2009年11月30日月曜日

224 / 268 「仁義なき戦い」をつくった男たち

10点満点で、5点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半程度

やくざ映画不朽の名作、「仁義なき戦い」の脚本家・笠原和夫と、監督・深作欣二について語られた本。
制作裏話みたいなものを期待したのだが、むしろ二人のバックボーンに焦点が当てられており、「仁義なき戦い」以外の作品に興味を持っていない身としては、さして面白く感じなかった。

公開当時現役で楽しんでいた人、特に任侠映画が好きで、「仁義なき戦い」で「任侠から外れたやくざ」の描き方に衝撃を覚えた人にとっては、面白い本だろうな、とは感じる。

一部公開されていた、笠原和夫の取材ノートは興味深い。緻密な取材がなされており、ここまでやるからこそあのリアリティが出るのか、と感心した。それに比べて最近の映画やテレビドラマは・・・と言いたくなるところだが、どちらもあまり見ていないから偉そうに言うのはやめておこう。

どうでもいいが、10年近く前、25歳くらいの頃。手がけていた建設プロジェクトが終わって、1週間の休暇をもらったときのこと。休暇明けで出社したとき、「海外旅行にでも行ってきたのか」と聞かれ、「家で映画見てました。『仁義なき戦い』とか」と答えたら、オマエいったい何歳だよ、と呆れられたのを思い出した。



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223 / 267 脳を活かす勉強法

10点満点で、5点。

活性化(スキタリング)・・・1時間弱

フォトリーディング集中セミナー受講時に一度読んだ本。とはいえそのときは内容がほとんど頭に入らず、特に読後感を得られなかった。

改めて読み返してみたが、勉強法の本と言うよりも、脳と勉強にまつわるエッセー、と言った方がいいんじゃないだろうか。具体的な方法論については、ほとんど語られていないし、取り上げられている例も一般的とは言い難いものばかり。

・集中して勉強する。ダラダラはダメ。
・時間に制限を付けると集中しやすい。
・簡単すぎず、難しすぎない難易度で。
・楽しむことが何より大切。
・達成感を得ることが、楽しむことの第一歩。

ポイントとしてはこんなところだろうか。はて、本書を読むまでもなく、どこでも言われていることのような気が・・・



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2009年11月28日土曜日

222 / 266 頭脳の果て

マトモに読んでいないから採点しにくいが・・・10点満点で、3点。

活性化(スキタリング)・・・2時間程度

自由な発想で脳の働きを活性化する、「イメージストリーミング」について語られた本。
なのだが、読んでいるうちに胡散臭さしか感じなくなり、ほとんどまじめに読まなかった。

本書に何度も書いてあるが、ただ読むだけではなく、必ず実践してみろとのこと。実践せずにこの文章を書いているので、見当違いの感想なのかもしれない。

しかし、読む限り、はっきり言うと「エセ科学」以外の何者でもないな、と言う印象。本書では相乗効果を上げる方法としてフォトリーディングについてもそれなりのページが割かれているが、こちらも胡散臭さが漂う。俺自身、10万円を払ってフォトリーディングのセミナーに参加し、今でも(我流になりつつあるが)実践していながら、フォトリーディングもエセ科学だと感じている。その胡散臭さが倍増してしまったと言うべきか。

本書で取り上げられている、「その道の権威」や「偉大な先達」には、七田眞氏やドクター中松氏などが上げられている。七田氏は超早期教育の強力な推進者。しかし、早期教育では「脳を知りたい!」で悲惨な実例について読んだし、少し調べれば他にも多くの失敗例が出てくる。そのほとんどは、人生を棒に振ってしまうほどの悲惨な失敗。その時点で、七田氏を取り上げていることそのものに、問題を感じてしまう。ドクター中松氏も、多くの発明をしているのは事実だが、誇張やトンデモも多い、天才と言うよりはアッチ側の人間だしな。

読了後、自分で試してみる気には全くならなかったのだが・・・読み手を選ぶのだろうか。



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2009年11月26日木曜日

221 / 265 映画はやくざなり

10点満点で、5点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半程度

Wikipediaの「仁義なき戦い」の項目を読んで、映画化までのエピソードが面白かったので読んでみた。が、期待はずれ。

やくざ映画の脚本を100本単位で手がけた著者の回想録。好きな人には堪らないのだろうが、俺には古い感性で昔を思い出している、「あの頃はよかったなあ」以上の感慨を持って書かれた本とは思えなかった。

