戦後合気道群雄伝に書いてあることを、吉祥丸先生の立場から書いたような本。むしろ、本書の記載を第三者が書いたものが戦後合気道群雄伝といったほうがいいのかも。
実子だから言える開祖の素顔、みたいな記載もちょっと期待はしたけれど、弟子にも子にも厳しかった人のようだ。いくらか「我が子だから目をつぶる」箇所はあったようだが、それでも普通の親子関係よりは遥かに厳しいと思う。開祖のエピソードはそれなりに書かれているけれど、弟子がどうやって開祖の技を身につけていったのか、そのあたりも書いてあると嬉しかったなあ。開祖は、というよりもこの頃の武道家はほとんど、教えないタイプの人だったようだし、合気道の技は教わらずに習得するのは相当難しいと思う。習得した人からすると、「教わろうと思うから身につかないんだ」と言うのかもしれないけれど。
しかしどの本、誰の言を見ても、開祖は弟子の技術をあまり認めていなかった気がする。もちろん自分の技をすべて習得した弟子がいるとは考えていなかったのだろうけれど、合気道初の一般公開と言える高島屋の演武でも、吉祥丸先生を含む人々に「わしの技が誤解されるくらいなら自分でやる」と激しく怒ったそうだし。合気会から道を別れた、養神館、昭道館、氣の研究会その他を含むあらゆる傍系を含む孫弟子たちの技を見て、開祖が「正しく伝わっている」と評価する人ってどれくらいいるのだろうか。
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