2009年1月2日金曜日

002 / 046 世紀末奇芸談

10点満点で、6点。

基本的にはマジックだが、主に見せ物として披露される「奇芸」について、その芸の先駆けとなった演者たちを取り上げた本。一番最初にフーディーニについて書かれたコラムがあり、著名なマジシャンたちの歴史に残る演出について語っているのかと思ったら、大きな間違いだった。

10本の指でそれぞれ別の文字を書く人物、知恵のある馬、ボールの中で動いて螺旋階段を上るなど、やり方がわかり訓練すれば(誰でもとは言わないが)出来る「芸」から、自分の身長を自在に変える男、あまりの記憶力から「データス」と呼ばれた男、三回死んだ男など、生まれ持っての特異体質で一世を風靡した人物など、ショービジネスの色物史と考えて読めば、それはそれで面白い。

著者は現役のマジシャンでもあるそうで、マジックとして成立しているものは、基本的に種明かしなどない。なので、普通に「見て楽しむ」マジック好きも、この本を読んだからと言って楽しみが損なわれることはないだろう。

原文がそうなのか訳のせいなのか、いささか読みにくいのが難点。



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