こいつらより能力が劣っていても、こいつらより国益に叶う人物は、数倍~数十倍はいるんじゃないかなあ。根拠はないけど。
なにせ、あの永田寿康だって大蔵官僚OBだからね。東大法学部じゃないけど。キャリア2万人のトップ20人、と言ったって、こんな連中が混ざっているわけだ。
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