2009年1月28日水曜日

020 / 064 そうだ、葉っぱを売ろう!

10点満点で、8点。

準備、予習、フォトリーディング、調査・・・10分程度
活性化(高速リーディング)・・・50分

文化放送で平日07:50~07:55頃に放送しているコーナー、「武田鉄矢・今朝の三枚おろし」で紹介された本。
武田鉄矢は結構な読書家らしく、よく面白い本を紹介している。科学の造詣は深くないようで、トンデモ本を平気で紹介していたりするが、コレは面白そうだったので読んでみた。

産業らしい産業は農業しかないのに、これと言った特産品もない徳島県上勝町。ここに農業指導員として赴任してきた「よそ者」の青年が、町民の反発を受けながらも、斬新なアイデアと行動力で過疎の町をよみがえらせた実話。

農業にしても体力に不安要素の大きいおばあちゃんたちに、いかに楽に、そしていかに充実感のある仕事をしてもらうか。そこで著者が思いついたのは、日本料理に欠かせないツマとして、「葉っぱ」を売ることだった。

「そんな物が売れるわけがない」と言われながら、情熱と行動力で周囲の疑念をひっくり返し、辞表を出したときには「辞めないでくれ」と嘆願書を出されるまでに信頼を獲得した、著者の行動力は凄い。おそらくここが紹介されるときは「アイデアの勝利」という形が多いのだが、少なくともこの本を読む限りそれは違う。著者の行動力、年間4500時間(365日休みなしで毎日12時間働いても届かない数字だ)にも及ぶ労働時間、そして商品価値を高めるために怠らない調査。これだけの情熱と行動が伴っていれば、たとえ思いついたのが葉っぱでなくとも、成功していた気がする。そのことは、後発で過疎からよみがえったという町が出てこないことからも証明されているのだろう。

さわやかな気分になれた。いい本だ。
ビジネス書としてもヒューマンドラマとしても、自信を持って薦めることが出来る。



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