2010年1月17日日曜日

007 / 287 借金の底なし沼で知ったお金の味

10点満点で、6点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半程度

一般的にはビジネス書に分類されているらしいが、自伝と言うべきかエッセーと言うべきか、分類に困る本。
「何を言わんとしているのかわからない」本ではある。少なくともハウツー本ではない。

サブタイトルに「25歳フリーター、借金1億2千万円、利息24%からの生還記」とあるが、タイトルから想像できるような内容ではない。

・稼ぐ奴は何を考え、稼げない奴は何を考えているのか
・稼ぐためには、何を考えることが必要か
・自分は何を考えてきたのか

などが書かれている。ちょっと違う気もするが、それは本書の構成があまりできのいいものではなく、言わんとすることが読み取りにくい(章ごとにバラバラ)であることによる。

著者の置かれた環境は、確かに壮絶な借金に囲まれてはいるが、下記の通りかなりのレアケースと思われる。

・著者は東大法学部卒の、文句なし高学歴秀才。
・フリーターであった理由は、「会社員や官僚になることでは、億万長者になれない」と感じていたから。
・借金の原因は、先物取引。フリーターに1千万円単位で金を貸すタニマチがいた。
・これだけの借金なのに、基本的に督促なし。返済金額も、1万円程度で許してもらえる(理由はあるが)
・社員を消耗品として扱う会社で、最初から消耗品扱いされない人材であった。
・衛生管理者と行政書士の資格を同レベルで語れる優秀さを持っている。
(俺から見ると、ヤムチャとベジータくらい違う)
・中小企業診断士の資格だって、「一年あれば取れる」と言い切ってしまう優秀さ。
・5千万円を超える借金を抱えているのに、まだ金を貸してくれる相手がいる環境。

著者なりの哲学は随所に書かれているが、実際にどうやって金を稼いだかは触れていない。
金を稼ぐには、借金してでも大きな元手で金を動かさなければダメだ、と発見してから、すぐに行政書士として年商1億円を超え、4年後にはマンション経営してたり、恐らく読者が一番知りたいことについて何も書いていない。著者のスタンスを考えるに、「人に頼るな、自分で考えろ」と言うことなのだろうが。

本書は他にも、業界の人間でなければ知らないような言葉が説明なしに使われていたりして、読みにくい本。
週刊誌の記事を読むつもりで読むのが一番良さそうだ。



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