2009年2月5日木曜日

031 / 075 空母零戦隊

10点満点で、7点。

準備、予習、フォトリーディング、調査・・・10分程度
活性化(普通に読んだ)・・・2時間程度

海軍の戦闘機パイロットとして、零戦を駆って太平洋戦争を戦い抜いた著者の手記。俺に太平洋戦争の知識がないため、著者がどんな状況で出撃していったのかがわからずおもしろさは半減してしまったが、当時全戦で戦った兵士たちがどんな心境だったのか、よく伝わってくる。

開戦当初は日本中が戦争を歓迎していた感のあること(だから、軍部の暴走だというのは俺は嫌いだ)、そして鍛え上げられたパイロットたちが戦果を上げていく中、次第に戦況が悪化して劣悪な状況に陥ること。特攻隊。終戦。至る所に著者の心境が書いてあり、仲間を多く喪ったことの悲しみが伝わってくる。

著者自身、特攻命令を受けながら、基地への到着が遅れたという偶然で出撃を免れており、特攻隊の記述は感情がこもっている。爆薬を半田付けして落ちないようにすることについて「途中で放棄して逃げてくるとでも思っているのか」と憤慨する様。特攻隊として出撃する朝、准士官が「爆弾を命中させれば生還してよいか」と問うたことに対する宇垣の「まかりならぬ」の一言。そして、玉音放送後の宇垣特攻について「自決するなら一人で、部下を巻き込むな」との一言。

特攻により熟練パイロットを喪い、攻撃どころか編隊飛行すらままならぬ状況に陥っている描写などを読むと、特攻がどれだけ馬鹿な作戦だったか思い知らされる。国のために散っていった若き戦士たちの、なんと貴重なことか。

大局ではなく、前線の心境を知るにはよい本。



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