10点満点で、7点。
日本の企業が持つ世界一の技術、製品について取り上げた本。元々は新聞連載らしい。
小さな町工場が世界中に普及している製品を支えていたり、世界中の技術者が解決できなかった課題を日本企業が突破していたり、日本の技術者は凄いんだな、と素直に感心できる。
全体に、技術者や職人に好意的な視点で書いてあり、また過度に演出された部分もないので、素直に読める。日本の高度成長を支えたのはこういう人たちか、と感心することしきり。
ただ、これは個人的な感じ方ではあるが、職人芸を持ち上げすぎるのはいかがかと思う。国家の技術力とはすなわち量産技術であり、一部熟練者に支えられた技術は、いとも簡単に失われてしまう。それだけに、「量産化」という方向に注目した記事がほとんど見受けられないのは残念。
だがしかし、「技術者」に対する憧憬をかき立てるにはいい本。文系出身者に比べ、生涯年収は5000万円以上低いと言われる理系技術者、その経済的には報われない技術者たちには、せめてこういう本で名誉が与えられていい。
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