10点満点で、9点。
読書時間(普通に読んだ)・・・2時間半程度
「木村の前に木村なく、木村の後に木村なし」と言われた鬼の柔道家、木村政彦の自伝。鬼が自分の信条を、飾らずに隠さずに書いているので、非常に面白くぐいぐい引き込まれる。
曰く、練習で膝をつかされたことが悔しくて、刃物を持って家まで行った。
曰く、天覧試合で勝った褒美に、芸者を買ってもらった。
曰く、戦後MPに柔道を教えた際、神棚の代わりにヌードポスターに礼をした・・・
信条として「三倍努力」を上げ、本当に実践したその強固な意志。「木村君は人の倍、6時間練習するというから、僕は6時間半練習してきた」という相手に「まさか9時間も練習していたとは」と言わしめる。その精神は指導者になっても変わらず、学生を深夜にたたき起こす・・・
ブラジルでエリオと戦ったときのことも詳細に書かれ、エリオを武道家として尊敬していることがよくわかる。反対に八百長破りをした力道山については手厳しく、「悪は滅びる」とまで書いている。エリオがその後バーリトゥードで破れていたことも初めて知った。
巻末には山下泰裕との対談も収録されており、また大外刈りの解説写真まで付いている。豪華以外の何者でもない。
こんなに面白いとは思わなかった。
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