活性化(スキタリング)・・・1時間半程度
元内閣安全保障室長の佐々淳行氏が、危機管理におけるトップの役割について述べた本。「宰相論」と銘打ってはいるが、むしろ村山亡国内閣について激しく糾弾している本、と言ってよい。
1995年12月の出版なので、阪神大震災と地下鉄サリン事件に関する言及が多いが、対北朝鮮関係についても、読んでいて頭の痛くなる話が山盛り。自民党単独政権の害はそこら中で言われているが、野合政権になってからのダメージは、比べものにならない深刻なものであることがよくわかる。
日本を敵視して恫喝し続ける相手に、無批判で10億ドルもの経済援助を約束する村山政権。震災において自衛隊を動かそうとしなかった村山政権。法的根拠を与えずに、サリン事件では自衛隊を死地に追いやった村山政権。日本が現在でも存続するのは、ひょっとしたら希有の幸運によるものではないか、という気すらしてくる。
阪神大震災の時、政治は何をすべきだったか、何をしなかったのか、怒りを込めて著者が力説している。「阪神大震災 自衛隊かく戦えり」を併せて読むと、手足を縛られた自衛隊がどう活動したのかよくわかり、悲しくなる。本書で指摘された問題点が、その後改善されたかどうかは、寡聞にして知らないのだが・・・まだそのままではなかろうか。
さて、現在はどうなっているか。
2012年3月18日訂正;
上記の辻元清美に関する記載はデマであった模様。
不明を恥じるとともに、自身がデマの拡散に協力してしまった事実を忘れないように、あえて残す。
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