大きく二部構成となっており(最後に映画化されていない作品の脚本があるが、おまけ)、後半は脚本論をぶっている。そこで、北野武作品について舌鋒鋭く糾弾している。個人的には北野武作品は、恐怖と迫力だけでできあがっていると思っているので(初期作品しか見てないし)、割と著者の意見には同意。しかし、それが一般的に支持を集める意見かというと、どうかな。

ま、昔々のやくざ映画大好きな人が読む本なのだろうな。



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2009年11月23日月曜日

220 / 264 桶川ストーカー殺人事件

10点満点で、9点。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間半程度

1時間程度でさらっと読むつもりだったが、ぐいぐい引き込まれた。
警察の怠慢によって引き起こされた事件として話題になった、桶川ストーカー殺人事件について、発生から犯人逮捕、そして首謀者の自殺までを追った本。ただのルポではなく、著者自身が犯人を特定し、またその黒幕を突き止めているので、本書の迫真感は凄い。事件の凄惨さを考えると、こういう表現は好ましくないのだろうが、面白かった。

本書で暴かれている、上尾警察署の無能、むしろ有害と言うべき体質は、怒りを通り越して恐ろしい。
国内最高の権力を持った武装組織が、保身に走るとどれだけの闇を作り出すことができるのか、知りたくない現実を知ってしまう。操作を放棄し、証拠を隠滅し、あげく被害者の遺書を保身のため民事訴訟に利用する・・・

被害者の、そして遺族の苦悩はいかほどのものだったろう。本書に再三書かれているが、最後の最後に頼った警察が、よりにもよってこんな組織だったのだから。

ちょうどこの事件があった頃、好きこのんで上尾に転居したバカがいる。何を隠そう俺自身だが、上尾で事件に巻き込まれなくてよかったと痛感している。

当時の著者は写真週刊誌「フォーカス」の記者だったようだが、週刊誌の価値を再発見した。新聞ではやらないこと、できないことについて、本気で動けばここまでのことができるのだな。
しかし、だとすると、新聞の価値っていったい何なのだろう。

本書はすばらしい。是非読むべき本だと思う。
しかし、同時に本書には救いがない。どれだけ腐敗していても、最後は警察に頼るしかない、現実を変える方法はあるのだろうか。



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219 / 263 ある勇気の記録

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間程度

「仁義なき戦い」のモデルともなった、広島での暴力団抗争を追い続けた新聞と、立ち上がった市民たちの記録。
モデルというか、本書への反発から獄中手記が書かれ、それを元に「仁義なき戦い」が書かれたらしい。

なぜ「ある勇気」といった曖昧表現なのだろうかと思っていたが、おそらくは名もなき人たちの勇気を指しているのだろう。暴力追放キャンペーンを張った、記者たちが暴力に屈せず戦ったことかと思っていたのだが、違うようだ。記者たちはもちろん危険を冒して戦っていたのだが、それに勇気づけられて立ち上がった市民たちの方に、著者たちのウェートは置かれているようだ。

何人もの暴力団構成員が殺され、また一般市民が巻き添えを食って命を落とす中、「報復が怖い」と取材にすら応じない市民たち。著者たちの報道が少しずつ支持を集め、社会を動かしていく様子が活き活きと描かれている。

警察はともかく、市役所や税務署が、いかに暴力組織について弱いのかも赤裸々に暴露されている。新聞記事になると突然動き出すことも。とはいえ、ゼロよりはマシなんだろうな。

時代こそ古いが、「新聞」のあり方としては大いに参考になるのではないか。これなら確かに、「社会の公器」を名乗るにふさわしい。こういった新聞がもっと増えてもらいたいものだ。



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2009年11月22日日曜日

218 / 262 仮想敵国ソ連 われらこう迎え撃つ

さすがに古いので、採点するような本ではない。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間程度

「超法規」発言で自衛隊を追われた、栗栖弘臣氏の著書。昭和55年の出版だから、タイトル通りソ連が最大の仮想敵国だった時代の話になる。

彼我の戦力差、政治目的などを考慮して、敵の上陸予想地点はここ、そこに対して自衛隊はこう動く、などの想定が記述されている。が、俺には地理などの事情に疎いことと、自衛隊の装備や当時の事情もよく知らないことから、第一部と第二部の「対ソ連」箇所についてはよくわからなかった。

