10点満点で、7点。
活性化(普通に読んだ)・・・1時間半程度
カンボジアの自衛隊PKO従軍記。「自衛隊は軍隊ではない」とか余計なことはいうまい。
テーマも内容も、割と深刻なことも書いているはずだが、そんなことを感じさせない。「不肖・宮嶋」氏一流のおちゃらけた文体で軽やかに仕上がっている。生理的に受け入れない人も多いと思うが。
その文体のせいでどこまでが本当のことなのかわからないが、「朝日新聞、毎日新聞などのメディアが取材を取り下げたおかげで」独占取材となり、大部屋から士官室へと格上げされた往路。指揮官自らが「こんな船では行きたくない」なんてこぼすほどの小型船に乗り、ゲロにまみれた2週間。意外だったのは、陸自の隊員も結構船にはやられるのだな。
着けば着いたで、「便宜を図ってはならない」とのお達しのおかげで、いかに現地が不便なところかを思い知った様子がよく伝わってくる。その中でも明るさを失わないところがまたいい。
そして、ピースボートの来襲。ついこないだも、あれだけ派遣に反対しておきながら、自分たちはちゃっかりソマリア沖で自衛隊に護衛してもらったというニュースで失笑をさらっていたが、何のことはない、10年前からその兆候はしっかり見せてくれているのだ。それを生暖かく許容する自衛隊の懐の深さが、いい。
そういえば、自衛隊に護衛してもらっていたピースボートご一行は、「生きる糧を得る手段がないので海賊になる」連中から守ってもらいながら、優勝賞品として船内バーでの飲み放題をかけてゲームに興じていたんだなあ。「軍隊では平和は達成できない、海賊には支援が必要だ」といいながら。
まじめに書けば深刻な問題提起となりうることがたくさん書いてあるが、気楽に読める。肩肘張らずに読むのがいい。
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