2017年10月22日日曜日

009 / 442 証言UWF

10点満点で、7点。

UWFシリーズもこれで一段落かな。1984年のUWFへの前田日明の反論、と書いてあるけれど、時系列的にそうではないらしい。
単に、偶然(なのか狙ったのかは知らないけど)近い時期に出版されて、内容がそう言えるものだったのでそう称しているようだ。

1984年のUWFは、関係者への取材、雑誌や書籍の積み重ねから、当時何があったのかを推測している本。推測というのは、何かを取り上げる時(例えば前田対ゴルドーの真実とか)、両方の当事者から話を聞くことなく、一方の証言とそれを補強する資料の紹介という形を取っているので、客観的な事実と言うにはちょっと弱い。
それが本書になると、それぞれの当事者のインタビューで構成されていて、逆に一つの話題や事件を色んな角度から取り上げる、というわけでもない。あくまで一方の目から見た真実を、多少の編集と誘導はあるだろうが、そのまま書いている。

鈴木みのるのインタビューに登場するこんな言葉が、実態を一番良く表現しているのではないだろうか。

さらに、文章で仕事をしてる人たちがいろんな話を聞いて、それをまとめるからおかしくなっちゃうんです。(それを読んだ選手たちが)思いを裏切られたという気持ちになり、さらに複雑になっていったんじゃないんですか。本来、まとめちゃいけない話。それぞれの人間にそれぞれの葛藤があったわけで。一つの出来事に対して、見る角度が違えば受け取り方はバラバラになる。

ただ、プロレスが死んだ日。と3冊読んで共通していたのは、

・佐山は天才だと誰もが認めている。天才すぎて周りがついてこれなかったとも。
・第一次UWFが苦しかった頃、誰よりも前田が、みんなが飯が食えるように考えて頑張ったことも、みんなが認めている。
・でも、前田はプロレスがうまいとか、ガチが強いといったことを言っている人は、見当たらない。少なくとも読後感には残らなかった。
・第二次UWFでは、上三人(前田、高田、山崎)と下の選手には壁があったが、それでも高田は認められていた。
(でもこれらは、前田から離れていった人たちのコメントばかりが載っているのだから仕方ないと思う)

前田自身は1984年のUWFを読んで激怒したようだが、反論をしっかり本にまとめるとか。それはそれで楽しみ。

とりあえず、リングスで長井が「俺はプロレスラーだ」と宣言したことに前田が激怒して、退団にまで至るトラブルになってしまった理由はわかった気がする。。。


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