しかし、第三部、第四部の日本の防衛が抱える問題については、悲しいかな今でも改善されていないのではないかという気がする。「発砲が許されていない」ために、領空侵犯機に対して体当たりの覚悟を決めている空自。出動しても交通法規に縛られ、私有地での作戦行動が許されない陸自。その他いくらでも、政治の怠慢により自衛隊に押しつけられている矛盾が嫌という程書かれている。

本書を読む限り、著者の主張に問題はほとんど感じられず、むしろ著者の問題提起を真摯に受け止めてこなかった政治に、大きな問題を感じる。金丸信によって更迭されてしまったことが惜しい。



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2009年11月21日土曜日

217 / 261 自衛隊指揮官

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半程度

毎日新聞の記者が書いた本だからさぞかしバイアスがかかっているだろうと予想して読んだら、とんでもない。
著者自身、防大卒とのことで自衛隊に親近感を強く持ってはいるのだろうが、読む限りはフェアな視点で貫かれている。自衛隊の問題は問題で指摘しているし、政治の問題、国民の問題についても、きちんと向き合っている。

これだけの本を書ける人材がいるというのに、どうして毎日新聞はアレなんだろうか・・・という問題はさておいて。

地下鉄サリン事件、不審船、領空侵犯、国際貢献と、任務のみを与えられて、装備も権限も与えられなかった自衛隊指揮官の苦悩がよくわかる。地下鉄サリン事件で現場に駆けつける自衛隊が、赤信号で停止し、他の車に割り込まれていたなんて! ミグ25の亡命時、ソビエトの武力奪還に備えて待機した自衛隊の行動が、公式記録から抹消されているなんて!

本書を読み、他の本も読むと、自衛隊が抱えている本質的な問題点が痛いほどわかる。それは、まともな有事法制がないこと、ROE(交戦規定)がないこと。

俺の誤解であって欲しいが、現在の法律では、他国が戦略爆撃機で核攻撃を仕掛けてきても、自衛隊は実際に爆弾が投下されるまで敵機に手が出せない! 威嚇射撃はできるが、威嚇で止められなかった場合は見ていることしかできないし、自衛隊が先に攻撃をしたら、自衛官が個人的な犯罪に問われてしまう!

いったいこの国はどうなっているんだ。



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2009年11月20日金曜日

216 / 260 戦うことを忘れた国家

10点満点で、6点。

活性化(普通に読んだ)・・・1時間半程度

元陸将補の国際政治学者である著者が書いた、「軍事力の行使」を放棄した日本の問題点を鋭く指摘する本。言うまでもないことだが、著者の主張する「軍事力の行使」とは侵略戦争のことではなく、自衛戦争、防衛戦争のことを指す。もっと正確に言うならば、戦争が起こる可能性を想定する「覚悟」だろうか。

著者の主観によるものなのか、中国、ロシア、北朝鮮へのネガティブイメージは非常に大きい。俺自身の思想にもかなり近いものがあるのだが、ここまで激しく指摘されると、かえって思想バイアスの危険を感じてしまう。なので、内容としては8点を付けてもいいと思うが、減点しておいた。ちなみに、表現はどうかと思う箇所が多々あるが、主張自体に間違いはあまりないと思う。

「日本は絶対に、軍事力を行使しない」と思われているのか。著者はそうだと断言する。でなければ、日本をあざ笑うかのように領空侵犯し、領海侵犯し、ミサイルを撃ち込んでくるはずがないではないか。あげく、領海侵犯した潜水艦を捕捉しているのに、領海を出るまで海上警備行動を発令しないのだ!

日本がいかに「平和ボケ」しているのか、これでもかというくらい実例が挙げられている。
少しでもまともな国に近づかなくてはならないのに、そんなときに社民党を含む民主党連立政権ができてしまった日本は、このまま「朝鮮労働党極東支部」あるいは「中国共産党極東支部」への道を歩むのだろうか・・・



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215 / 259 予想どおりに不合理

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・3時間程度

最近分類に困る本ばかり読んでいる気がするが・・・もしかしてビジネス書なんだろうか?
「人はなぜ、合理的な判断ができないのか?」を突き詰めた本。著者紹介に「イグ・ノーベル賞を受賞」と書いてあるのでトンデモ本かと思ったが、違ったようだ。むしろ、着眼点と検証手法がユニークすぎて、他に適切な賞がない、と言うべきか。

「無料」に惹かれて不合理な判断を下す理由。「破格の安値」よりも「無償」の方が仕事を引き受けやすい理由。プラシーボ。等々・・・それぞれの着眼点が面白く、そして検証実験が面白く、考察も面白い。

