10点満点で、7点。
普通に読んで、1時間程度。
「考えることの科学」を読んで三囚人問題に興味を持ち、本書を手に取った。
三囚人問題とは、A, B, Cの三人の囚人のうち2名が処刑、1名が恩赦されるという状況で、Aが看守に「BとCのいずれかは確実に処刑されるのだから、1名は名前を聞いても自分が処刑されるかどうかという情報は与えられない。だから処刑される人物を1名教えて欲しい」と依頼して、「Bは処刑される」という回答を得たとする。そこでAは「これで処刑されるのは自分かCのいずれかだから、恩赦される可能性が1/3から1/2に増えた」と考えた場合、正しいかという問題。この場合、数学的にはAの考え方は間違いで、Aが恩赦される可能性は1/3、Cが恩赦される可能性は2/3となる!
この問題の拡張型も考察してあり、釈放される可能性がA, B, Cそれぞれについて1/4, 1/4, 1/2だったとする。同様の質問をして「Bは処刑される」という回答を得たとき、Aが釈放される可能性はどれだけか。なんと1/5で、情報を得る前よりも悪化している!
本書は「認知科学」というスタンスで書いてあり、「なぜこうなるのか」という数学的な考察はもちろんしっかりしているが、「なぜこれが理解できないのか」をテーマに書かれている。誤解を招く要素、混乱する要因、等々。しかし個人的には、それよりも数学的な考察部分の方が面白かった。数式なんかはほとんど読み飛ばしたのだが。
数学パズルとして興味を持ち、その意識のまま読んだからだろう。これはこれで悪くないはず。
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