2017年10月18日水曜日

008 / 441 1984年のUWF

10点満点で、7点。

UWFの旗揚げから崩壊、新日本プロレスへの出戻りを経て第二次UWF、その崩壊とその後について、舞台裏を追いかけた本。俺はタイガーマスクに憧れてプロレスを見て、タイガーマスクがテレビから消えると同時に見なくなり、その後はUインターの高田対ベイダーを見るまでプロレスから遠ざかっていたから、ちょうど知らなかった世界。いろんな記事や本で断片的には知っているけど、全体の流れをきれいには把握していなかった。

今まで見聞きした情報は、その殆どがレスラーの発言だったので、裏方から見た実情とは随分違うことが読み取れる。もちろん、当時をリアルタイムでは知らないし、知っていても本当のことはわからないのだから、本書に書いてあることが全て真実かどうかはわからないけれど、丁寧な取材からはかなり真実に近づいているだろうと想像できる。

本書を読んだあとでも前田信者の俺には、悲しいことが多々書いてある。

・猪木が悪い。アントンハイセルさえなければ、どれだけの人が幸せだったか。
・佐山は10年早すぎた。天才すぎて周りがついてこれない。
・佐山の集客力に頼りつつ、その思想は良しとしないジレンマ。
・どうやら前田は、選手からは先輩、後輩とも評価されていない。レスラーからも、格闘家からも。
・プロレスからは「相手に怪我をさせる下手くそ」、格闘家からは「ガチやってないくせに口をだすな」
・思っていた以上に、高田の評価は高い。強さもさることながら、練習量で尊敬を集めていたらしい。
・藤原は20年早かったか。全盛期に格闘技ブームが来ていれば、関節技の達人として人気が出たろうに。
・選手はもっと、フロントの苦労をわかってやるべきだなあ。
・そしてやっぱり、プロレスと格闘技の境界という話題になると、やはり象徴として中井対ゴルドーの話題が出るのね。
・前田の体は、確かにリングスの頃は酷かった。
・でもリングスは、本物の外国人選手を連れてきていたから面白かった。ハン対ナイマンとか。
・個人的には、リングスなら外国人選手だけの大会があっても見に行ったなあ。むしろ見たかった。
・安生がヒクソンの道場破りをして返り討ちにあった事件、一度でいいから映像を見てみたいなあ。


にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村書評・レビューランキング


0 件のコメント:

コメントを投稿