2009年8月15日土曜日

167 / 211 黒い取引

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間程度

本書を読むまで、そもそもプロパンガス料金は公共料金ではない、ということすら知らなかった。
本書のサブタイトルは「知られざるもう一つのガス業界」とあるが、「もう一つ」とはプロパンガス業界全体を指すようだ。本書を読む限り、「一部悪徳プロパンガス業者」の話ではなく、「一部良心的な業者も存在するプロパンガス業界」としか思えない。

冒頭にも記載があるが、埼玉県の業界団体副支部長の発言。自分の顧客を奪った安売り業者に対して
「何がお客さんだよ。消費者の自由だの、ふざけたこと言ってんじゃない。お宅のやっていることは業界の恥だよ。話し合いにならん」と。
こういう発言をすることは、恥とは思われない業界と言うことか・・・

そういえば、プロパンガス業者については、料金表を掲げているところは見たことがない。本書を読めば、その理由はよくわかる。一言で言うなら、取れるところから取る、ということだろうか。

本書を読むまでは知らなかった話ばかりなので、本書の信頼性については判断できない。冷静な筆致からは、それなりに信頼できるとは思えるが。

惜しむらくは、ほとんどの業者が仮名、あるいは匿名であること。業界の闇を暴くことが目的ならば、実名で書いて欲しかった。

とはいえ、本書を読む限りでは、「プロパンガス業者は大同小異」「痛い目に遭いたくなければ都市ガス」「でも都市ガスも、業界団体と行政の癒着のせいで自由には選べないけど」というポイントに行き着いてしまいそうだが。



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