2016年5月8日日曜日

006 / 419 叱られる力

10点満点で、4点。

「聞く力」よりもっと役に立たないエッセー集。つか、まえがきに前著を書いた時「これは新書というよりエッセー集だね」と指摘されてそのとおりだと膝を叩いたとの記述があるが、エッセーのつもりで書いたんじゃなかったのか。

さて、タイトルには「叱られる力」とあるが、叱られ方についての記述はあまりない。叱られた体験談、あるいは人に聞いたことがダラダラと書かれているだけ。叱られる力とは一体どんな力なのか、多分書いてないと思う。

今は叱るのが難しい時代との記述があり、それは同感。だが、「だからどうしたらいい」という記述はなかったと思う。あくまでこういうケースが有ったというものの紹介だけ。

最近の世代は叱られ慣れておらず、ちょっと叱られるだけで萎縮したり、あるいは反撃したりという記述がある。これは同感。しかし、そういう世代を育ててきたのは著者の世代でしょう。この手の本、記述を読むたびに思うのだが、「最近の若い世代」を育てるのに失敗したという反省が書いてあるのは見たことがない。「我々が若い頃はこんなに叱られた」という記述はよく読むが、それが正しいと思わなかったからアナタガタの世代はやらなかったんでしょう。その結果が今の若い世代ですよ。そこまで考えて、ではどうすればよかったのか考察しないと。

どうでもいいが、本書を読んでいて一番印象に残ったのは著者の父親(阿川弘之)のクズっぷり。
文筆家とはこういうものなのか、この世代はだいたいこうだったのか、あるいはその中でも特別だったのかは解らないが、家庭内絶対権力者として横暴としか言えない振る舞いをしている。阿川弘之の文章って読んだことがないけど、そりゃこんなのが文化に影響力を持っているのなら、横暴な奴が増えてもおかしくないと思わせる。対外的には違ったのかもしれないけど、力関係次第で横暴になれる奴ってのは、それが人間としての本質だろうと思う。


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