楽しんで読んでしまったが、こういう読み方でいいのだろうか?
まぁ、堅苦しい気分で読む本ではないと思うが・・・

さて、本書を読んだからには、自らの不合理な行動を戒めることができるのか。
本書を読む限り、それも難しそうではある。



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2009年11月16日月曜日

214 / 258 毎日が冒険

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間程度

10年以上前に出版された本の新装版。誰かに勧められて、初版本を買った記憶がある。

小学生並の思考力と、それに反比例するかのような(正比例しているのか?)まずそこらにはいないであろう行動力を持った著者の自伝。18歳の浪人時代からの6年を、中学生並みの文章力で語っている。

やっていることは人間としておかしいし、個人的には(あくまで個人的な意見)社会にいない方がいい類の人物だとは思うが、その前向きな思考力と、圧倒的な行動力には素直に脱帽する。カウボーイを目指して単身アメリカに渡り(挫折)、一人暮らしをしたいという理由だけで大学を決め、バーテンダーになるために大学をやめる決意をして(本当にやめたかどうかは書かれていない)、21歳で自分の店を持ち、そして自伝を出版。

行動力さえあれば何とかなるんだ、という気分にはなる。

繰り返すが、本書に書いてあることが事実だとすれば、やっていることは人間としておかしい。
著者が言う自由は「自分さえよければいい」自由だし、冒険とは「他人に迷惑をかけても構わない」冒険だ。
でも、それを差し引いても、前向きな気分になれる。

分別のある大人が読む本ではないような気がしないでもないが・・・

夢は逃げない。逃げるのはいつも自分だ。

11/17追記:
著者について調べてみると、やはり「自由」には「責任」がついて回ることを理解できない、ただのバカであるようだ。そこは差し引いて読むべし。



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213 / 257 Googleを支える技術

俺の知識・技術力では咀嚼しきれないので、採点不能。

読書時間(かなりとばし読み)・・・3時間程度

世界最大のサーチエンジンであるGoogleが、いったいどんな技術的バックボーンで動いているのかを解説した本。
一般向けに書かれた本かと思い手に取ったのだが、違った。技術的に(おそらく)高度な解説が展開され、何を言っているのかさっぱりわからないことがほとんど。逆に言うと、本書の内容について行けるようでないと、最先端の技術分野では働けないのだろうな。

その中で唯一、電力に関する話題については、俺でも理解できる内容で面白いと感じた。Googleってコンピュータの台数も膨大なら、使用する電力についても膨大になるというのは、当たり前と言えば当たり前の話。しかし、電力事情によってデータセンターの場所を決めるほどのものだとは思わなかった。

何となく興味を持ったから、というレベルで読める本ではない。ある程度以上の知識を持った人が読むべき本だろうな。



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2009年11月14日土曜日

212 / 256 ハーバード流"NO"と言わせない交渉術

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間半程度

いい本だった。読みながら、なるほどそうなのかと頷くことしきり・・・なのに、記憶に残っていない。どういうことなんだろう。
基本的に本書は、単に要求を達成するための交渉術ではなく、Win-Winの関係を作るための交渉術について書かれている。相手に"No"と言わせないためには、相手が"No"という必要性をなくしてしまえばいい、というスタンスなのだろう。おそらく、本書の内容をきちんと理解できて、実践できれば、かなり充実したネゴシエーターになれるのではないだろうか。

問題は、俺の記憶に残らなかったこと・・・なぜだろう。いい本だと思いながら読んだのに。
フォトリーディングしないと記憶に残りにくいのか。

最近は読書メモやマインドマップも書いてないから、読書のスタンスについて、もう一度考え直した方がいいのかもしれない。頭に残らない読書なら、読んでないのと同じことだから。



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2009年11月10日火曜日

211 / 255 Google誕生

10点満点で、8点。

活性化(普通に読んだ)・・・3時間程度

Googleの誕生から執筆当時までを、小説調で追ったもの。肩入れすることなく、突き放すことなく、絶妙な距離感で登場人物たちを鮮やかに描き出している。

最初はビジネスにするつもりがなく、どうやって収入を得るかすら考えていなかった状況で起業し、口コミで巨大企業に成長していく課程がよくわかる。その中でも本質を見失わず、最高の速度で最高の検索結果を求め続け、検索結果に広告を入れることにすらためらう姿勢は、確かに「邪悪になるな」の社是に合致しているようだ。

