10点満点で、6点。
フォーカス・リーディングの予習、若しくは当日練習用のつもりで買って、気になったから先に読んでしまった本。
そもそも恐山って、日本有数の霊場でイタコがいるところ、確か本州の北端じゃなかったっけ、程度の認識しかなかった。その恐山について、菩提寺の住職代理が書いた本ということで手にとった。そもそも住職がいるんだってところから興味が湧いたし。
恐山といえば数々の心霊現象に彩られているのだろうと勝手に思っていたが、少なくとも著者は経験したことがないという。そこで某かの経験をした人は少なからず見たようだが、自分自身では経験したことがないらしい。読後感だが、著者は自ら積極的にそういう経験を求めていないからではないだろうか。死者に会いたい、死者の声を聞きたいとネガった人が訪れて、何らかの経験をして帰る、それが恐山なのだろう。
死者というものに対する著者の姿勢は一貫していて、終始生者からの視点で語っている。供養するから死者としての存在があるのだ、と。
仏教の、死後の世界については語らないという宗教観を大切にしているからなのだろう。
(そういう宗教観だということも本書で初めて知った。極楽とか地獄だとかはどこから出てきた言葉なんだろう?)
恐山という場所、死者と向き合う場所から、生の意味を問いかけている本だろう。
なんとも言えない読後感があった。
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