2巻でもまだ、西南戦争が始まるどころか、征韓論に決着すら付いていない。
本巻の最後で、ようやく征韓論の是非を決める廟議が開催されるところまで。
当時の国内事情、国際情勢、登場人物たちの背景、思想信条、先駆者たちの行動など、小説というよりもむしろ歴史の教科書ではないかと思うくらい、描写は細かい。その分、司馬作品にほぼ共通すると言っていいだろう、躍動感があまり感じられない。
読んでいて何より違和感を感じるのは、登場人物たちが明治の名前で出てくること。時代を考えれば当然のことではあるが、木戸孝允であったり、桐野利秋であったり。伊藤博文、山県有朋などはまだ姓が共通なのでいいが、前者はどうしても桂小五郎、中村半次郎という意識があるので、何となくむずかゆさを感じてしまう。特に桐野は、「人斬り半次郎」というイメージが強いので、「桐野」という名前で出てくるとぴんとこない。俺だけかな。
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