10点満点で、3点。
読書時間(普通に読んだ)・・・1時間程度
交渉術かと思って読んだが、違う。
不利な状況において、自分の立場を守り、反撃して、勝利を収めるための技術。
こう書くといいことが書いてある本に思えるが、少なくともビジネスに使えるような本ではない。その理由は何よりも、著者が弁護士であるということからか、「何が何でも勝つための攻撃/反撃方法」について語っているから。自らの劣勢を挽回するためなら何でもするし、勝つためにも何でもする。そこには「勝てばすべてよし」という思想が貫かれており(その意味では本書はぶれていない)、その後の関係については一切考慮されていない。
言ってしまえば、「後は野となれ山となれ」の交渉方法であり、相手とその後の関係を維持する必要がない、弁護士だからできること。一般の人間関係、ビジネス交渉においては、本書の手法で交渉したら、短期的に勝利を収めることはできても、長期的にはむしろ損をするだろう。少なくとも、Win-Winの関係を、模索することすらないスタイルだから。
弁護士としては優秀なのだろうが、俺自身は何かあっても著者のような人物に仕事を依頼したいとは思わないし、人間としても知り合いになりたくない。
ついでに言うと、著者はアウトサイダーなどの大会には出場しているようだが、いずれもアマチュアか、もしくはアマチュアに毛の生えた程度の大会。そこで「プロの格闘家」と名乗られると違和感があるし、ブラジリアン柔術では黒帯も持っていない。それでいて格闘技に対する偉そうなスタンスでの解説を読むと、著者の弁護士としての実力にも疑問符を感じてしまうのだが・・・
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