2018年9月16日日曜日

エネルギー管理士(電気分野) その3

3年かかったけど卒業できたので、一応メモ。

難易度:

ぶっちゃけ電験三種のほうが難しいと思う。扱っている内容は電験より高度だけど、範囲が狭い。電鍵を勉強しているなら同時に受けたほうがいい、と言われるのも納得。
内容もかなり電験とかぶっているし、微積分が入ってくる理論については、数式の誘導・展開過程の穴埋め形式なので、上っ面の知識でも正答にたどり着ける。電験よりも付け焼き刃でなんとかなると思う。

テキスト:

ほぼ過去問のみ。エネ管はまともなテキストがないと言われているけれど、本当。2冊ほど買ったのはいいけれど、ほとんど開かなかった。
過去問の解説を読んでわからないところについて、テキストを開いても参考になるような情報がない、というのが多すぎ。むしろ電験のテキストのほうがよほど役に立つ。
過去問は2冊買って、複数の解説を参照して理解を深める、あるいはどちらか読んでわかればよい、というスタンスで取り組んだ。それでもわからないところはあるので、できれば3冊以上欲しいけれど、選択肢もあまりないしそこまでする必要はないかなあ。
どっちの過去問集も、ページレイアウトの配慮が殆ど無いので、読みにくいし使いにくい。この辺も電験とはエラい違い。マイナー資格ってこんなもんね。
あとは数学。これも、高校数学をちゃんとやった人なら、ラプラス変換だけおさらいすれば大丈夫。でも実は、それすらできなくても合格できた。


過去問の取り組み方:

問題を読む。そのまま答えを読む。数式ではなく言葉などを入れる穴埋め問題なら、問題に答え(ズバリではなく、選択肢の番号)を書き込んでしまってそれを読む。
それを2周くらいしたあと、考えながら読む。1年分あたり5周くらいはやる。基本的にはこれだけ。
計算問題はさすがに理解して手を動かさないとわからないので、丁寧に式展開して考える。でもこれも、いきなり取り組んでできるわけがないので、最初は答えを見ながら考えながら書く。3周目くらいから、いくつかポイントが分かればそこからの式展開はできるようになるので、怪しいポイントを重点的に理解または記憶するようにする。

勉強時間と方法:

課目I; エネルギー総合管理及び法規・・・20時間程度

こいつばかりは電験とまるでかぶってないので、ゼロベースで勉強するしかない。
でも特に難しくないし、過去問の解説で十分理解できる内容なので、過去問を複数回やるだけで十分。過去問10年分やってこの程度の時間しか使ってない。

課目II; 電気の基礎・・・15時間程度

微積分とラプラス変換が避けて通れない、電験三種から一番レベルアップを感じるところ。課目としては電験の理論+機械。この課目の勉強時間は15時間程度だけど、数学の復習に同程度使っている。
でも根気がないので、丁寧に復習したのではなくて、上っ面だけラプラス変換ができるようになった程度。過去問は5年分くらいか。問題のパターンが多くないし、問題に沿って式の展開(穴埋め)をしていけばいいので、これでもなんとかなる。

課目III; 電気設備及び機器・・・無勉強

電験の電力課目かなあ。まるきり勉強してなくても合格点が取れたので、あまり記憶にない。
電力の基礎知識さえあれば、あとは(電気屋としての)一般常識でなんとかなる気がする。

課目I, II, IIIは1年目で3科目合格。課目IVは1年目無勉強で不合格、2年目10時間程度の勉強で1点足らず(119/200であと1点だった)、3年目に合格。

課目IV; 電力応用・・・30時間程度

電験の機械課目+高校物理。あと空調。
過去問10年分やった。エレベータとポンプがほぼ毎回出るので、これはしっかりやる。問題11はクソみたいな難易度なので捨てていい。でも、理論がちゃんとわかっていれば取れるはず、ちゃんとわかってなくてもなんとなくで半分くらい取れる。
選択科目は電気加熱、電気化学、照明、空気調和の4科目から2科目選ぶもので、普通は電験とラップしない空調は捨てるらしい。でも、過去問を見た限り空調が一番簡単なので、これを捨てるのはもったいない。逆に電気化学と照明は苦手なので、一通り取り組むつもりが照明は早々に、電気化学も3年分くらいやっただけで捨てた。電気加熱は熱計算が簡単なので、半分は確実に取れるし。

取ってみて

難易度の割に、知名度実用性とも電験に大きく劣る上、受験料は高いし免状もらうのに更に金がいるしで、コストパフォーマンスのとても悪い資格。
電験三種から二種へのステップアップとして、練習問題扱いで取り組むのが一番いい。本当にエネ管の資格が必要なら、熱分野のほうが簡単らしい。実際、電験三種持ちで熱受験という人は結構いる。

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