2010年2月14日日曜日

017 / 297 三国志で学ぶランチェスターの法則

10点満点で、5点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半程度

ランチェスターの法則を、三国志のエピソードに絡めてわかりやすく紹介した本。Amazonでの評価は高いのだが、どうかなあ。そんなにいい本とは思えなかった。

まず、タイトルからしてうるさ型の三国志ファンが食いついてきそうなモノだが、そこまで考えていたのだろうか。基本的に三国志演義がベースになっていて、巻末の参考文献には筆頭として正史が上げられているのが信じられない。著者の知識は俺と同程度、マニア未満のただのファンではなかろうか。

三国志演義は、史実をベースにしてはいるが、あくまでも創作物。なので、いかにもそのエピソードを歴史的事実のように取り上げられても、違和感が残る。「三国志演義のこの展開は、ランチェスターの法則からも理にかなっているのだ」という紹介の仕方なら、また違ったのかもしれないが・・・

「時には陽動作戦が効果的」という章で、「価格で相手の意表を突く」例が、こともあろうに一円入札。確かに効果的ではあったが、他に例が挙げられなかったという視点で見ると、これはビジネスへの応用が見いだせなかったのではないか。著者自ら「会社の信用を失墜する行為」と言っているものを、ランチェスターの法則を応用していると紹介されても。

著者の三国志に対する造詣の深さに疑問を覚え、またランチェスターの法則への造詣の深さにも疑問を覚えた。
読み手の知見にも依るのだろうが、人に勧めることが出来る本ではないな。



にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

0 件のコメント:

コメントを投稿