2009年7月22日水曜日

158 / 202 フェルマーの最終定理

10点満点で、9点。

活性化(普通に読んだ)・・・2時間半程度

数学でもっとも著名な難題、フェルマーの最終定理が証明されるまでのドキュメンタリーなので、読破に時間がかかるのは当然。むしろ、じっくり理解しながら読まないと、本書の面白さは読み取れない。本質的にはかなり難しい話なので、じっくり読んだところで理解はできないのだが・・・

ピタゴラスの時代から始まり、フェルマーが問題を残すまで、そしてそれに挑んだ数学者たちの苦悩と挫折が丁寧に描かれている。光明を見つけたかと思えば袋小路に行き当たり、扉があるかと思えば足下が崩れ、300年以上にわたり挑戦者を拒み続けてきた難題。ワイルズがいかに挑み、挫折し、立ち直って証明を達成したのか、かなりの筆力で描かれており、引き込まれる。

前書きにも書かれているとおり、数学的な素養のない読者(俺のような人物だ)を想定して書かれた本書は、なるべく平易にわかりやすく記述がなされており、読みやすい。テーマそのものの根本的な難易度の高さはいかんともしがたく、どうにも理解できない箇所は多数あるが、「どうやらとんでもなく難しいことのようだ」「その道のプロでも引っかかる難題だ」といった空気は読み取れる。

以前読んだ「哲学的な何か、あと数学とか」の書評で、本書の要約ではないかといった趣旨のものを見かけたことがあるが、確かにそんな気がする。とはいえ後者は本書よりも遙かに読みやすく、それはそれで価値のある本だとは思うが。



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