2009年7月11日土曜日

150 / 194 あっと驚く船の話

10点満点で、8点。

活性化(普通に読んだ)・・・3時間程度

サブタイトルにあるとおり、「沈没・漂流・失踪・反乱」などについて29の事件/事故を取り上げた本。意外なエピソードとか、船の雑学みたいなものを期待していたが、まるで違った。

とはいえ内容は面白い。「海難の70%は人間の不注意、不用意な行動に起因する」と言うとおり、多くの事例できっかけは自然現象ながら、「適切な判断ができていれば避け得た事故」がほとんどを占める。また、事故が発生したあとの人間の醜さも思い知らせてくれる。

その中で、さすが海の男と感じ入ったエピソードが一件。第3章、「輸送艦バークンヘッド号の遭難と教訓」に取り上げられていたもの。沈みゆく船で、整然と部下に対し乗客の退避と自分たちの避難に指示を出し、多くを救った艦隊指令のセトン大佐。「再び陸地でお会いいたしましょう」と声をかけてきた将校に対し、「それは無理だと思うね。実は私はカナヅチなんだ」のひと言。これぞ軍人、これぞ海の男と言うべきか。海の男ではないかもしれないが。

悲しいかな、こういった艦長や司令官が、他の事件では見受けられないのだが・・・



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