しかし同時に、ストリートビューや全書籍スキャン構想など、反対や異論の多い中強行する理由もようやくわかった。googleは邪悪になってしまったではないかと思っていたが、どうやら違う。サーゲイ・ブリンとラリー・ペイジの感覚ではこれらは邪悪ではなく、彼らが邪悪でないと考えれば、周囲すべてが邪悪と考えても、googleでは邪悪ではないのだ。

googleは俺自身もっともよく使うサイトの一つではあるが、そのあまりに大きな影響力が、たった二人の恣意的な判断で左右されている・・・ことを知ったのは有益ではあった。



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2009年11月7日土曜日

210 / 254 脳を活かす仕事術

よくわからなかったので、採点不能。

読書時間・・・1時間程度(普通に読んだ)

フォトリーディングしたわけでもなく、目的意識を持って読んだわけでもないので、読後3日たった今では何を書いていたのかさっぱり思い出せない。うーん、いったい何を書いていたんだろう・・・

フォトリーディングを始める前でも、ここまで頭に残らないことはなかったと思うのだが・・・それだけ目的をしっかりして読むことが重要だと言うことだろうか。

しかし、読んでいる最中に「これだ!」と思うこともなく、また再び読み返してみようとも思わない。
俺には合わない本だったのかな。



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2009年11月3日火曜日

209 / 253 脳を知りたい!

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間半程度

面白かった。著者は脳科学について素人と明言しながら、様々な論文を当たり、また現役の脳科学者、脳障害を抱えた患者など多くにインタビューをして、その内容をわかりやすくまとめている。本書では結論の出ていない問題については両論併記の形を取っており、極力予断を廃した文章になっているところが、実にいい。

本書の冒頭にも書いてあるが、世間一般でよく目にする「最新の脳科学によると・・・」という文言は、まず疑ってかかるのがいい。それは、脳科学では結論が出たり、あるいは多数の学者が支持する学説というのが多くなく、まだまだ未知の分野であるということ。主張する人物に悪意があるかどうかは別として、大抵の説は誰かが唱えているので、「最新の脳科学によると」という前置きには、ほとんど意味がない。「脳科学会で主流の考え方では」というものならば、それなりに信憑性があるのだが。

冒頭に紹介される、早期教育の悲劇は、俺の想像を超えていた。
小学校入学前に微積分をマスターし、一年生で大学入試問題をすらすら解けていたのに、中学時代に無気力となり、大学に進学することもなかった女性。あくまで「著者が直接知る、唯一の実例」として紹介してあるのだが、これはあまりに悲しい。その理由(と、推測されるもの)が本書に詳述してあり、自分の子育てについても考えさせられた。

このほか鬱、視覚、言語、アルツハイマー、意識など、興味深い話題が盛りだくさん。著者自身が書いているとおり、平易な言葉で語られており、また紹介されるエピソードがいずれも興味深く、最後まで引きつけられて読んだ。

本書に書いてあることがすべて正しいとは思わないが、それでも読む価値はある。



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2009年11月2日月曜日

208 / 252 格闘家弁護士が教える反撃の技術

10点満点で、3点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間程度

交渉術かと思って読んだが、違う。
不利な状況において、自分の立場を守り、反撃して、勝利を収めるための技術。

こう書くといいことが書いてある本に思えるが、少なくともビジネスに使えるような本ではない。その理由は何よりも、著者が弁護士であるということからか、「何が何でも勝つための攻撃/反撃方法」について語っているから。自らの劣勢を挽回するためなら何でもするし、勝つためにも何でもする。そこには「勝てばすべてよし」という思想が貫かれており(その意味では本書はぶれていない)、その後の関係については一切考慮されていない。

言ってしまえば、「後は野となれ山となれ」の交渉方法であり、相手とその後の関係を維持する必要がない、弁護士だからできること。一般の人間関係、ビジネス交渉においては、本書の手法で交渉したら、短期的に勝利を収めることはできても、長期的にはむしろ損をするだろう。少なくとも、Win-Winの関係を、模索することすらないスタイルだから。

弁護士としては優秀なのだろうが、俺自身は何かあっても著者のような人物に仕事を依頼したいとは思わないし、人間としても知り合いになりたくない。
ついでに言うと、著者はアウトサイダーなどの大会には出場しているようだが、いずれもアマチュアか、もしくはアマチュアに毛の生えた程度の大会。そこで「プロの格闘家」と名乗られると違和感があるし、ブラジリアン柔術では黒帯も持っていない。それでいて格闘技に対する偉そうなスタンスでの解説を読むと、著者の弁護士としての実力にも疑問符を感じてしまうのだが・・・



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